中3 理科 / 地学 / s3-07
天体(日周運動・年周運動・太陽と月・金星)
この単元でできるようになること
- 地球の自転による日周運動(1 時間に 15°)で、星や太陽の見える位置と時刻を計算できる
- 地球の公転による年周運動(1 か月に 30°)と組み合わせ、「◯か月後の同じ星は何時にどこか」を求められる
- 透明半球の記録から、太陽の南中時刻・日の出時刻を求められる
- 季節による太陽の南中高度・昼の長さの変化を、地軸の傾き(23.4°)で説明し、南中高度を計算できる
- 月の満ち欠け・日食と月食、金星の満ち欠けと見える時間帯を図で説明できる
入試での位置づけ
時刻と角度の計算(15°/時、30°/月)と南中高度の式(90° − 緯度 ± 23.4°)が計算の柱。図の読み取り(透明半球・星座早見・金星の位置)が多く、「北の空は反時計回り」「南の空は東→西」を落とさないこと。
1. 日周運動(地球の自転)
まずここだけ
地球は西から東へ、1 日に 1 回自転する → 天体は東から西へ、1 日で 360° 動いて見える。1 時間に 15°。
| 空 | 動き |
|---|---|
| 東 | 右上へのぼる |
| 南 | 左(東)から右(西)へ弧を描く |
| 西 | 右下へ沈む |
| 北 | 北極星を中心に反時計回り |
北極星が動かないのは、地軸の延長線上にあるから。北極星の高度 = その場所の緯度。
20 時に南の空にあった星は、3 時間後(23 時)には 15° × 3 = 45° 西へ動いている。 北の空の星が 90° 反時計回りに動くのにかかる時間 = 90 ÷ 15 = 6 時間。
2. 年周運動(地球の公転)
まずここだけ
地球は太陽のまわりを1 年で 1 周公転(西から東・反時計回り)→ 同じ時刻に見える星は1 か月に 30°(1 日に約 1°)東から西へずれる。
同じ星が同じ位置に見える時刻は、1 か月に 2 時間ずつ早くなる(30° ÷ 15°/時 = 2 時間)。
1 月 1 日 22 時に南中した星は、2 月 1 日には 20 時に南中。3 月 1 日には 18 時。
ここまでできれば十分:日周+年周の合わせ技
「1 月 1 日 22 時に真南(南中)の星は、3 月 1 日 20 時にはどこに見えるか」
- 年周:2 か月で 60° 西へ → 3 月 1 日 22 時に 60° 西
- 日周:22 時から 20 時は 2 時間前 → 30° 東へ戻す
- 合計:60° − 30° = 30° 西
季節の星座:太陽と反対側にある星座が真夜中に南中。太陽と同じ側の星座は昼間で見えない。
- 冬の夜(オリオン座・ふたご座)、夏の夜(さそり座)、春(しし座)、秋(ペガスス座)
- 黄道:天球上で太陽が 1 年かけて通る道。黄道 12 星座。
3. 太陽の動きと季節
まずここだけ
透明半球:ペン先の影が中心と重なる位置に印。1 時間ごとの間隔は等しい(等速)。
- 曲線の両端を伸ばして半球の縁との交点が日の出・日の入りの位置
- 印の間隔から日の出時刻を求める:
9 時と 11 時の印の間 4 cm、9 時の印から日の出点まで 7 cm → 1 時間で 2 cm → 3.5 時間前 → 5 時 30 分
- 南中時刻 = (日の出 + 日の入り) ÷ 2
季節の変化
地軸が公転面に垂直な方向から 23.4° 傾いたまま公転するため:
| 夏至(6 月) | 春分・秋分 | 冬至(12 月) | |
|---|---|---|---|
| 日の出・日の入りの方角 | 北寄り | 真東・真西 | 南寄り |
| 南中高度 | 最も高い | 中間 | 最も低い |
| 昼の長さ | 最も長い | 12 時間 | 最も短い |
南中高度の式(北緯 φ の地点):
- 春分・秋分:90° − φ
- 夏至:90° − φ + 23.4°
- 冬至:90° − φ − 23.4°
北緯 35°:春分 55°、夏至 78.4°、冬至 31.6°
夏が暑い理由:南中高度が高い → 同じ面積に当たる光が多い(+昼が長い)。太陽との距離ではない。
4. 月
ここまでできれば十分
月は地球のまわりを約 1 か月(29.5 日) で公転。太陽の光の当たり方で満ち欠け。
| 月の形 | 位置 | 見える時間帯・方角 |
|---|---|---|
| 新月 | 太陽と同じ側 | 見えない |
| 三日月 | 夕方、西の低い空 | |
| 上弦の月(右半分) | 太陽から 90° 東 | 夕方に南中、真夜中に西へ沈む |
| 満月 | 太陽と反対 | 真夜中に南中、夕方東からのぼる |
| 下弦の月(左半分) | 明け方に南中 |
月の出は毎日約 50 分ずつ遅くなる(公転で月が東にずれる)。
日食:太陽 − 月 − 地球 の順(新月のとき)。月が太陽をかくす。 月食:太陽 − 地球 − 月 の順(満月のとき)。地球の影に月が入る。
月の同じ面しか見えないのは、自転周期 = 公転周期だから。
5. 金星
ここまでできれば十分
金星は地球より内側を公転する内惑星 → 真夜中には見えない。
- 明けの明星:明け方、東の空(太陽より西側にあるとき)
- よいの明星:夕方、西の空(太陽より東側にあるとき)
満ち欠けと大きさ:
- 地球に近いとき:大きく見え、細く欠ける(三日月形)
- 地球から遠いとき:小さく見え、丸に近い
- 太陽側が光る。よいの明星は右側が光る(西の空で太陽は右下)
惑星の分類:地球型(水・金・地・火:小さく密度大)/木星型(木・土・天・海:大きく密度小)。太陽系の中心は恒星である太陽。
6. よくある間違い
- 北の空の星の回転を「時計回り」にする(反時計回り)
- 年周運動の 2 時間/月を「遅くなる」にする(早くなる)
- 夏至の南中高度を 90 − φ − 23.4 とする(夏は**+**)
- 満月の南中を「夕方」(真夜中。夕方に南中は上弦)
- 金星を真夜中に見えるとする(内惑星なので見えない)
- 日食を満月のときとする(新月)
7. 自己チェック
- 日周:15°/時、東→西、北は反時計回り
- 年周:30°/月、同じ位置は 2 時間/月早く
- 南中高度:90 − φ(春秋)、+23.4(夏至)、−23.4(冬至)
- 上弦=夕方南中、満月=真夜中南中、下弦=明け方南中。日食=新月、月食=満月
- 金星:真夜中不可視。近いと大きく細い、遠いと小さく丸い
8. 小テストへ
→ 小テスト(s3-07)
関連する単元
- 前提:s2-09 気象(透明半球・季節の観測)、s1-09 地震(地球の構造)
- 次に進む:s3-08 自然と人間
- ここで使う考え方が出てくる:(高校)地学基礎
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編』── 第 2 分野「(6) 地球と宇宙 ア(ア) 天体の動きと地球の自転・公転 ア(イ) 太陽系と恒星」
- 国立天文台「暦計算室」(https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/)── 地軸の傾き 23.4° などの数値
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/koko/science/s3-07/ / 更新 2026-09-12