和歌の修辞(枕詞・掛詞・序詞・縁語・本歌取り)と古典常識 ── 問題
基礎
- 次の枕詞が導く(かかる)語はどれですか。「ももしきの」 (ア 山 イ 天・光・月 ウ 大宮 エ 神)
- 和歌で掛詞になる語「たつ」がもつ 2 つの意味はどれですか。 (ア 松・待つ イ 秋・飽き ウ 長雨・眺め(物思い) エ 立つ・竜田(山))
- 旧暦 8 月の異名はどれですか。 (ア 葉月 イ 長月 ウ 文月 エ 如月)
- 十二支で表す時刻・方位について、「丑寅(艮)」が表すものはどれですか。 (ア 正午ごろ(前後 2 時間) イ 午前 0 時ごろ(前後 2 時間) ウ 北東(鬼門) エ 午前 6 時ごろ)
- 枕詞と序詞の違いとして正しいものはどれですか。 (ア 枕詞のほうが長い イ 枕詞は 5 音の固定した語で特定の語を導き訳さない。序詞は 7 音以上でその歌独自に作られ、比喩や同音で本題を導く ウ どちらも同じ エ 序詞は訳さず、枕詞は訳す)
- 「本歌取り」が特に盛んに用いられた歌集はどれですか。 (ア 古今和歌集 イ 新古今和歌集(藤原定家ら) ウ 金槐和歌集 エ 万葉集)
標準
- 次の和歌に使われている修辞と、その説明として正しいものはどれですか。 「山里は冬ぞさびしさまさりける人目も草もかれぬと思へば」 (ア 掛詞(「かれ」= 枯れ・離れ) イ 枕詞(5 音の固定表現が特定の語を導く) ウ 折句(各句の頭に語を置く) エ 本歌取り(古歌の句を取り入れる))
- 古典常識について、「十五夜」「望月」「中秋の名月」が指す日はどれですか。 (ア 旧暦 8 月 15 日の満月 イ 旧暦 9 月 13 日の月(十三夜)で、後の月ともよばれる ウ 旧暦 1 月 15 日の満月で、小正月の夜に見る月 エ 新暦 8 月 15 日の月で、お盆の夜に見る月)
- 「立ち別れいなばの山の峰に生ふるまつとし聞かば今帰り来む」(在原行平)の掛詞を正しく訳したものはどれですか。 (ア 因幡の山の峰の松を待って帰る イ 別れて因幡へ行ってしまっても(往なば)、峰に生えている松のように、あなたが私を待つと聞いたら、すぐに帰って来よう ウ いなばの山の松が立ち別れる エ 別れて稲葉山に行けば、松の木を聞いて帰る)
- 「花の色は移りにけりないたづらに我が身世にふるながめせしまに」(小野小町)の「ふる」「ながめ」の掛詞の訳はどれですか。 (ア 「ふる」= 古い、「ながめ」= 景色 イ 掛詞はない ウ 「ふる」= 振る、「ながめ」= 長い目 エ 「ふる」= 雨が降る・時が経る、「ながめ」= 長雨・物思いに眺める。「桜の色は色あせてしまった。長雨が降る間に、私がむなしく年を取り物思いにふけっている間に」)
発展
- 古文の場面で「暁、男帰りぬ。やがて文あり。」と書かれていたら、何が起こっていると読み取れますか。 (ア 男が旅に出て別れの手紙を残した イ 男が死んで遺書が届いた ウ 通い婚で、女の家に泊まった男が夜明け前に帰り、すぐに後朝(きぬぎぬ)の文(和歌)を送ってきた。男の誠意が示されている エ 男が朝に出勤して手紙を届けた)
- 贈答歌を読むときの基本として正しいものはどれですか。 (ア 返歌は贈歌をそのまま繰り返す イ 返歌は贈歌の語(掛詞・縁語)を受けて同じ題材で返すので、贈歌の語が返歌でどう使われたかを見ると、受け入れたか拒んだか、皮肉か慰めかがわかる ウ 返歌は贈歌とまったく別の内容で作る エ 贈答歌はいつも男が贈り女が返す)
和歌の修辞(枕詞・掛詞・序詞・縁語・本歌取り)と古典常識 ── 解答
基礎
- ウ 大宮 枕詞は 5 音で特定の語を導く固定表現。訳さない。答え:大宮。
- エ 立つ・竜田(山) 掛詞は自然の語と心情の語を同音で重ねる。訳は両方の意味を出す。答え:立つ・竜田(山)。
- ア 葉月 睦月・如月・弥生(春)、卯月・皐月・水無月(夏)、文月・葉月・長月(秋)、神無月・霜月・師走(冬)。答え:葉月。
- ウ 北東(鬼門) 子 = 0 時・北、午 = 12 時・南、卯 = 6 時・東、酉 = 18 時・西。2 時間ずつ。丑寅(北東)が鬼門。答え:北東(鬼門)。
- イ 枕詞は 5 音の固定した語で特定の語を導き訳さない。序詞は 7 音以上でその歌独自に作られ、比喩や同音で本題を導く 「あしひきの」は枕詞、「あしひきの山鳥の尾のしだり尾の」全体は序詞。
- イ 新古今和歌集(藤原定家ら) 古歌の句を取り入れて新しい情趣を重ねる技法。定家の「駒とめて…」は万葉集の歌を本歌とする。
標準
- ア 掛詞(「かれ」= 枯れ・離れ) 枕詞は 5 音の固定表現で訳さない。序詞は 7 音以上でその歌独自。掛詞は同音で 2 つの意味。縁語は関連語の散布。本歌取りは古歌を踏まえる。答え:掛詞(「かれ」= 枯れ・離れ)。
- ア 旧暦 8 月 15 日の満月 答え:旧暦 8 月 15 日の満月。
- イ 別れて因幡へ行ってしまっても(往なば)、峰に生えている松のように、あなたが私を待つと聞いたら、すぐに帰って来よう 「いなば」= 因幡・往なば、「まつ」= 松・待つ。掛詞は両方の意味を訳に出す。
- エ 「ふる」= 雨が降る・時が経る、「ながめ」= 長雨・物思いに眺める。「桜の色は色あせてしまった。長雨が降る間に、私がむなしく年を取り物思いにふけっている間に」 「いたづらに」は「むなしく」(jg-01)。自然(長雨で花が色あせる)と心情(年を取る)が重なる典型。
発展
- ウ 通い婚で、女の家に泊まった男が夜明け前に帰り、すぐに後朝(きぬぎぬ)の文(和歌)を送ってきた。男の誠意が示されている 「暁に帰る」「後朝の文」は平安の恋の定型。文が遅ければ女は不安になる、という心情も読み取れる。
- イ 返歌は贈歌の語(掛詞・縁語)を受けて同じ題材で返すので、贈歌の語が返歌でどう使われたかを見ると、受け入れたか拒んだか、皮肉か慰めかがわかる 詞書と本文の場面に戻して、歌が場面で何をしているか(求愛・拒絶・約束・別れ)を決める。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/daigaku/japanese/jg-06/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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