中3 数学 / 関数 / m3-10
放物線と直線 ── 交点・面積
この単元でできるようになること
- 放物線 y = ax² と直線の交点を、連立方程式(二次方程式)で求められる
- 放物線上の 2 点を通る直線の式を求められる
- 交点や原点でできる三角形の面積を求められる
- 面積を 2 等分する直線、面積が等しい点など、等積変形の考え方を放物線の問題で使える
入試での位置づけ
放物線と直線は、多くの公立高校入試で関数の大問として出題されやすい形で、(1) a を求める → (2) 直線の式 → (3) 面積 → (4) 面積に関する条件から点を求める、という構成が定番です。使う道具は m2-06〜m2-08(直線・交点・面積)と m3-06(二次方程式)、m3-09(変化の割合)の組み合わせで、新しい公式はありません。「放物線上の点は (t, at²) と表せる」ことだけが、この単元固有の技術です。
1. 放物線上の点
まずここだけ
放物線 y = ax² 上の点は、x 座標を t とおけば (t, at²) と表せます。y 座標を「a × t²」と書き換えるだけで、点が 1 つの文字で扱えるようになります。
- y = x² 上の x 座標が 3 の点 → (3, 9)
- y = (1/2)x² 上の x 座標が −4 の点 → (−4, 8)
- y = 2x² 上の x 座標が t の点 → (t, 2t²)
「点 P は放物線上にあり、x 座標が t」と言われたら、まず (t, at²) と書く。これがすべての問題の出発点です。
2. 放物線と直線の交点
まずここだけ
交点 = 連立方程式の解(m2-07 と同じ)。y = ax² と y = mx + n を連立すると ax² = mx + n という二次方程式になり、解が 2 つなら交点は 2 つです。
y = x² と y = x + 2 の交点 x² = x + 2 → x² − x − 2 = 0 → (x − 2)(x + 1) = 0 → x = 2, −1 y = 4、y = 1 → 交点 (2, 4)、(−1, 1)
y = 2x² と y = −4x + 6 の交点 2x² = −4x + 6 → 2x² + 4x − 6 = 0 → x² + 2x − 3 = 0 → (x + 3)(x − 1) = 0 → x = −3, 1 → (−3, 18)、(1, 2)
放物線上の 2 点を通る直線
y = x² 上の 2 点 A(−1, 1)、B(3, 9) を通る直線 傾き = (9 − 1)/(3 − (−1)) = 2(または a(p + q) = 1 × (−1 + 3) = 2) y = 2x + b に (−1, 1) を代入:b = 3 → y = 2x + 3
傾き a(p + q)、切片 −apq という公式もあります(y = x² で p = −1、q = 3 なら傾き 2、切片 −(−3) = 3)。計算の確認に使えます。
よくある間違い
- 交点の x だけ求めて y を忘れる → 座標 (x, y)
- 2x² = −4x + 6 を x² = −2x + 3 に直さず係数の大きいまま因数分解しようとする → 共通因数で割ってから
- 傾きの計算で点の順序を混ぜる(m2-06)
ここまでできれば十分
放物線上の点を (t, at²) と書け、交点を二次方程式で求められれば、この単元の入口は突破です。
3. 三角形の面積
まずここだけ
放物線と直線の交点 A、B と原点 O の三角形 △OAB の面積は、直線と y 軸の交点 C を使って 2 つに分けるのが定石です。
y = x² と y = x + 2 の交点 A(−1, 1)、B(2, 4)。△OAB の面積。 直線 y = x + 2 と y 軸の交点 C(0, 2)。OC = 2 を共通の底辺として △OAC:底辺 OC = 2、高さ = A の x 座標の絶対値 1 → 面積 1 △OBC:底辺 OC = 2、高さ = B の x 座標の絶対値 2 → 面積 2 △OAB = 1 + 2 = 3
y
│ B(2,4)
│ /
C(0,2)● /
/ │ /
A / │ /
(−1,1) O─────x
公式化:△OAB = (1/2) × OC × (|A の x 座標| + |B の x 座標|) = (1/2) × 2 × (1 + 2) = 3。A と B が y 軸をはさんで反対側にあるとき、この式がそのまま使えます。
直線が y 軸を通らない場合・他の頂点の場合
頂点の 1 つが原点でないときは、座標平面で囲む長方形から余分を引くか、底辺を軸に平行にとる方法を使います。
A(−1, 1)、B(2, 4)、P(2, 0) の △ABP:底辺 BP = 4(x = 2 上の縦線)、高さ = A から x = 2 までの距離 = 3 → 面積 (1/2) × 4 × 3 = 6
よくある間違い
- 高さを「A から O までの斜めの長さ」にする → 底辺 OC(y 軸上)に対する高さは x 座標の絶対値
- A、B が y 軸の同じ側にあるのに x 座標を「たす」→ 同じ側なら引く(差が底辺 OC に対する全体の幅にならないので、△OBC − △OAC)
4. 面積に関する条件
ここまでできれば十分(の次)
型①:面積を 2 等分する直線
原点 O を通り △OAB の面積を 2 等分する直線 → AB の中点 M を通る(m2-13)。 A(−1, 1)、B(2, 4) の中点 M(1/2, 5/2)。O と M を通る直線は y = 5x。
型②:面積が等しい点を探す(等積変形)
「放物線上に点 P をとり、△PAB = △OAB としたい(P ≠ O)」 → O を通り AB に平行な直線と放物線の交点が P(底辺 AB 共通、高さが等しい。m2-13)。 AB の傾きは 1 なので、y = x と y = x² の交点:x² = x → x = 0, 1 → P(1, 1)。 (AB の反対側にも「AB から同じ距離」の平行線があり、その交点も P になり得る)
型③:△OAP = △OBP となる P(AB 上)
P が AB の中点なら、△OAP と △OBP は底辺が等しく高さ共通で面積が等しい。
型④:面積が △OAB の k 倍
「放物線上に Q をとって △QAB = 2△OAB」なら、O から AB までの距離の 2 倍離れた平行線と放物線の交点。
もう一歩(発展):文字のまま解く
「y = ax² 上の 2 点 A(−2, 4a)、B(4, 16a) を通る直線の切片が 4 のとき、a を求めよ」 傾き a(−2 + 4) = 2a。切片 −apq = −a(−2)(4) = 8a。8a = 4 → a = 1/2。 文字 a のまま直線の式を作り、条件から a を決める。上位校で出題されやすい形です。
5. 自己チェック
- 放物線上の点は (t, at²) と書いたか
- 交点は ax² = mx + n の二次方程式で、y も求めたか
- △OAB は、直線と y 軸の交点で分けて、高さ = x 座標の絶対値 としたか
- 2 等分は中点、等積変形は平行線、で考えたか
- 答えの座標は放物線と直線の両方を満たすか確かめたか
6. 小テストへ
→ 小テスト(m3-10)
関連する単元
- 前提:m2-07 一次関数と方程式、m2-13 平行線と面積、m3-06 二次方程式、m3-09 変化の割合
- 次に進む:m3-11 相似な図形
- ここで使う考え方が出てくる:m3-17 三平方の定理の利用(座標平面上の長さ)
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編』第3学年 C 関数 (1) 関数 y=ax² ── 「関数 y=ax² のグラフと一次関数のグラフを関連付けて考察すること」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/koko/math/m3-10/ / 更新 2026-09-12