勉強法

更新 2026-09-12 / 引用した論文はすべて DOI を確認しています

理科の勉強法 ── 研究で確かめられている4つのやり方

このページも数学・英語と同じ立場です。「こうすると理科ができるらしい」ではなく、実験で比べられた結果が論文として出ているやり方だけを集め、「何人を対象に・何を測って・どれくらい差が出たか」まで書きます。数字が要旨に無いものは書きません。

理科は「暗記が半分、計算が半分」と言われますが、研究で見るとどちらも同じやり方が通用します。用語も計算も、読み返すより思い出すまとめるより説明する間をあけて戻るが残ります。しかも、理科の研究には中学生の教室で行われた実験がそろっているのが強みです。

結論の表

やり方ひとことで理科ではこうする証拠の強さ
① 小テストで思い出す授業のあと・単元の前に短いテストを受ける解説を読んだら閉じて小テスト。まちがえた問題は日をあけてもう一度強い(中学の教室実験で +13〜25%)
② まとめノートより「思い出して書く」図をきれいにまとめる時間を、白紙に思い出して書く時間に単元の解説を閉じて、白紙に用語・式・実験の流れを書き出す強い(理科の文章で実験)
③ 自分に説明する「なぜそうなる?」を自分の言葉で言う実験の結果の理由、公式がそうなる理由を一文で言う中〜強(中2相当の血液循環の文章で実験)
④ 聞くだけより手を動かす授業を聞くだけより、解く・書く・話す動画や授業のあと必ず問題を解く。読んだ実験は手順を自分で言う強い(225研究のメタ分析・大学)

証拠の強さは「中学生・高校生に近い対象で、追跡テストがあり、複数の研究で同じ方向の結果が出ているか」で判定しています。


① 小テストで思い出す(練習テスト)

何をするか

理科の単元を学んだら、まとめを読み返すのではなく小テストを受ける。まちがえたら答えを確認し、数日あけてもう一度。点数はつけなくてよい(低リスクのテスト)。

どんな研究があるか

理科での具体例

注意点


② まとめノートより「思い出して書く」

何をするか

単元が終わったら、教科書や解説を閉じて白紙に、覚えている用語・式・実験の流れ・図を書き出す。書けなかったところだけ解説で確認する。きれいなまとめノートを作る時間をこれに置きかえる。

どんな研究があるか

理科での具体例

注意点


③ 自分に説明する(自己説明)

何をするか

解説を読みながら、一文ごとに「これはなぜ?」「前の文とどうつながる?」を自分の言葉で言う(書く)。答えが出なくてもよい。

どんな研究があるか

理科での具体例

注意点


④ 聞くだけより手を動かす(能動学習)

何をするか

授業・動画・解説を受け取るだけで終わらせない。直後に問題を解く・図を描く・人に説明する。

どんな研究があるか

理科での具体例

注意点


まとめ:理科の 1 週間の回し方(例)

やること
授業の日解説を読む → 閉じて小テスト(基礎)→ まちがえた問題の解説を確認
3 日後同じ単元の小テスト(標準)。白紙に用語・式を書き出す(②)
1 週間後前週の単元をまとめて小テスト。理由が言えない用語に「なぜ?」(③)
定期テスト前ノートを読む代わりに、範囲の小テストを通しで受ける(①で最も効果が大きかったやり方)

参考文献(DOI は確認ずみ・2026-09-12)

  1. McDaniel, M. A., Agarwal, P. K., Huelser, B. J., McDermott, K. B., & Roediger, H. L. (2011). Test-enhanced learning in a middle school science classroom: The effects of quiz frequency and placement. Journal of Educational Psychology, 103(2), 399–414. https://doi.org/10.1037/a0021782
  2. Roediger, H. L., Agarwal, P. K., McDaniel, M. A., & McDermott, K. B. (2011). Test-enhanced learning in the classroom: Long-term improvements from quizzing. Journal of Experimental Psychology: Applied, 17(4), 382–395. https://doi.org/10.1037/a0026252
  3. Butler, A. C. (2010). Repeated testing produces superior transfer of learning relative to repeated studying. Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognition, 36(5), 1118–1133. https://doi.org/10.1037/a0019902
  4. Karpicke, J. D., & Blunt, J. R. (2011). Retrieval practice produces more learning than elaborative studying with concept mapping. Science, 331(6018), 772–775. https://doi.org/10.1126/science.1199327
  5. Nesbit, J. C., & Adesope, O. O. (2006). Learning with concept and knowledge maps: A meta-analysis. Review of Educational Research, 76(3), 413–448. https://doi.org/10.3102/00346543076003413
  6. Chi, M. T. H., de Leeuw, N., Chiu, M.-H., & LaVancher, C. (1994). Eliciting self-explanations improves understanding. Cognitive Science, 18(3), 439–477. https://doi.org/10.1207/s15516709cog1803_3
  7. Freeman, S., Eddy, S. L., McDonough, M., Smith, M. K., Okoroafor, N., Jordt, H., & Wenderoth, M. P. (2014). Active learning increases student performance in science, engineering, and mathematics. Proceedings of the National Academy of Sciences, 111(23), 8410–8415. https://doi.org/10.1073/pnas.1319030111
  8. (数学・英語の勉強法から再引用)Dunlosky et al. (2013) https://doi.org/10.1177/1529100612453266 / Rowland (2014) https://doi.org/10.1037/a0037559 / Cepeda et al. (2006) https://doi.org/10.1037/0033-2909.132.3.354

確認方法:CrossRef API で書誌を、OpenAlex API で要旨を取得し、本文に書いた数字は要旨に書かれているものだけを使いました。生データは docs/参考文献_生データ_理社国_2026-09-12.txt