中3 数学 / 関数 / m3-09
y = ax² の変化の割合・利用
この単元でできるようになること
- y = ax² の変化の割合を、2 点から求められる(一定でないことがわかる)
- 変化の割合の公式 a(p + q) を使い、逆に a を求められる
- 落下・制動距離・面積など、2 乗に比例する現象を式で扱える
- 放物線と一次関数を組み合わせたグラフ問題の準備ができる
入試での位置づけ
「x が p から q まで増加するときの変化の割合」は、y = ax² の小問で出題されやすい定番です。一次関数と違って変化の割合が一定でないことを理解し、公式 a(p + q) で速く計算できると、関数の大問の (2) が確実に取れます。「変化の割合が一次関数 y = 2x + 1 と等しいとき a を求めよ」のように、m2-06 と組み合わせる形もよく出ます。
1. 変化の割合は一定でない
まずここだけ
変化の割合 = (y の増加量) ÷ (x の増加量)(m2-06)。y = x² で計算すると
| x の変化 | y の変化 | 変化の割合 |
|---|---|---|
| 0 → 1 | 0 → 1 | 1 |
| 1 → 2 | 1 → 4 | 3 |
| 2 → 3 | 4 → 9 | 5 |
| 1 → 3 | 1 → 9 | 8 ÷ 2 = 4 |
測る区間によって変わる。これが一次関数(つねに a)との最大の違いです。グラフで言えば、放物線上の 2 点を結ぶ直線の傾きが、区間ごとに違うということです。
2 点から計算する
y = 2x² で、x が 1 から 4 まで増加するときの変化の割合 x = 1 で y = 2、x = 4 で y = 32 → (32 − 2) / (4 − 1) = 30 / 3 = 10
y = −x² で、x が −3 から −1 まで増加するとき x = −3 で y = −9、x = −1 で y = −1 → (−1 − (−9)) / (−1 − (−3)) = 8 / 2 = 4
よくある間違い
- 「y = 2x² の変化の割合は 2」と答える → 一定ではない。区間を指定して計算する
- y の増加量の引き算で符号を落とす(−1 − (−9) = −10 など)→ 後 − 前 を両方に使い、負の数の引き算に注意
2. 変化の割合の公式
まずここだけ
y = ax² で、x が p から q まで増加するときの変化の割合は
(aq² − ap²) / (q − p) = a(q² − p²) / (q − p) = a(q + p)(q − p) / (q − p) = a(p + q)
変化の割合 = a(p + q)。2 点の y を計算しなくても、a と両端の x だけで求まります。
- y = 2x² で 1 → 4:2 × (1 + 4) = 10(上と一致)
- y = −x² で −3 → −1:−1 × (−3 + (−1)) = 4
- y = (1/2)x² で 2 → 6:(1/2) × 8 = 4
因数分解(2 乗の差、m3-02)から出てくる公式です。記述では 2 点の y から計算する式を書き、答えの確認に公式を使うのが安全です(公式だけ書くと途中式として認められない場合があります)。
逆に a を求める
y = ax² で、x が 2 から 5 まで増加するときの変化の割合が 14。a を求めよ。 a(2 + 5) = 14 → 7a = 14 → a = 2
y = ax² で x が 1 から 3 まで増加するときの変化の割合が、一次関数 y = −2x + 5 の変化の割合と等しい。a を求めよ。 一次関数の変化の割合は −2。a(1 + 3) = −2 → 4a = −2 → a = −1/2
平均の速さ
落下する物体で y = 5x²(x 秒後の落下距離 y m)のとき、1 秒後から 3 秒後までの平均の速さは、変化の割合 5(1 + 3) = 20 m/秒。「平均の速さ = 進んだ距離 ÷ かかった時間 = 変化の割合」です。
よくある間違い
- 公式を a(p + q) でなく a(p − q) や a(q − p) と覚える → 和(p + q)
- 公式を使うとき a の符号を落とす
- 一次関数の変化の割合を切片と間違える(y = −2x + 5 で 5)→ 傾き −2
ここまでできれば十分
2 点から変化の割合を計算でき、a(p + q) で確かめられれば、この単元の中心は合格です。
3. 2 乗に比例する現象
ここまでできれば十分(の次)
落下:物を落として x 秒後に落ちた距離 y m は、およそ y = 5x²(実際は 4.9x²)。
- 2 秒で 20 m、3 秒で 45 m。「4 秒後から 5 秒後の間に落ちる距離」= 125 − 80 = 45 m(変化の割合 5(4 + 5) = 45 m/秒)
制動距離:自動車がブレーキをかけてから止まるまでの距離 y m は、速さ x km/時 の 2 乗に比例する。時速 40 km で 10 m なら y = ax² に代入して a = 1/160。時速 80 km なら y = 6400/160 = 40 m(速さ 2 倍で距離 4 倍)。
振り子:振り子の長さ y m は、1 往復の時間 x 秒の 2 乗に比例する(y = (1/4)x² 程度)。
「2 乗に比例」の問題は、1 組の値から a を決めて、別の値を求める(比例の利用 m1-12 と同じ手順)です。
図形との関係
1 辺 x cm の正方形の面積 y cm²(y = x²)で、x が 3 から 5 に増えたとき、面積の増加量は? 25 − 9 = 16 cm²(変化の割合 1 × (3 + 5) = 8、× x の増加量 2 = 16)
動点:△ABC の辺上を動く点で、x 秒後の面積が y = (1/2)x² と表されるとき、面積が 8 になるのは x² = 16 → 4 秒後(x > 0)
もう一歩(発展):放物線と一次関数の融合の準備
放物線 y = x² 上の 2 点 A(1, 1)、B(3, 9) を通る直線の傾きは、変化の割合そのもの:1 × (1 + 3) = 4。切片は 1 = 4 + b → b = −3 → y = 4x − 3。
「放物線上の 2 点を通る直線の式」は、次の単元(m3-10)の第 1 問の定番で、傾き = a(p + q) を知っていると速く求まります。
4. 自己チェック
- 変化の割合は区間ごとに違う。「y = 2x² の変化の割合は 2」と答えていないか
- 2 点から計算:(後の y − 前の y) ÷ (後の x − 前の x)。負の数の引き算に注意
- 公式 a(p + q):和か、a の符号を落としていないか
- 一次関数と比べるときは、一次関数の傾きと等しいとおいたか
- 2 乗に比例する現象は、1 組の値で a を決めてから使ったか
5. 小テストへ
→ 小テスト(m3-09)
関連する単元
- 前提:m2-06 一次関数(変化の割合)、m3-02 因数分解、m3-08 y=ax²
- 次に進む:m3-10 放物線と直線
- ここで使う考え方が出てくる:m3-10(放物線上の 2 点を通る直線)
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編』第3学年 C 関数 (1) 関数 y=ax² ── 「変化の割合」「関数 y=ax² を用いて具体的な事象を捉え考察し表現すること」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/koko/math/m3-09/ / 更新 2026-09-12