中2 理科 / 化学 / s2-04
原子・分子・化学式・化学反応式
この単元でできるようになること
- 原子の性質(それ以上分けられない・なくならない・種類ごとに質量と大きさが決まっている)と、分子(いくつかの原子が結びついた粒)の区別ができる
- 元素記号 20 種程度と、代表的な化学式(H₂・O₂・N₂・H₂O・CO₂・NaCl・CuO・Ag₂O・NH₃・MgO・Fe・Cu・Ag など)が書ける
- 単体と化合物、分子をつくる物質とつくらない物質を分けられる
- 分解(熱分解・電気分解)と化合の代表的な化学反応式が書け、係数を合わせられる(反応の前後で原子の種類と数が同じ)
入試での位置づけ
化学反応式の係数合わせと分解・化合の実験(炭酸水素ナトリウムの熱分解、酸化銀の熱分解、水の電気分解、鉄と硫黄の化合)が定番。実験の「確認方法」(石灰水・線香・マッチ・磁石・塩酸)もセットで問われます。
1. 原子と分子
まずここだけ
原子:物質をつくる最小の粒。
- 化学変化でそれ以上分けられない
- 新しくできたり、なくなったり、他の種類に変わったりしない
- 種類ごとに質量と大きさが決まっている
分子:いくつかの原子が結びついた、物質の性質を示す最小の粒。
- 水素 H₂・酸素 O₂・窒素 N₂(2 個ずつ)、水 H₂O、二酸化炭素 CO₂、アンモニア NH₃
- 分子をつくらない物質:金属(Fe・Cu・Ag・Mg)、炭素 C、塩化ナトリウム NaCl、酸化銅 CuO、酸化マグネシウム MgO、酸化銀 Ag₂O など
元素記号(よく出るもの)
| 記号 | 元素 | 記号 | 元素 | 記号 | 元素 |
|---|---|---|---|---|---|
| H | 水素 | C | 炭素 | N | 窒素 |
| O | 酸素 | S | 硫黄 | Cl | 塩素 |
| Na | ナトリウム | Mg | マグネシウム | Al | アルミニウム |
| K | カリウム | Ca | カルシウム | Fe | 鉄 |
| Cu | 銅 | Zn | 亜鉛 | Ag | 銀 |
| Ba | バリウム | He | ヘリウム | Au | 金 |
周期表:元素を原子番号の順に並べたもの。縦の列(族)で性質が似る。
2. 単体と化合物・化学式
まずここだけ
| 分け方 | 1 種類の元素 | 2 種類以上の元素 |
|---|---|---|
| 単体(H₂・O₂・Fe・Cu・C) | 化合物(H₂O・CO₂・NaCl・CuO) |
純物質(単体・化合物)と混合物(空気・食塩水・石油)は別の分け方。
化学式の読み方:小さい数字はその原子の数。H₂O = 水素原子 2 個と酸素原子 1 個。 係数(前の数字)は分子の数。2H₂O = 水分子 2 個 = 水素原子 4 個、酸素原子 2 個。
| 物質 | 化学式 | 物質 | 化学式 |
|---|---|---|---|
| 水 | H₂O | 二酸化炭素 | CO₂ |
| 酸素 | O₂ | 水素 | H₂ |
| 塩化ナトリウム | NaCl | 酸化銅 | CuO |
| 酸化マグネシウム | MgO | 酸化銀 | Ag₂O |
| 硫化鉄 | FeS | アンモニア | NH₃ |
| 炭酸水素ナトリウム | NaHCO₃ | 炭酸ナトリウム | Na₂CO₃ |
| 塩化銅 | CuCl₂ | 硫化銅 | CuS |
3. 分解
まずここだけ
分解:1 種類の物質が 2 種類以上の別の物質に分かれる化学変化。
| 実験 | 反応式 | 確認のポイント |
|---|---|---|
| 炭酸水素ナトリウムの熱分解 | 2NaHCO₃ → Na₂CO₃ + CO₂ + H₂O | 気体は石灰水を白く、液体は塩化コバルト紙を青→赤、残った白い粉(炭酸ナトリウム)は水によく溶け強いアルカリ性(フェノールフタレインが濃い赤)。試験管の口を下げる(水が加熱部に流れて割れるのを防ぐ) |
| 酸化銀の熱分解 | 2Ag₂O → 4Ag + O₂ | 黒 → 白い固体(銀)。こすると光る・電気を通す。気体は線香が激しく燃える(酸素) |
| 水の電気分解 | 2H₂O → 2H₂ + O₂ | 陰極に水素(体積 2)、陽極に酸素(体積 1)。水素:酸素 = 2:1。純水は電流が流れにくいので水酸化ナトリウムを少し溶かす。水素はマッチで音を立てて燃える |
| 塩化銅水溶液の電気分解(中 3) | CuCl₂ → Cu + Cl₂ | 陰極に赤い銅、陽極に塩素(プールのにおい・漂白) |
加熱をやめるとき:ガラス管を水(石灰水)から抜いてから火を消す(逆流防止)。
4. 化合(結びつく変化)
まずここだけ
| 実験 | 反応式 | ポイント |
|---|---|---|
| 鉄と硫黄 | Fe + S → FeS | 加熱し始めたら火を止めても続く(発熱)。硫化鉄は磁石につかない、塩酸をかけると卵の腐ったにおい(硫化水素)。混合物(鉄 + 硫黄)は磁石につく・塩酸で水素 |
| 銅と硫黄 | Cu + S → CuS | |
| 水素と酸素 | 2H₂ + O₂ → 2H₂O | 爆発的に燃えて水 |
| 炭素と酸素 | C + O₂ → CO₂ | |
| マグネシウムと酸素 | 2Mg + O₂ → 2MgO | 激しい光、白い粉 |
| 銅と酸素 | 2Cu + O₂ → 2CuO | 赤→黒 |
5. 化学反応式の書き方
ここまでできれば十分
ルール:矢印の左右で原子の種類と数が同じになるように係数をつける(係数 1 は書かない)。
手順(水の電気分解):
- 物質を化学式で書く:H₂O → H₂ + O₂
- 合っていない原子を探す:O が左 1・右 2 → 左の H₂O を 2 つに:2H₂O → H₂ + O₂
- H が左 4・右 2 → 右の H₂ を 2 つに:2H₂O → 2H₂ + O₂ ✓(H 4・O 2)
コツ:化学式の中の小さい数字は変えない(H₂O を H₂O₂ にしない)。係数だけを変える。1 つの原子しかない単体(Fe・Cu・Mg)は最後に合わせる。
練習:
- 2Cu + O₂ → 2CuO(O が 2 なので CuO 2 個 → Cu も 2)
- 2Mg + O₂ → 2MgO
- 2Ag₂O → 4Ag + O₂(O₂ には Ag₂O 2 個分、Ag は 4)
- 2NaHCO₃ → Na₂CO₃ + CO₂ + H₂O(Na 2・H 2・C 2・O 6)
6. よくある間違い
- 水の化学式を H₂O₂ にしたり、係数を合わせるために小さい数字を変える
- 「分子をつくらない物質」(金属・NaCl・CuO)に分子の絵を描く
- 電気分解の陰極・陽極を逆にする(陰極に水素、体積が多い)
- 硫化鉄に磁石がつくと答える(つかない。つくのは未反応の鉄)
- 炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムの性質を逆にする(加熱後の炭酸ナトリウムのほうがよく溶け・強いアルカリ性)
7. 自己チェック
- 原子:分けられない・なくならない・種類で質量が決まる。分子:性質を示す最小の粒
- 単体=1 種類、化合物=2 種類以上の元素
- 2NaHCO₃ → Na₂CO₃ + CO₂ + H₂O/2Ag₂O → 4Ag + O₂/2H₂O → 2H₂ + O₂
- Fe + S → FeS/2Cu + O₂ → 2CuO/2Mg + O₂ → 2MgO
- 係数だけ変える。左右で原子の種類と数を合わせる
8. 小テストへ
→ 小テスト(s2-04)
関連する単元
- 前提:s1-04 物質の性質、s1-06 状態変化(物理変化との区別)
- 次に進む:s2-05 化学変化と質量(質量保存・質量比)
- ここで使う考え方が出てくる:s2-06 酸化と還元、s3-03 イオン
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編』── 第 1 分野「(4) 化学変化と原子・分子 ア(ア) 物質の成り立ち ア(イ) 化学変化」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/koko/science/s2-04/ / 更新 2026-09-12