高1 / 古文 / jg-06

更新 2026-09-13

和歌の修辞(枕詞・掛詞・序詞・縁語・本歌取り)と古典常識

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

共通テスト古文では和歌の解釈がほぼ毎年出ます。「掛詞を見つけて 2 つの意味を訳す」「贈答歌でどちらが誰の歌か」「序詞と本題の切れ目」が定番。古典常識は「暁に男が帰る → 通い婚」「裳着 → 結婚適齢」のように場面の理解に直結し、知らないと文脈を誤読します。


1. 和歌の形式

まずここだけ


2. 修辞法

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修辞内容
枕詞5 音の固定した語で、特定の語を導く。訳さないあしひきの → 山、ひさかたの → 天・光・月、ちはやぶる → 神、たらちねの → 母、ぬばたまの → 黒・夜・髪、くさまくら → 旅、あづさゆみ → 引く・張る、からころも → 着る・裾、しろたへの → 衣・袖・雪、あかねさす → 日・紫、うつせみの → 世・命、たまきはる → 命、いはばしる → 垂水、ももしきの → 大宮
序詞7 音以上(多くは 2 句以上)で、ある語を導くその歌だけの前置き。比喩・掛詞・同音で本題につなぐ。訳は「〜のように」などあしひきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む」(山鳥の尾のように長い夜を)、「みかの原わきて流るるいづみ川いつ見きとてか恋しかるらむ」(いづみ → いつ見)
掛詞同音で 2 つの意味をもたせる。自然の語と心情の語の組が多い。訳は両方まつ(松・待つ)、あき(秋・飽き)、ながめ(長雨・眺め)、ふる(降る・経る・古る・振る)、かれ(枯れ・離れ)、(夜・世・節)、(身・実)、あふ(逢ふ・逢坂)、いなば(因幡・往なば)、うき(憂き・浮き)、おき(沖・起き)、なみだ(波・涙)、はる(春・張る)、かり(雁・仮)、たつ(立つ・竜田)、すみ(住み・澄み)、(音・根・寝)
縁語1 つの語に関連する語を歌の中に散りばめる。掛詞と組み合わさることが多い「糸」→ より・乱れ・ほそし、「衣」→ 着る・裁つ・裾・褄・張る、「波」→ 寄る・立つ・帰る、「舟」→ 漕ぐ・寄る・泊つ、「弓」→ 引く・張る・矢
本歌取り有名な古歌(本歌)の句を取り入れて、新しい情趣を重ねる。新古今集に多い藤原定家「駒とめて袖うちはらふかげもなし佐野のわたりの雪の夕暮れ」← 万葉集「苦しくも降りくる雨か三輪の崎佐野のわたりに家もあらなくに」
見立てあるものを別のものに見る比喩桜を雲に、紅葉を錦に、波を花に
擬人法自然を人のように「花に物言ふ」
倒置法語順を入れかえて強調
体言止め結句を体言で止めて余情「…雪の夕暮れ」
物名(隠し題)折句物の名を歌に隠す/各句の頭に語を置く(「らころもつつなれにしましあればるばるきぬるびをしぞ思ふ」→ かきつばた)伊勢物語・東下り

掛詞の見つけ方:①ひらがなで書かれた語に注意 ②その語で自然と心情の両方に読めるか ③前後の語とつながる意味が 2 通りあるか。訳では「〜(秋)… あなたに飽きられ…」のように両方を出す序詞の見つけ方:上の句が自然描写で、下の句の心情と同音(掛詞)か比喩でつながる。枕詞との違いは長さ(7 音以上)その歌独自であること。


3. 古典常識 ── 時間・空間

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月の異名(旧暦。季節は 1〜3 月 春、4〜6 夏、7〜9 秋、10〜12 冬):

異名異名異名異名
1睦月4卯月7文月10神無月
2如月5皐月8葉月11霜月
3弥生6水無月9長月12師走

時刻(十二支で 2 時間ずつ):(0 時ごろ)・丑(2)・寅(4)・卯(6)・辰(8)・巳(10)・(12:正午)・未(14)・申(16)・酉(18)・戌(20)・亥(22)。(あかつき:夜明け前)→ しののめ(あけぼの)→ 朝ぼらけ → 朝。夕べ → 宵 → 夜中 → 暁。「つとめて」は早朝。 方位 = 北、 = 南、 = 東、 = 西。北東 = 丑寅(艮:鬼門)、南西 = 未申(裏鬼門)。 月の呼び名朔・新月(1 日)→ 三日月 → 上弦十五夜・望月・満月(15 日:中秋の名月は 8 月 15 日)→ 十六夜(いざよひ)立待月(17)・居待月(18)・寝待月(19)・更待月(20)→ 有明の月(夜明けに残る月。20 日以降)→ 晦日(つごもり)。 方違え陰陽道で凶の方角を避けて別の場所に泊まる)、物忌み(凶日に家にこもる)、夢占加持祈禱(病気はもののけ)、穢れ


4. 古典常識 ── 身分・宮中・人生

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5. 和歌の読解の手順

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  1. ひらがなの語に掛詞がないか探す(まつ・あき・ながめ・ふる・よ)
  2. 上の句が自然描写なら序詞か → 下の句とのつなぎ目(同音・比喩)を見つける
  3. 枕詞は訳さず飛ばす
  4. 句切れで意味を区切り、助動詞(けり = 詠嘆、らむ = 原因推量、まし = 反実仮想)で心情をつかむ
  5. 贈答歌贈歌の語を返歌が受ける(同じ語・縁語で返す)。誰が誰に、求愛か拒絶か、別れか慰めか
  6. 詞書(ことばがき)(歌の前の状況説明)と本文の場面に戻して、歌が何をしているか(心情の表明・皮肉・約束)を決める

「秋の野に人まつ虫の声すなり我かと行きていざとぶらはむ」:まつ = 松虫・待つ(掛詞)。「人を待つ松虫の声がする。私を待っているのかと行って訪ねてみよう」


6. よくある間違い


7. 自己チェック

  1. 枕詞 10 個とかかる語を言えるか
  2. 掛詞の組 10 個を言え、歌から見つけられるか
  3. 序詞・縁語・本歌取りを説明し、枕詞と序詞の違いを言えるか
  4. 月の異名 12、時刻の十二支、月の呼び名(望月・十六夜・有明)を言えるか
  5. 身分(摂政関白・上達部・殿上人・女御更衣・女房)と宮中の建物を言えるか
  6. 元服・裳着・通い婚・後朝の文・出家・死の婉曲表現を説明できるか
  7. 和歌の読解手順 6 つを言えるか

8. 小テストへ

→ 小テスト(jg-06

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参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から

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