中1 数学 / 数と式 / m1-02

更新 2026-09-12

正負の数の加法・減法

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

入試の計算問題は、この単元の考え方を使わずに解けるものがほとんどありません。それだけでなく、方程式・関数・図形の計算まで、負の数の足し引きは全部の単元の中に入り込んでいます。ここでのミスは「この単元の失点」ではなく「数学全体の失点」になります。逆に言えば、ここが安定すると数学全体の点が安定します。


1. 加法(たし算)── 数直線で動く

まずここだけ

たし算は「数直線の上を動くこと」だと考えます。

たとえば (−3) + 5 は、「−3 の位置から右へ 5 動く」です。

        左へ         右へ 5 →
 ─┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──
 −4 −3 −2 −1  0  1  2  3  4
     ●────────────────→ ●
    出発 −3            到着 +2

到着したのは +2。だから (−3) + 5 = 2 です。

(−3) + (−5) なら、「−3 から左へ 5 動く」ので −8 に着きます。

数直線を使わずに計算するルール

毎回数直線を書くのは大変なので、ルールにまとめます。慣れるまでは、ルールと数直線の両方で確かめてください。

① 同じ符号どうしの和  絶対値をたして、共通の符号をつける。  (+3) + (+5) = +8  (−3) + (−5) = −8

② 違う符号どうしの和  絶対値の差を出して、絶対値が大きいほうの符号をつける。  (−3) + (+5):絶対値は 3 と 5。差は 2。大きいのは +5 側 → +2  (+3) + (−5):絶対値は 3 と 5。差は 2。大きいのは −5 側 → −2

③ 0 をたす・絶対値が同じで符号が逆  (−4) + 0 = −4  (+4) + (−4) = 0

どう考えるか答え
(+7) + (+2)同符号。7+2=9 に ++9
(−7) + (−2)同符号。7+2=9 に −−9
(−7) + (+2)異符号。7−2=5。大きいのは −7 側−5
(+7) + (−2)異符号。7−2=5。大きいのは +7 側+5
(−2.5) + (+4)異符号。4−2.5=1.5。大きいのは +4 側+1.5

よくある間違い


2. 減法(ひき算)── 全部たし算に直す

まずここだけ

負の数のひき算は、「ひく数の符号を変えて、たし算にする」 の一手だけ覚えれば足ります。

a − b は、a + (−b) と同じ

理由を気温で考えます。「5℃ から 3℃ 下がる」は 5 − 3 = 2。これは「5℃ に −3℃ を加える」5 + (−3) = 2 と同じことです。ひくこと=反対向きの数をたすこと

手順

  1. ひく数の符号を反対にする(+ なら −、− なら +)
  2. 「−」を「+」に書き換える
  3. あとは加法のルール①②で計算

たし算に直す答え
(+5) − (+8)(+5) + (−8)−3
(+5) − (−8)(+5) + (+8)+13
(−5) − (+8)(−5) + (−8)−13
(−5) − (−8)(−5) + (+8)+3

特に 「− (−8)」が「+ (+8)」になるところ(マイナスのマイナスはプラス)が、最初はいちばん違和感があるところです。数直線で言えば「左へ 8 動くことの反対」=「右へ 8 動く」です。

よくある間違い

ここまでできれば十分

たし算とひき算を、それぞれ単独で間違えなくなればここまでで合格です。次の節は「まとめて計算する」技術で、テストの計算問題のほとんどはこの形で出ます。


3. 加法と減法の混じった式 ── かっこを外す

まずここだけ

(−3) + (+5) − (−2) − (+4) のような式は、全部たし算に直したあと、かっこと「+」を取って、数字と符号だけ並べます

  1. ひき算をたし算に直す:(−3) + (+5) + (+2) + (−4)
  2. かっこと + を外す:−3 + 5 + 2 − 4

この「かっこを外した形」を 項を並べた式 と呼びます。−3、+5、+2、−4 のひとつひとつが です(この式の項は −3、5、2、−4)。

計算のコツ:正の項と負の項をまとめる

−3 + 5 + 2 − 4 なら

順番どおりに左から計算しても答えは同じですが、正と負を分けてまとめるほうが速く、ミスも減ります。たし算は順番を変えても、まとめる順序を変えても答えが変わらない(加法の交換法則・結合法則)ので、この並べ替えは自由です。

(−6) − (−9) + (−4) − (+3)

  1. たし算に:(−6) + (+9) + (−4) + (−3)
  2. かっこを外す:−6 + 9 − 4 − 3
  3. 正の項:9 負の項:−6 − 4 − 3 = −13
  4. 9 − 13 = −4

もう一歩(発展):小数・分数がまじる場合

考え方はまったく同じです。通分・小数点の位置合わせだけ落ち着いてやります。

(−1/2) + (+2/3) − (+1/6)

  1. かっこを外す:−1/2 + 2/3 − 1/6
  2. 通分(分母6):−3/6 + 4/6 − 1/6
  3. 正の項:4/6 負の項:−3/6 − 1/6 = −4/6
  4. 4/6 − 4/6 = 0

よくある間違い


4. 符号ミスを減らす自己チェック

ミスが出やすいのは決まって次の3か所です。計算を終えたら、この3つだけ見直してください。

  1. 「− (−□)」を「+□」にしたか(マイナスのマイナス)
  2. 異符号の和で「差」を出したか(たしてしまっていないか)
  3. 答えの符号は、絶対値が大きいほうの符号になっているか

見直すのは全部でなく、この3点だけ。全部を見直すと時間が足りず、結局どこも見直せません。


5. 小テストへ

10問で確かめましょう。間違えた問題は、解説を読んでから同じ型の別の数でもう一度解けます。

→ 小テスト(m1-02)

関連する単元

参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から