中2 理科 / 化学 / s2-06
酸化と還元・化学変化と熱
この単元でできるようになること
- 酸化(酸素と結びつく)・燃焼(光や熱を出す激しい酸化)・還元(酸化物から酸素をとる)が区別できる
- 酸化銅と炭素の実験(2CuO + C → 2Cu + CO₂)で、何が酸化され何が還元されたか、実験の注意点が言える
- 有機物の燃焼で二酸化炭素と水ができること、スチールウールの燃焼で質量が増える理由が言える
- 発熱反応と吸熱反応の例が言えて、化学かいろ・冷却パックのしくみを説明できる
- 還元の量的関係(酸化銅 : 炭素 : 銅 = 40 : 3 : 32 など与えられた比)で計算できる
入試での位置づけ
酸化銅の還元実験(炭素または水素で)は記述・計算ともに超頻出。「石灰水が白くにごる → CO₂」「赤くなった物質をこすると光る → 銅」「ピンチコックで閉じる理由」「火を消す前にガラス管を抜く理由」まで一式で。**化学かいろ(鉄の酸化=発熱)と吸熱反応(クエン酸+炭酸水素ナトリウム)**も定番です。
1. 酸化と燃焼
まずここだけ
酸化:物質が酸素と結びつく化学変化。できた物質が酸化物。 燃焼:光や熱を出しながら激しく進む酸化。
| 酸化 | 式 | ようす |
|---|---|---|
| 銅 | 2Cu + O₂ → 2CuO | 赤 → 黒(おだやか・燃焼ではない) |
| マグネシウム | 2Mg + O₂ → 2MgO | 激しい白い光、白い粉 |
| 鉄(スチールウール) | 鉄 + 酸素 → 酸化鉄 | 火花を出して燃える。質量が増える(結びついた酸素の分) |
| 水素 | 2H₂ + O₂ → 2H₂O | 爆発的に燃えて水 |
| 炭素 | C + O₂ → CO₂ |
スチールウールの燃焼後:黒っぽくなり、質量が増え、電気を通さなくなり、塩酸を加えても水素が出ない、磁石につきにくくなる(鉄とは別の物質になった)。
有機物の燃焼:炭素と水素を含む → 二酸化炭素と水ができる(ろうそく・エタノール・砂糖・木)。集気びんの内側が白くくもる(水)、石灰水が白くにごる(CO₂)。
さび:鉄がゆっくり酸化したもの。おだやかな酸化。
2. 還元
まずここだけ
還元:酸化物から酸素がとり除かれる化学変化。酸化と同時に起こる(酸素をとった相手が酸化される)。
酸化銅と炭素の実験:
2CuO + C → 2Cu + CO₂
(酸化銅は還元されて銅に、炭素は酸化されて二酸化炭素に)
- 黒い粉(酸化銅 + 炭素)を加熱 → 赤い(赤褐色の)銅ができる。こすると金属光沢
- 出た気体は石灰水を白くにごらせる(CO₂)
- 火を消す前にガラス管を石灰水から抜く(逆流防止)
- 火を消したあと ピンチコック(ゴム管を閉じる):空気が入って、できた銅が再び酸化されるのを防ぐ
酸化銅と水素:CuO + H₂ → Cu + H₂O(水ができる。塩化コバルト紙で確認)
炭素と水素は酸素と結びつきやすいので、還元剤として使える(鉄の製錬=鉄鉱石をコークス(炭素)で還元)。
ここまでできれば十分:量の計算
例:酸化銅 4.0 g と炭素 0.3 g がちょうど反応して、銅 3.2 g と二酸化炭素 1.1 g ができる(CuO : C : Cu : CO₂ = 40 : 3 : 32 : 11)。問題では比が与えられる。
酸化銅 6.0 g を完全に還元 → 炭素 0.45 g、銅 4.8 g(= 6.0 × 32/40 = 6.0 × 4/5)、CO₂ 1.65 g 酸化銅 4.0 g に炭素 0.6 g(多すぎる)→ 酸化銅がなくなるまで反応。銅 3.2 g、炭素が 0.3 g 残る → 残る固体 = 3.2 + 0.3 = 3.5 g 質量保存:反応前 4.0 + 0.3 = 4.3 g、反応後 銅 3.2 + CO₂ 1.1 = 4.3 g ✓
酸化銅 : 銅 = 5 : 4(s2-05 の 銅 : 酸素 : 酸化銅 = 4 : 1 : 5 と同じ)。
3. 化学変化と熱
まずここだけ
| 発熱反応 | 吸熱反応 | |
|---|---|---|
| 熱 | 出す(まわりの温度が上がる) | 吸収(まわりの温度が下がる) |
| 例 | 鉄粉 + 活性炭 + 食塩水(化学かいろ:鉄の酸化)、燃焼、酸化カルシウム + 水(お弁当の加熱)、中和 | クエン酸 + 炭酸水素ナトリウム(+ 水)、塩化アンモニウム + 水酸化バリウム(冷却パック) |
化学かいろ:鉄が空気中の酸素とゆっくり結びつく(酸化)ときの熱。活性炭は反応を助け、食塩水は速める。袋を開けないと始まらない(酸素が必要)。
化学エネルギー:物質がもつエネルギー。発熱反応では化学エネルギーが熱エネルギーに変わる。
4. よくある間違い
- 還元を「酸素と結びつく」と逆にする(とり除く)
- 酸化銅と炭素の実験で「炭素が還元された」(炭素は酸化、酸化銅が還元)
- ピンチコックの理由を「気体が逆流しないため」(銅の再酸化を防ぐため。逆流防止は「ガラス管を抜く」)
- スチールウールの燃焼で質量が減るとする(増える。木や紙は CO₂・水が逃げるので減る)
- 吸熱反応の例をまちがえる(中和・燃焼・鉄の酸化は発熱)
5. 自己チェック
- 酸化=酸素と結びつく、燃焼=光や熱を出す酸化、還元=酸素をとり除く
- 2CuO + C → 2Cu + CO₂:酸化銅は還元、炭素は酸化
- 実験:石灰水(CO₂)、赤い銅、ガラス管を抜く→火を消す→ピンチコック
- 発熱:化学かいろ(鉄の酸化)・燃焼・中和。吸熱:クエン酸+炭酸水素ナトリウム
- CuO : Cu = 5 : 4
6. 小テストへ
→ 小テスト(s2-06)
関連する単元
- 前提:s2-04 化学反応式、s2-05 化学変化と質量(銅 : 酸素 = 4 : 1)
- 次に進む:s2-07 生物のからだ
- ここで使う考え方が出てくる:s3-03 イオン・電池(化学エネルギー → 電気)、s3-04 中和(発熱)
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編』── 第 1 分野「(4) 化学変化と原子・分子 ア(イ) 化学変化(酸化と還元・化学変化と熱)」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/koko/science/s2-06/ / 更新 2026-09-12