高1 / 古文 / jg-04

更新 2026-09-13

助動詞②(き・けり・つ・ぬ・たり・り・べし・らむ・けむ・めり・なり・らし・たし)

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

なり」の識別(断定か伝聞推定か)」「ぬ・つ の強意(〜てしまう・きっと〜)」「べしの意味」「けりの詠嘆」は毎年のように選択肢に絡みます。接続(連用形 vs 終止形 vs 連体形)で候補を絞り、ラ変型には連体形がつく例外と撥音便無表記(あめり・ななり)を押さえるのが得点の近道です。


1. 過去 ── き・けり

まずここだけ

接続活用意味
連用形(カ変・サ変には未然形にも:来し(こし)・せし)特殊型:(せ)・○・き・し・しか・○直接体験の過去(〜た):自分が見聞きしたこと。日記・和歌
けり連用形ラ変型:(けら)・○・けり・ける・けれ・○伝聞の過去(〜たそうだ・〜た):人から聞いた昔のこと。物語(「今は昔、〜ありけり」)②詠嘆(〜だなあ・〜だったのだなあ):和歌・会話文、今気づいたこと(「なりけり」「〜にけり」の形が多い)

2. 完了 ── つ・ぬ・たり・り

まずここだけ

接続活用意味
連用形下二段型:て・て・つ・つる・つれ・てよ完了(〜た・〜てしまった)②強意(きっと〜・確かに〜)③並列(〜たり〜たり:「泣きつ笑ひつ」)
連用形ナ変型:な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね同上。「つ」は意志的な動作(他動詞)、「ぬ」は自然に起こること(自動詞)につきやすい
たり連用形ラ変型:たら・たり・たり・たる・たれ・たれ完了(〜た)②存続(〜ている・〜てある)。「てあり」から
サ変の未然形・四段の已然形(e 段)(「さ・み・し・い」:サ変未然・四段已然)ラ変型:ら・り・り・る・れ・れ存続(〜ている)②完了(〜た)。「あり」から。e 段+りで識別:「咲け」(咲いている)、「せ

強意(確述)の「つ・ぬ」:下に推量の助動詞がつくとき → 「てむ」「なむ」「つべし」「ぬべし」「てまし」「なまし」「つらむ」「ぬらむ」きっと〜だろう・〜てしまうだろう

「風も吹きぬべし」(きっと風も吹くだろう)、「今は言は」…「言ひてむ」(きっと言おう) 「なむ」の識別(4 つ):①連用形+なむ = 強意「ぬ」未然+推量「む」(散りなむ:きっと散るだろう)②未然形+なむ = 願望の終助詞(〜してほしい:花咲かなむ)③係助詞「なむ」(強調、結びは連体形:花なむ咲ける)④ナ変の未然形+む(死なむ「ぬ」「ね」の識別jg-03(未然形+ → 打消、連用形+ → 完了)。 「に」の識別:完了「ぬ」の連用形(散りけり)/断定「なり」の連用形(人あらず・人て)/格助詞・接続助詞/形容動詞の連用形(静か)/副詞の一部(つひ)。


3. 推量 ── べし・まじ・らむ・けむ・めり・らし・なり

まずここだけ

接続終止形(ただしラ変型(あり・なり・たり・けり・べかり など)には連体形:あるべし・なるめり)。

活用意味
べし形容詞ク型(べく/べから・べく/べかり・べし・べき/べかる・べけれ・○)推量(〜だろう・〜そうだ)②意志(〜しよう)③可能(〜できる)④当然・義務(〜はずだ・〜べきだ)⑤命令(〜せよ)⑥適当・勧誘(〜するのがよい)。「すいかとめて」(推・意・可・当・命・適)「む」の強い版。主語が一人称 → 意志、二人称 → 命令・適当、三人称 → 推量・当然。「え〜べからず」→ 可能
まじ形容詞シク型「べし」の打消:打消推量(〜ないだろう)・打消意志(〜まい)・不可能(〜できない)・打消当然(〜はずがない)・禁止(〜してはならない)・不適当「べし」と対応
らむ四段型(○・○・らむ・らむ・らめ・○)現在推量(今ごろ〜ているだろう:目の前にないことの推量)②現在の原因推量(どうして〜のだろう:疑問語と)③婉曲・伝聞(〜とかいう)「ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ」(どうして花が散るのだろう)
けむ四段型過去推量(〜ただろう)②過去の原因推量(どうして〜たのだろう)③過去の伝聞・婉曲(〜たとかいう)「いかなる人なりけむ
めりラ変型推定(〜ようだ:目で見た根拠)②婉曲(〜ようだ)「あめり」「べかめり」(撥音便無表記)
なり(推定・伝聞)ラ変型推定(〜ようだ・〜らしい:耳で聞いた根拠:音・声)②伝聞(〜そうだ・〜と聞く)「男もすなる日記」(男も書くと聞く日記)、「ななり
らし無変化(らし・らし・らし)推定(〜らしい:確かな根拠にもとづく)「春過ぎて夏来にけらし」(夏が来たらしい:衣を干しているから)

「らむ」の識別:①終止形+らむ = 現在推量の助動詞(散るらむ)②未然形+らむ = 完了「り」の未然形+推量「む」(咲けらむ:咲いているだろう)③ラ変型連体形の「ら」+む(あら)④「〜からむ」(形容詞カリ活用未然+む)。


4. 断定・比況・希望 ── なり・たり・ごとし・たし

まずここだけ

接続活用意味
なり(断定)体言・連体形ラ変型:なら・なり/に・なり・なる・なれ・なれ断定(〜である)・存在(〜にある:「都なる人」= 都にいる人)
たり(断定)体言ラ変型:たら・たり/と・たり・たる・たれ・たれ断定(〜である)。漢文訓読調
ごとし連体形・体言+の・が形容詞ク型比況(〜のようだ)・例示
たし連用形形容詞ク型希望(〜たい)。「まほし」と同じ

「なり」の識別(最重要)

上の語正体
体言・連体形+なり断定(〜である)なり、行くなり(行くのである)
終止形+なり(ラ変型は連体形)推定・伝聞(〜ようだ・〜そうだ)行くなり(行くようだ・行くそうだ)、あなり(撥音便無表記)
「〜」の形で用言に続く形容動詞の活用語尾(静かなり語幹が状態を表す
「〜と」「〜く」+なり動詞「成る」(四段)人となり、暗くなり

5. 識別のまとめ表

まずここだけ

候補決め手
打消「ず」連体形/完了「ぬ」終止形未然形+ → 打消、連用形+ → 完了
打消「ず」已然形/完了「ぬ」命令形同上
なり断定/伝聞推定/形容動詞/動詞体言・連体形+ → 断定、終止形+ → 伝聞推定
なむ強意+推量/願望終助詞/係助詞/ナ変未然+む連用形+ → 強意、未然形+ → 願望、文中で結びを取る → 係助詞
らむ現在推量/完了「り」+む/ら+む終止形(u 段)+ → 現在推量、e 段+ → り+む
完了「ぬ」連用形/断定「なり」連用形/格助詞/接続助詞/形容動詞語尾連用形+に+き・けり・たり → 完了、体言・連体形+に+あり・て → 断定
る・れ受身など「る」/完了「り」/四段已然・命令の活用語尾a 段+る → 受身等、e 段+り・る・れ → 完了「り」
過去「き」連体形/サ変連用形/副助詞/形容詞語尾連用形+し+体言 → 過去
けれ過去「けり」已然形/形容詞已然形語尾連用形+ → けり
べし6 意味人称・打消・文脈

6. よくある間違い


7. 自己チェック

  1. 連用形・終止形・連体形接続の助動詞をそれぞれ言えるか
  2. き(直接体験)と けり(伝聞・詠嘆)の違いと活用を言えるか
  3. つ・ぬ の強意の形(てむ・なむ・つべし・ぬべし)を訳せるか
  4. たり・り の存続、り の接続(e 段)を言えるか
  5. べし の 6 つの意味「すいかとめて」と まじ を言えるか
  6. らむ・けむ・めり・なり・らし の意味と根拠の違いを言えるか
  7. なり・ぬ・ね・なむ・らむ・に の識別表を言えるか

8. 小テストへ

→ 小テスト(jg-04

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参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から

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