中2 社会 / 地理 / g-10
日本の交通・通信・地域区分
この単元でできるようになること
- 交通網の発達(新幹線・高速道路・航空・海運)と、輸送手段ごとの特徴・適した貨物(航空=軽くて高価、海運=重くて大量)を説明できる
- 輸送の変化(鉄道 → 自動車中心へ、モーダルシフト)と交通網の整備がもたらした地域の変化(ストロー現象・時間距離の短縮)がわかる
- 通信(インターネット・光ファイバー・情報格差)と、情報・サービスの東京への集中を説明できる
- 日本の地域区分(7 地方・47 都道府県・地方中枢都市・政令指定都市)と、区分の目的・指標がわかる
入試での位置づけ
貨物輸送の手段とグラフの読み取り(トン数では自動車、トンキロでは海運が大きい;航空は IC・生鮮品、海運は石油・自動車・鉄鋼)、成田空港と名古屋港・横浜港の輸出入品のちがい、7 地方区分と都道府県の位置が定番。
1. 交通
まずここだけ
日本の交通網:
- 高速道路:1965 年名神、1969 年東名 → 全国へ。本州四国連絡橋(児島−坂出・神戸−鳴門・尾道−今治の 3 ルート)、青函トンネル(1988)、東京湾アクアライン。
- 新幹線:1964 年東海道新幹線(東京オリンピック)→ 山陽・東北・上越・北陸・九州・北海道・西九州。リニア中央新幹線(建設中)。
- 航空:成田国際空港(国際線・輸出入額が日本最大の「港」)、羽田(東京国際)、関西国際空港(海上)、中部国際空港。ハブ空港。LCC(格安航空)。
- 海運:名古屋港(自動車輸出)、横浜港、神戸港、東京港。コンテナ輸送。フェリー。
輸送手段の特徴:
| 手段 | 長所 | 短所 | 適した貨物 |
|---|---|---|---|
| 自動車(トラック) | 戸口から戸口へ、時間に自由 | 渋滞・CO₂・長距離は高い | 宅配・生鮮食品・部品(ジャストインタイム) |
| 鉄道 | 大量・時間が正確・環境負荷小 | 駅までしか運べない | 通勤・石油・コンテナ |
| 船(海運) | 重くて大量のものを安く | 遅い | 原油・鉄鉱石・石炭・自動車・鉄鋼 |
| 航空 | 速い | 高い・重いものは不向き | 軽くて高価:IC・精密機械・医薬品、生鮮品(魚・花) |
- 旅客は自動車が中心、貨物はトン数なら自動車、トンキロ(重さ × 距離)なら海運が大きい。
- モーダルシフト:トラック → 鉄道・船へ切り替え(CO₂ 削減・ドライバー不足)。
- 時間距離の短縮。ストロー現象(交通が便利になると人や買い物が大都市に吸い取られ、地方都市が衰える)。交通弱者・地方の赤字路線の廃止。
港の輸出入品:
- 成田国際空港:輸出=IC・科学光学機器・金、輸入=医薬品・通信機・IC(軽くて高価なもの)
- 名古屋港:輸出=自動車・自動車部品(中京工業地帯)
- 横浜港:自動車・プラスチック
- 東京港・大阪港:衣類・食料品の輸入(大消費地)
- 千葉港・水島港:原油の輸入
2. 通信
ここまでできれば十分
- 情報通信網:光ファイバー・海底ケーブル・通信衛星・携帯電話基地局。インターネット・スマートフォンの普及。
- 情報・企業の本社・出版・放送は東京に集中(一極集中)。情報格差(デジタルデバイド)(年齢・地域)。
- ICT の活用:テレワーク・遠隔医療・オンライン授業・キャッシュレス・GIS(地理情報システム)・GPS。災害時の情報伝達。情報モラル・個人情報。
3. 日本の地域区分
ここまでできれば十分
- 1 都 1 道 2 府 43 県 = 47 都道府県。県庁所在地が県名とちがう県(例:北海道=札幌、岩手=盛岡、宮城=仙台、茨城=水戸、栃木=宇都宮、群馬=前橋、埼玉=さいたま、神奈川=横浜、石川=金沢、山梨=甲府、愛知=名古屋、三重=津、滋賀=大津、兵庫=神戸、島根=松江、香川=高松、愛媛=松山、沖縄=那覇)。
- 7 地方区分:北海道・東北・関東・中部・近畿・中国四国・九州。中部は北陸・中央高地・東海、中国四国は山陰・瀬戸内・南四国にさらに分ける。
- その他の区分:気候・産業・文化(方言・食)・電力会社の管轄・時差なし。地域区分は目的によって変わる。
- 地方中枢都市:札幌・仙台・広島・福岡(各地方の中心・国の出張所や企業の支社が集まる)。政令指定都市(人口 50 万以上・都道府県の仕事の一部を行う)。三大都市圏(東京・大阪・名古屋)。
4. よくある間違い
- 航空で「重いもの」を運ぶ(軽くて高価なもの)/海運で「速い」(遅いが安い)
- 成田空港の輸出品を「自動車」(名古屋港が自動車。成田は IC・医薬品)
- 貨物のトンキロ 1 位を自動車(海運。トン数では自動車)
- モーダルシフトを「自動車へ切り替え」(自動車 → 鉄道・船)
- 県庁所在地の取り違え(神奈川=横浜、兵庫=神戸、愛知=名古屋)
- 地方中枢都市に「東京・大阪・名古屋」(それは三大都市。中枢は札幌・仙台・広島・福岡)
5. 自己チェック
- 自動車=戸口、鉄道=正確、船=重い安い遅い、航空=軽い高価速い
- 成田=IC・医薬品、名古屋港=自動車、千葉港=原油
- モーダルシフト・ストロー現象・時間距離
- 東京一極集中・情報格差・GIS
- 7 地方・47 都道府県・地方中枢都市(札幌仙台広島福岡)
6. 小テストへ
→ 小テスト(g-10)
関連する単元
- 前提:g-09 日本の産業
- 次に進む:g-11 地形図
- ここで使う考え方が出てくる:g-12 日本の諸地域、c-01 情報化
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編』── 地理的分野「C 日本の様々な地域 (2) 日本の地域的特色と地域区分(交通・通信)」
- 国土交通省『交通政策白書』「貨物輸送機関別輸送量」(https://www.mlit.go.jp/)── トン・トンキロの分担率
- 財務省「貿易統計 港別主要輸出入品」(https://www.customs.go.jp/)── 成田・名古屋港などの品目
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/koko/social/g-10/ / 更新 2026-09-12