中1 数学 / 数と式 / m1-08

更新 2026-09-12

一次方程式の解き方

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

一次方程式は、計算問題としても文章題としても出題されやすい単元です。それ以上に、中2の連立方程式・一次関数、中3の二次方程式・関数は、最後の計算が必ず一次方程式になります。ここで「移項の符号」「分数の処理」を確実にしておくと、あとの単元で「考え方は合っているのに答えが違う」失点が減ります。


1. 方程式とは

まずここだけ

3x + 2 = 11 のように、文字に特定の値を入れたときだけ成り立つ等式を といいます。

この「成り立たせる値」x = 3 を、方程式の といい、解を求めることを 方程式を解く といいます。

方程式の中で、文字が一次(x だけ・x² がない)のものを 一次方程式 といいます。

「解く」とは「x = □ の形にする」こと

3x + 2 = 11 から始めて、式を変形して最後に x = 3 の形にたどり着けば、解けたことになります。この単元で覚えるのは、その変形で許されていることだけです。


2. 等式の性質 ── 両辺に同じことをしてよい

まずここだけ

天秤を思い浮かべてください。左右がつり合っているとき、両方の皿に同じ重さを足しても・取っても・同じ倍にしても・同じ数で割っても、つり合いは崩れません。等式もまったく同じです。

性質意味
A = B なら A + C = B + C両辺に同じ数をたしてよい
A = B なら A − C = B − C両辺から同じ数をひいてよい
A = B なら AC = BC両辺に同じ数をかけてよい
A = B なら A ÷ C = B ÷ C(C ≠ 0)両辺を同じ数(0 以外)でわってよい

これを使って解く

3x + 2 = 11

  1. 両辺から 2 をひく(性質②):3x + 2 − 2 = 11 − 2 → 3x = 9
  2. 両辺を 3 でわる(性質④):3x ÷ 3 = 9 ÷ 3 → x = 3

「x だけを左に残す」ために、邪魔なものを両辺から同時に消していく、というイメージです。

x − 5 = 2 → 両辺に 5 をたす → x = 7 x/4 = 3 → 両辺に 4 をかける → x = 12 −2x = 10 → 両辺を −2 でわる → x = −5

よくある間違い


3. 移項 ── 等式の性質を速くやる

まずここだけ

3x + 2 = 11 で「両辺から 2 をひく」と、左辺の +2 は消え、右辺に −2 が現れます。

3x + 2 = 11 → 3x = 11 − 2

結果だけ見ると、+2 が右辺に移って −2 になったように見えます。このように、項を符号を変えて反対の辺に移すことを といいます。

移項は等式の性質②(または①)の省略形です。「両辺から同じ数をひく」を毎回書かずに済ませる技術で、やっていることは同じです。

移項で解く手順

  1. 文字の項を左辺、数の項を右辺に移項する(符号を変えるのを忘れずに)
  2. 両辺をそれぞれまとめて ax = b の形にする
  3. 両辺を a でわる

5x − 3 = 2x + 9

  1. 移項:5x − 2x = 9 + 3(2x を左へ、−3 を右へ。両方とも符号が変わる)
  2. まとめる:3x = 12
  3. わる:x = 4

方程式移項してまとめる
4x + 7 = 194x = 19 − 7 = 12x = 3
2x − 9 = −12x = −1 + 9 = 8x = 4
7x = 3x + 207x − 3x = 20 → 4x = 20x = 5
x + 8 = 3x8 = 3x − x → 8 = 2xx = 4
6 − 2x = 4x − 126 + 12 = 4x + 2x → 18 = 6xx = 3

最後の2つのように、文字を右に集めても構いません。係数が正になる側に集めると、最後のわり算で符号を間違えにくくなります。

よくある間違い

解の確かめ

x = 4 を 5x − 3 = 2x + 9 に代入:左辺 5 × 4 − 3 = 17、右辺 2 × 4 + 9 = 17。両辺が同じ値になれば正解です。テストでも、時間があれば最後の1問だけでもこの確認をすると、符号ミスを自分で見つけられます。

ここまでできれば十分

移項で ax = b の形にして両辺を a でわる、まで確実にできれば基本は完成です。次は「整理してから解く」型で、計算問題のほとんどはこの形で出ます。


4. いろいろな一次方程式 ── 整理してから解く

かっこがある

分配法則でかっこを外してから移項します。

3(x − 2) = x + 4

  1. かっこを外す:3x − 6 = x + 4
  2. 移項:3x − x = 4 + 6 → 2x = 10
  3. x = 5

かっこの前が負の数のとき(−2(x − 3) = −2x + 6)の符号に注意します。

小数がある

両辺に 10 や 100 をかけて整数にしてから解きます(等式の性質③)。

0.3x + 0.5 = 1.4

  1. 両辺を 10 倍:3x + 5 = 14 ← 全部の項を 10 倍する
  2. 3x = 9
  3. x = 3

「0.3x + 0.5 = 1.4 の左辺だけ 10 倍して 3x + 5 = 1.4」は、天秤の片方だけ重くしたことになり誤りです。

分数がある

両辺に分母の最小公倍数をかけて分数をなくします( といいます)。

x/2 + 1 = x/3 + 2

  1. 分母 2 と 3 の最小公倍数 6 を両辺にかける:6 × (x/2) + 6 × 1 = 6 × (x/3) + 6 × 2
  2. 3x + 6 = 2x + 12 ← 1 や 2 のような整数の項にも 6 をかける
  3. 3x − 2x = 12 − 6
  4. x = 6

分数の項だけ 6 倍して整数の項をそのままにする(3x + 1 = 2x + 2)のが、この形で一番多い間違いです。「両辺のすべての項にかける」を忘れないでください。

方程式整理
2(x + 3) = 5x − 32x + 6 = 5x − 3 → 9 = 3xx = 3
0.2x − 0.6 = 0.42x − 6 = 4 → 2x = 10x = 5
(x + 1)/3 = 2x + 1 = 6x = 5
x/4 − 1 = x/63x − 12 = 2x → x = 12x = 12
(2x − 1)/3 = (x + 2)/22(2x − 1) = 3(x + 2) → 4x − 2 = 3x + 6x = 8

最後の例のように、分数の分子が一次式のときは、分母をはらったあと分子にかっこをつけて分配します。「2 × 2x − 1」と分子の一部だけにかけるのが失点の型です。

もう一歩(発展):解が分かっているとき、係数を求める

「x = 2 が方程式 ax + 3 = 7 の解であるとき、a の値を求めよ」

解とは「代入すると成り立つ値」です。x = 2 を代入して、a についての方程式にします。

2a + 3 = 7 → 2a = 4 → a = 2

「解を代入すると等式が成り立つ」という定義に戻れば解ける問題で、入試の小問で出題されやすい形です。


5. 自己チェック

  1. 移項した項は符号を変えたか。移項していない項はそのまま
  2. 小数・分数を消すとき、両辺のすべての項にかけたか
  3. 分数の分子が一次式なら、分母をはらったあと分子にかっこをつけたか
  4. 最後に代入して、左辺 = 右辺 になったか

6. 小テストへ

→ 小テスト(m1-08)

関連する単元

参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から