中1 理科 / 物理 / s1-01
光の反射・屈折・凸レンズ
この単元でできるようになること
- 光の直進・反射の法則(入射角 = 反射角)を使い、鏡にうつる像の位置を作図できる
- 屈折の向き(空気 → 水・ガラスで入射角 > 屈折角、逆は入射角 < 屈折角)と全反射を説明できる
- 凸レンズの 3 本の作図線で実像・虚像を描き、物体の位置(焦点距離の 2 倍・焦点の内外)で像の大きさ・向きを判断できる
- 像の位置と物体の位置の関係(物体を近づけると像は遠く・大きく)を答えられる
入試での位置づけ
凸レンズの作図と表(物体の位置と像の大きさ・向き・位置)が最頻出。「スクリーンに像ができる=実像、レンズをのぞくと見える=虚像」、「レンズの上半分をおおうと像は暗くなるが形は全部うつる」が記述で問われます。鏡の作図(2 枚の鏡・全身をうつす鏡の長さ = 身長の半分)も出ます。
1. 光の直進と反射
まずここだけ
- 光源:自ら光を出すもの(太陽・電灯)。ほかの物体は光を反射して見える。
- 光は直進する(光の直進)。
- 反射の法則:入射角 = 反射角。角度は**面に垂直な線(法線)**と光の間ではかる(面との角ではない)。
- 乱反射:でこぼこした面で光がいろいろな向きに反射 → どこからでも見える。
鏡の像:鏡の面に対して物体と対称な位置にできる(鏡のうしろ、同じ距離)。目に入る光は「像 → 目」の直線が鏡と交わる点で反射する。
全身をうつす鏡の長さ = 身長の半分(距離によらない)。
2 枚の鏡(直角):像は 3 つできる(それぞれの鏡の像 + 2 回反射の像)。
2. 屈折
まずここだけ
光がちがう物質に斜めに入ると境界で折れ曲がる(屈折)。垂直に入ると曲がらない。
| 進む向き | 角度の関係 | 覚え方 |
|---|---|---|
| 空気 → 水・ガラス | 入射角 > 屈折角(法線に近づく) | 密なほうへ入ると立つ |
| 水・ガラス → 空気 | 入射角 < 屈折角(法線から離れる) | 空気へ出ると寝る |
全反射:水・ガラス → 空気で入射角を大きくすると、屈折角が 90° をこえて光がすべて反射する。光ファイバー・内視鏡。
見え方:水中の物体は浮き上がって(浅く)見える。コインが見える・ストローが折れて見える。 ガラス板を通した光:平行なガラス板では、入るときと出るときで平行にずれて出てくる。
3. 凸レンズ
まずここだけ
- 焦点:レンズの軸に平行な光が集まる点。レンズの両側に 1 つずつ。
- 焦点距離:レンズの中心から焦点までの距離。レンズがふくらんでいるほど短い。
作図の 3 本(どれか 2 本で像の位置が決まる):
- 軸に平行な光 → 屈折して焦点を通る
- レンズの中心を通る光 → 直進
- 焦点を通ってきた光 → 屈折して軸に平行に進む
ここまでできれば十分:物体の位置と像
焦点距離を f とする。
| 物体の位置 | 像 | 大きさ | 向き | 像の位置 |
|---|---|---|---|---|
| 2f より遠い | 実像 | 小さい | 上下左右が逆 | f と 2f の間 |
| 2f ちょうど | 実像 | 同じ | 逆 | 2f |
| f と 2f の間 | 実像 | 大きい | 逆 | 2f より遠い |
| f ちょうど | 像はできない(光が平行になる) | ── | ── | ── |
| f より近い | 虚像 | 大きい | 同じ向き | レンズをのぞくと物体と同じ側に見える |
- 実像:実際に光が集まる → スクリーンにうつる。カメラ・目の網膜。
- 虚像:光が集まらず、レンズをのぞくと見える → スクリーンにはうつらない。虫めがねで見る像。
動かしたとき:物体をレンズに近づける(2f より遠いところから)→ 像は遠ざかり、大きくなる。物体を遠ざける → 像はレンズに近づき(f に近づく)小さくなる。
レンズの一部をおおうと:像は暗くなるが、形は全部うつる(欠けない)。
利用:カメラ(実像を記録)、目(水晶体=凸レンズ、網膜に実像)、虫めがね(虚像)、ルーペ、顕微鏡。
4. 計算の型
ここまでできれば十分
焦点距離 10 cm のレンズで、物体を 20 cm(= 2f)の位置に置く → 像は反対側 20 cm・同じ大きさ・逆向き 同じレンズで物体を 15 cm に置く(f と 2f の間)→ 像は 2f より遠く、大きい実像 物体とスクリーンの距離が最短になるのは物体が 2f のとき(4f = 40 cm)
入射角・反射角:鏡の面と光が 30° のとき、入射角 = 90° − 30° = 60°。
5. よくある間違い
- 入射角を「面と光の角」ではかる(法線との角)
- 屈折の向きを逆にする(密なほうへ入ると法線に近づく)
- 焦点の位置に物体を置いたとき「像が最大」と答える(できない)
- レンズの上半分をおおうと「像の下半分が消える」(暗くなるだけで全部うつる)
- 虚像がスクリーンにうつるとする(うつらない)
6. 自己チェック
- 入射角 = 反射角(法線との角)。鏡の像は面対称。全身鏡は身長の半分
- 空気→水:入射角 > 屈折角。水→空気:逆。大きいと全反射
- 作図 3 本:平行→焦点、中心→直進、焦点→平行
- 2f より遠い=小、2f=同じ、f〜2f=大(実像・逆向き)、f=なし、f より近い=虚像(大・同向き)
- 一部おおう→暗いだけ
7. 小テストへ
→ 小テスト(s1-01)
関連する単元
- 前提:(中学理科の入口)
- 次に進む:s1-02 音
- ここで使う考え方が出てくる:s2-08 目のつくり(水晶体=凸レンズ・網膜)、s3-07 天体(望遠鏡)
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編』── 第 1 分野「(1) 身近な物理現象 ア(ア) 光と音(光の反射・屈折、凸レンズの働き)」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/koko/science/s1-01/ / 更新 2026-09-12