中2 理科 / 化学 / s2-05

更新 2026-09-12

化学変化と質量 ── 質量保存の法則・反応する質量の比

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

公立入試の化学で最もよく出る計算が、金属の加熱と質量比です。「4 : 1」「3 : 2」の比例計算そのものはやさしいですが、「加熱が不十分で一部が反応していない」混合物の中の銅の割合」といった応用が差をつけます。グラフの読み取り(比例定数 = 質量比)が必須。


1. 質量保存の法則

まずここだけ

化学変化の前後で、物質全体の質量は変わらない(原子の組み合わせが変わるだけで、原子の種類と数は変わらないから)。

密閉容器での実験:うすい硫酸と塩化バリウム水溶液(沈殿ができる)、炭酸水素ナトリウムと塩酸(気体が出る)── ふたをしたままなら反応前後で質量は同じ。

開放すると:気体(二酸化炭素)が逃げるので、減った分 = 発生した気体の質量

密閉容器で炭酸水素ナトリウム 1.0 g と塩酸を反応させ、全体 60.0 g のまま。ふたを開けると 59.6 g → 発生した二酸化炭素は 0.4 g

金属の加熱:酸素が結びつくので質量は増える(増えた分 = 結びついた酸素の質量)。スチールウールを燃やすと重くなる。


2. 反応する質量の比

まずここだけ

物質が反応するときの質量の比は一定

反応質量の比
銅 + 酸素 → 酸化銅(2Cu + O₂ → 2CuO)銅 : 酸素 : 酸化銅 = 4 : 1 : 5
マグネシウム + 酸素 → 酸化マグネシウム(2Mg + O₂ → 2MgO)Mg : 酸素 : MgO = 3 : 2 : 5

銅 2.0 g を完全に酸化 → 酸素 0.5 g、酸化銅 2.5 g マグネシウム 1.5 g → 酸素 1.0 g、酸化マグネシウム 2.5 g 酸化銅 4.0 g にふくまれる銅 → 4.0 × 4/5 = 3.2 g

グラフ:横軸 金属の質量、縦軸 酸化物の質量 → 原点を通る直線。傾きが 5/4(銅)、5/3(マグネシウム)。横軸 金属、縦軸 結びついた酸素なら傾き 1/4、2/3。

同じ質量の酸素と結びつく金属の比(発展)

酸素 1 g と結びつく銅は 4 g、マグネシウムは 1.5 g。→ 銅 : Mg = 8 : 3(同じ質量の酸素に対して)。「同じ質量の金属を加熱したとき、結びつく酸素はマグネシウムのほうが多い」。


3. 反応しきっていないとき

ここまでできれば十分

加熱が不十分で一部の金属が残っている問題。

銅 4.0 g を加熱したら 4.5 g になった。反応していない銅は何 g か。 増えた 0.5 g が酸素。酸素 0.5 g と反応する銅は 0.5 × 4 = 2.0 g。残り 4.0 − 2.0 = 2.0 g が未反応。

手順:① 増えた質量 = 酸素 ② 酸素 × 4(または × 3/2)= 反応した金属 ③ もと − 反応した = 未反応。

混合物

銅と酸化銅の混合物 5.0 g を完全に加熱すると 5.5 g になった。もとの銅は? 増えた 0.5 g が酸素 → 銅 2.0 g(酸化銅はすでに酸化していて増えない)


4. 気体が発生する反応

ここまでできれば十分

炭酸水素ナトリウム + 塩酸 → 塩化ナトリウム + 水 + 二酸化炭素(NaHCO₃ + HCl → NaCl + H₂O + CO₂)

炭酸水素ナトリウムの質量を増やしていくと、発生する二酸化炭素は比例して増えるが、塩酸がなくなると頭打ちになる(グラフが折れて水平)。

塩酸 20 cm³ に炭酸水素ナトリウムを 1.0 g、2.0 g、3.0 g、4.0 g と加えると、二酸化炭素が 0.5 g、1.0 g、1.5 g、1.5 g 発生した。 → 3.0 g までは比例(1.0 g あたり 0.5 g)、3.0 g で塩酸がちょうど反応しきる。4.0 g では 1.0 g が余る。塩酸を 2 倍(40 cm³)にすれば 6.0 g まで反応する。

「どちらが余るか」を折れ点から読むのがこの型の中心。


5. よくある間違い


6. 自己チェック

  1. 反応前後で質量は同じ(密閉)。開放で減った分 = 逃げた気体
  2. 銅 : O : CuO = 4 : 1 : 5、Mg : O : MgO = 3 : 2 : 5
  3. 増えた質量 = 酸素 → × 4 or × 3/2 で反応した金属
  4. 折れ点 = ちょうど反応しきる量。その先は一方が余る
  5. グラフの軸(酸化物か酸素か)を確認

7. 小テストへ

→ 小テスト(s2-05)

関連する単元

参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から