中1 数学 / 数と式 / m1-01
正負の数 ── 意味・数直線・絶対値・大小
この単元でできるようになること
- 0より小さい数(負の数)を、マイナスの記号で表せる
- 数直線の上で、正の数・負の数・0の位置がわかる
- 「絶対値」の意味がわかり、求められる
- 正負の数の大小を、数直線を使わずに判断できる
入試での位置づけ
この単元そのものが単独で出ることは多くありません。ただし、次の単元「加法・減法」以降のすべての計算の土台です。ここで「数直線のどちらが大きいか」「絶対値とは何か」があいまいなまま進むと、符号のミスが最後まで残ります。中1の最初にある単元ですが、受験直前に符号ミスが減らない人は、ここに戻ると原因が見つかることがよくあります。
1. 0より小さい数を表す
まずここだけ
気温を思い浮かべてください。0℃より3℃低い温度を「マイナス3度」と言います。これを数で書くと −3 です。
- 0より大きい数を といい、+3、+0.5、+1/2 のように書く(ふつうは+を省いて 3、0.5、1/2 と書く)
- 0より小さい数を といい、−3、−0.5、−1/2 のように書く(−は省けない)
- 0は正の数でも負の数でもない
「+」「−」を といいます。
よくある間違い
- 「0は正の数」と思っている → 0は正でも負でもない、と覚え直す
- 「−3は3より大きいマイナス」のように、−を「大きさ」だと思っている → −は「0より小さい側にある」という向きの印
例:反対の性質をもつ量
負の数は「反対向き」を表すのに使います。
| 基準 | 正の数 | 負の数 |
|---|---|---|
| 東へ5km を +5km とすると | 東へ5km = +5km | 西へ5km = −5km |
| 収入を + とすると | 1000円の収入 = +1000円 | 1000円の支出 = −1000円 |
| 基準の身長 160cm より | 3cm 高い = +3cm | 3cm 低い = −3cm |
この「基準を決めて、増えた分を+・減った分を−で表す」考え方は、あとの単元(一次関数の変化の割合・データの活用)でも何度も出てきます。
2. 数直線
まずここだけ
数を一本の直線の上に並べたものを といいます。
←──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──→
−4 −3 −2 −1 0 1 2 3 4
- 0の位置を という
- 右へ行くほど大きく、左へ行くほど小さい
- 0から右が正の数、左が負の数
例
−2.5 はどこにあるか。−2 と −3 の真ん中です。「−2.5 は −2 より左」であることに注意してください。数直線の左側では、数字の見た目(2.5 は 2 より大きい)と位置(−2.5 は −2 より左=小さい)が逆になります。ここが負の数のいちばんの落とし穴です。
よくある間違い
- −2.5 を −2 と −3 の間ではなく、−2 の右に置いてしまう → 「−の世界では、数字が大きいほど左」と言い直して覚える
3. 絶対値
まずここだけ
数直線の上で、原点からその数までの距離 を、その数の といいます。距離なので、絶対値は必ず 0 以上です。
- +3 の絶対値は 3(原点から右へ3)
- −3 の絶対値は 3(原点から左へ3)
- 0 の絶対値は 0
つまり 絶対値は「符号を取った数」 と考えて構いません。
例
| 数 | 絶対値 |
|---|---|
| +7 | 7 |
| −7 | 7 |
| −0.4 | 0.4 |
| −5/3 | 5/3 |
| 0 | 0 |
ここまでできれば十分
「絶対値が4になる数をすべて答えなさい」という問いには、+4 と −4 の2つを答えます。「絶対値が4の数」と言われて +4 だけ答えてしまうのが典型的な失点です。絶対値が 0 になる数だけは 0 の1つです。
もう一歩(発展)
「絶対値が3以下の整数をすべて書きなさい」のように、範囲で問われることもあります。原点からの距離が3以下なので、−3、−2、−1、0、1、2、3 の7つです。0を数え忘れないこと、負の側も数えることの2点に注意します。
4. 正負の数の大小
まずここだけ
数直線で 右にある数ほど大きい。これがすべてです。ここから次の3つが言えます。
- 正の数は 0 より大きく、負の数は 0 より小さい
- 正の数どうしは、絶対値が大きいほど大きい(3 と 5 なら 5)
- 負の数どうしは、絶対値が大きいほど小さい(−3 と −5 なら −5 のほうが小さい)
3番目が負の数の最大のポイントです。「−5 は −3 より大きく見える」感覚を、数直線の絵で毎回打ち消してください。
不等号の使い方
大小は で表します。開いている側が大きい数です。
- −3 < 2(−3 は 2 より小さい)
- −5 < −3
- 3つ以上を並べるときは、小さい順か大きい順に向きをそろえる:−5 < −3 < 2
「−5 < 2 > −3」のように向きが混ざった書き方は誤りです。
例:小さい順に並べる
−1、3、−4、0、2.5 を小さい順に並べる。
- 負の数を集める:−1、−4 → 絶対値が大きい −4 のほうが小さい → −4、−1
- 0
- 正の数を集める:3、2.5 → 2.5、3
答え:−4 < −1 < 0 < 2.5 < 3
よくある間違い
- −4 と −1 で「4 のほうが大きいから −4 が大きい」としてしまう → 負の数は絶対値が大きいほど小さい
- 不等号の向きを途中で変える → 一方向にそろえる
5. 小テストへ
10問で確かめましょう。「絶対値」と「負の数どうしの大小」の問題で迷ったら、この2点だけ読み直せば十分です。
→ 小テスト(m1-01)
関連する単元
- 次に進む:m1-02 正負の数の加法・減法
- ここで使う考え方が出てくる:m2-06 一次関数(変化の割合の符号)、m1-18 データの活用(基準との差)
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編』第1学年 A 数と式 (1) 正の数と負の数
- 「正の数と負の数の必要性と意味を理解すること」「正の数と負の数の大小関係」が本単元の範囲
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/koko/math/m1-01/ / 更新 2026-09-12