中2 数学 / 図形 / m2-13

更新 2026-09-12

平行線と面積 ── 等積変形

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

「面積が等しい三角形を見つける」「面積を 2 等分する直線を引く」は、図形と関数の両方の大問で出題されやすい定番です。道具は1 つだけ──「平行線の間の三角形は面積が等しい」──ですが、それを「どこに平行線を引くか」で使いこなす必要があります。中3の相似(面積比)と、関数の面積問題(m2-08・m3-10)の橋渡しになる単元です。


1. 平行線の間の三角形

まずここだけ

三角形の面積は「底辺 × 高さ ÷ 2」。底辺が同じで高さも同じなら、形が違っても面積は等しい。

平行な 2 直線 ℓ、m があり、底辺 BC が m 上、頂点 A が ℓ 上にあるとき、A を ℓ 上のどこに動かしても、高さ(ℓ と m の距離)は変わらないので、△ABC の面積は変わりません。

  ─A────A′────A″──── ℓ
    \    |\    /
     \   | \  /          △ABC = △A′BC = △A″BC
      \  |  \/
  ─────B────C──────── m

ℓ ∥ m ならば、△ABC = △A′BC(面積が等しい。記号 = を面積の意味で使う)

逆も成り立ちます:△ABC = △A′BC で、A、A′ が BC について同じ側にあれば、AA′ ∥ BC

例:平行四辺形の中の三角形

▱ABCD の辺 AD 上に点 P をとると、△PBC の面積は常に平行四辺形の半分(底辺 BC、高さは AD と BC の距離で一定)。P がどこにあっても同じです。

△ABC と △DBC も、ともに平行四辺形の半分で等しい。

よくある間違い


2. 等積変形 ── 形を変えて面積を保つ

まずここだけ

面積を変えずに図形の形を変えることを といいます。使うのは上の性質だけです。

例:四角形を三角形に直す

四角形 ABCD を、面積の等しい三角形に直す。

  1. 対角線 AC を引く
  2. 頂点 D を通り、AC に平行な直線を引く
  3. その直線と、辺 BC を延長した直線との交点を E とする
  4. △ACD = △ACE(底辺 AC 共通、D と E が AC に平行な直線上)なので、四角形 ABCD = △ABE
        A
       / \
      /   \  D
     /     \/ \
    /      /\  \
   B──────C──────E    ← D を通る AC の平行線が BC の延長と交わる点

対角線を引く → 頂点を通る対角線の平行線 → 辺の延長との交点」の3手順は、等積変形の定番です。

例:折れ線を直線に直す(境界線の付け替え)

土地が折れ線 PQR で 2 つに分かれているとき、面積を変えずに境界を 1 本の直線に直す:Q を通り PR に平行な直線を引き、境界の辺との交点を S とすれば、△PQR = △PSR なので、直線 PS が新しい境界線。

よくある間違い

ここまでできれば十分

「平行線の間の三角形は面積が等しい」と、四角形を三角形に直す 3 手順ができれば、この単元の基本は合格です。


3. 面積の等しい三角形を見つける

ここまでできれば十分(の次)

台形の中の三角形

台形 ABCD(AD ∥ BC)で、対角線 AC、BD の交点を O とすると

「台形の対角線で分かれた左右の三角形(△ABO と △DCO)は面積が等しい」──入試で繰り返し使う関係です。

平行四辺形の中

▱ABCD の内部の点 P について、△PAB + △PCD = △PBC + △PDA = 平行四辺形の半分。P を通って AB に平行な線で分けると示せます。

面積を 2 等分する直線

頂点を通る場合:△ABC の頂点 A を通って面積を 2 等分する直線は、BC の中点 M を通る(底辺が半分、高さ共通)。

辺上の点を通る場合:辺 BC 上の点 P を通って △ABC を 2 等分する直線

  1. まず A と BC の中点 M を結ぶ(△ABM = △ACM)
  2. M を通り AP に平行な直線と AB(または AC)との交点を Q とする
  3. △APQ = △APM(底辺 AP 共通、Q・M が AP に平行な直線上)なので、直線 PQ が 2 等分線

「中点で 2 等分してから、等積変形で通る点を動かす」──これが辺上の点から 2 等分する定石です。

よくある間違い


4. 座標平面での等積変形

もう一歩(発展)

3 点 A(1, 4)、B(0, 0)、C(4, 0) について、y 軸上に点 P をとり、△PBC = △ABC となるようにしたい。P の座標を求めよ(P ≠ 原点)。

底辺 BC(x 軸上)が共通なので、A と同じ高さ(y = 4)にあれば面積が等しい。y 軸上で y = 4 の点は P(0, 4)。(x 軸の下側 P(0, −4) も面積は等しい)

直線 y = 2x 上に点 Q をとり、△QBC = △ABC としたい(B(0, 0)、C(4, 0)、A(1, 4))

高さ 4 → y = 4 と y = 2x の交点 → x = 2 → Q(2, 4)。(y = −4 なら Q(−2, −4))

「底辺が軸上なら、高さ = y 座標の絶対値」。座標平面での等積変形は、「同じ高さの直線(y = k)との交点」を求める問題になります。

原点を通り面積を 2 等分する直線(関数との融合)

△OAB(O 原点)の面積を、O を通る直線で 2 等分 → AB の中点を通る。A(2, 6)、B(6, 2) なら中点 (4, 4)。直線は y = x。 中点の座標は (x の平均, y の平均) で求まります(中点の公式・中3で扱うが、ここでも使える)。


5. 自己チェック

  1. 面積が等しいとした 2 つの三角形は、底辺が共通で頂点が平行線上にあるか
  2. 等積変形で引いた平行線は、「消す頂点を通り、残す対角線に平行」か
  3. 台形の対角線で分けた三角形は、左右が等しい(△ABO = △DCO)か
  4. 面積の 2 等分:頂点からは中点、辺上の点からは中点+等積変形、で考えたか

6. 小テストへ

→ 小テスト(m2-13)

関連する単元

参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から