中1 社会 / 地理 / g-05
ヨーロッパ州・アフリカ州
この単元でできるようになること
- ヨーロッパの自然(高緯度でも温暖な理由=暖流と偏西風、アルプス・ライン川・フィヨルド)、言語(ラテン・ゲルマン・スラブ)と宗教(カトリック・プロテスタント・正教会)の分布が言える
- EU の成立と特徴(ユーロ・国境の自由通行・共通農業政策)と課題(経済格差・移民・イギリス離脱)を説明できる
- ヨーロッパの農業(混合農業・地中海式農業・酪農)と工業(ルール・航空機の国際分業)がわかる
- アフリカの自然(サハラ砂漠・サヘル・ナイル川)、植民地の歴史と直線的な国境、モノカルチャー経済と課題(貧困・紛争・砂漠化)を説明できる
入試での位置づけ
ヨーロッパが高緯度でも温暖な理由(北大西洋海流と偏西風)の記述、EU の長所と課題(ユーロの利点/国ごとの経済格差)、アフリカのモノカルチャー経済の問題点(価格変動で収入が不安定)、直線国境の理由(植民地分割)が定番。三大農業の分布もよく出ます。
1. ヨーロッパの自然と文化
まずここだけ
- 日本より高緯度(ローマが北海道と同じくらい)なのに温暖 → 暖流の北大西洋海流と、その上を吹く偏西風が暖かく湿った空気を運ぶ。西岸海洋性気候(西部)・地中海性気候(南部)・冷帯(北東部)。
- アルプス山脈、ライン川(国際河川・水運)、北海(油田)、フィヨルド(ノルウェー)、ポルダー(オランダの干拓地)。
| 言語 | 主な国 | 宗教 |
|---|---|---|
| ラテン系 | イタリア・スペイン・フランス・ポルトガル | カトリック |
| ゲルマン系 | ドイツ・イギリス・北欧(ノルウェー・スウェーデン) | プロテスタント |
| スラブ系 | ロシア・ポーランド・ウクライナ | 正教会(ロシア・ギリシャ)、ポーランドはカトリック |
キリスト教が文化の基盤(教会・日曜・クリスマス)。近年はイスラム教の移民も増加。
2. EU(ヨーロッパ連合)
まずここだけ
- 1967 年 EC → 1993 年 EU 発足。戦争をくり返した国々が統合して平和と経済発展をめざす。27 か国(イギリスは 2020 年離脱)。本部ブリュッセル。
- 共通通貨ユーロ(2002 年流通開始・一部の国は未導入)→ 両替不要・価格比較が簡単。
- 国境の自由通行(パスポート検査なし・シェンゲン協定)→ 国境をこえて通勤・買い物。
- 関税なし、共通の農業政策、人・もの・お金・サービスの自由な移動。航空機(エアバス)を各国で部品分担する国際分業。
- 課題:加盟国間の経済格差(西欧・北欧は豊か、東欧・南欧は低所得 → 労働者が西へ移動)、財政危機(ギリシャ)、移民・難民の受け入れをめぐる対立、EU の決まりと各国の主権。
3. ヨーロッパの産業
ここまでできれば十分
| 農業 | 地域 | 内容 |
|---|---|---|
| 混合農業 | ドイツ・フランス北部 | 穀物(小麦・ライ麦)・飼料作物の栽培と家畜(豚・牛)の飼育を組み合わせる |
| 地中海式農業 | イタリア・スペイン・ギリシャ | 夏の乾燥に強いオリーブ・ぶどう・オレンジ、冬に小麦 |
| 酪農 | デンマーク・オランダ・アルプス | 乳牛 → バター・チーズ(冷涼で穀物に向かない) |
| 園芸農業 | オランダ | 花(チューリップ)・野菜 |
フランスは EU 最大の農業国・小麦の輸出国。食料自給率が高い国が多い。
工業:ルール工業地域(ドイツ・石炭)→ 現在は先端技術産業へ。航空機(フランス・トゥールーズで最終組立、各国が部品)。自動車(ドイツ)。再生可能エネルギー(風力:デンマーク・ドイツ)。環境対策:パークアンドライド、自転車、酸性雨対策(国境をこえる)。
ロシア:面積世界最大・冷帯・タイガ。石油・天然ガスをパイプラインでヨーロッパへ輸出。
4. アフリカ州
まずここだけ
- 自然:赤道が中央を通る。サハラ砂漠(世界最大)・サヘル(サハラ南縁・砂漠化)・ナイル川(最長)・コンゴ盆地(熱帯雨林)・サバナ(野生動物・ケニア)・キリマンジャロ。北部は乾燥帯、中部は熱帯、南端は温帯。
- 歴史:16 世紀から奴隷貿易、19 世紀末にヨーロッパ諸国の植民地に分割 → 緯線・経線に沿った直線国境(民族分布を無視 → 民族紛争の原因)。**1960 年「アフリカの年」**に 17 か国が独立。公用語に英語・フランス語が多い。エチオピアとリベリアは独立を保った。
- 経済:モノカルチャー経済=特定の農産物や鉱産資源の輸出にたよる(カカオ:コートジボワール・ガーナ、コーヒー:エチオピア、銅:ザンビア、石油:ナイジェリア、金・ダイヤモンド・レアメタル:南アフリカ・コンゴ)。
- 問題:天候や国際価格の変動で収入が不安定、他の産業が育たない、先進国の企業に利益が流れる → フェアトレード・産業の多角化。
- 課題:貧困・飢餓・人口爆発・感染症(マラリア・エイズ)・砂漠化・都市のスラム・紛争と難民。AU(アフリカ連合)。NGO・ODAの支援、携帯電話の急速な普及(固定電話をとばす)。
- 南アフリカ共和国:**アパルトヘイト(人種隔離政策)**を 1991 年に廃止。鉱産資源で工業化。BRICS の一員。
5. よくある間違い
- ヨーロッパが温暖な理由を「赤道に近い」(高緯度だが暖流と偏西風)
- ラテン系をプロテスタント(カトリック)、ゲルマン系をカトリック(プロテスタント)
- イギリスを EU 加盟国とする(2020 年離脱)/ユーロをすべての国が使う(一部未導入)
- 混合農業を「牛だけ」(穀物・飼料+家畜)
- アフリカの直線国境を「砂漠だから」(植民地分割)
- モノカルチャーの問題を「作物が育たない」(価格変動で収入が不安定)
- アフリカの年を 1945 年(1960 年)
6. 自己チェック
- 暖流(北大西洋海流)+偏西風 → 高緯度でも温暖
- ラテン=カトリック、ゲルマン=プロテスタント、スラブ=正教会
- EU:1993・27 か国・ユーロ・国境自由・格差と移民が課題・イギリス離脱
- 混合農業・地中海式・酪農。航空機の国際分業
- アフリカ:植民地 → 直線国境・1960 年独立・モノカルチャー(カカオ・銅・石油)・AU
7. 小テストへ
→ 小テスト(g-05)
関連する単元
- 前提:g-02 気候(西岸海洋性・地中海性)、g-03 宗教・言語
- 次に進む:g-06 北アメリカ・南アメリカ・オセアニア
- ここで使う考え方が出てくる:c-07 国際社会(EU・AU・南北問題)、h-12 世界史(植民地)
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編』── 地理的分野「B 世界の様々な地域 (2) 世界の諸地域(ヨーロッパ・アフリカ)」
- 外務省「EU 概況」「アフリカ各国情勢」(https://www.mofa.go.jp/)── 加盟国数・ユーロ導入国・独立年
- 駐日欧州連合代表部「EU とは」(https://www.eeas.europa.eu/delegations/japan)
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/koko/social/g-05/ / 更新 2026-09-12