中1 数学 / 数と式 / m1-03

更新 2026-09-12

正負の数の乗法・除法・累乗

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

計算問題として出題されやすい単元です。特に 累乗の符号(−2² と (−2)² の違い)は、計算問題の定番として出題されやすく、わかっているつもりでも落としやすいところです。この単元は「ルールは少ないのに、うっかりが多い」単元。ルールを覚えたら、うっかりの型を知っておくのが得点につながります。


1. 乗法(かけ算)── 符号のルール

まずここだけ

負の数のかけ算は、答えの符号を先に決めて、あとから絶対値をかける、この順番でやります。

符号の組み合わせ答えの符号
(+) × (+)+(+3) × (+4) = +12
(−) × (−)+(−3) × (−4) = +12
(+) × (−)(+3) × (−4) = −12
(−) × (+)(−3) × (+4) = −12

まとめると、同じ符号なら +、違う符号なら −

なぜ (−) × (−) が + になるのか

丸暗記でも計算はできますが、理由を知っておくと忘れにくくなります。

「毎日 3 円ずつ減っていく貯金」を考えます。1日で −3 円。4日後は (−3) × (+4) = −12 円(12 円減っている)。では 4日前はどうでしょう。4日前は「時間をさかのぼる」ので −4 日。(−3) × (−4)。4日前は今より 12 円多かったはずなので、答えは +12 円。「減る量」×「さかのぼる」=「増える」。これが (−) × (−) = (+) の意味です。

3つ以上の数のかけ算

負の数が何個あるかを数えるだけです。

(−2) × (+3) × (−4) × (−1):負の数は −2、−4、−1 の3個(奇数)→ 符号は −。絶対値は 2×3×4×1 = 24。答え −24

符号の判断絶対値答え
(−6) × (−7)同符号 → +42+42
(−6) × 7異符号 → −42−42
(−0.5) × 8異符号 → −4−4
(−2) × (−3) × (−5)負が3個 → −30−30
(−1) × (−1) × (−1) × (−1)負が4個 → +1+1

よくある間違い


2. 除法(わり算)── 符号は乗法と同じ

まずここだけ

わり算の符号ルールはかけ算とまったく同じです。同じ符号なら +、違う符号なら −。

符号絶対値答え
(+12) ÷ (+3)+4+4
(−12) ÷ (−3)+4+4
(+12) ÷ (−3)4−4
(−12) ÷ (+3)4−4

割り切れないとき ── 分数で答える

(−7) ÷ 3 は割り切れません。この場合は分数で −7/3 と答えます。小数にすると 2.333… と終わらないので、中学数学では分数のほうが正確です。符号は分数の前に1つだけつけます(−7/3 と書く。分子と分母の両方に − をつけない)。

逆数 ── わり算をかけ算に直す

2つの数をかけて 1 になるとき、片方をもう片方の といいます。

「ある数でわる」ことは「その数の逆数をかける」ことと同じです。

(−6) ÷ (−2/3) = (−6) × (−3/2) = +9

分数のわり算や、かけ算とわり算が混ざった式は、全部かけ算に直してから符号を決めると迷いません。

ここまでできれば十分

かけ算・わり算の符号ルールと、逆数への直し方までできれば、この単元の基本は合格です。次の累乗は「うっかりの型」を知るところです。


3. 累乗 ── 同じ数を何回もかける

まずここだけ

3 × 3 × 3 × 3 を 3⁴ と書き、「3 の 4 乗」と読みます。右上の小さい 4 を といい、「何回かけるか」を表します。2乗を「平方」、3乗を「立方」とも言います。

負の数の累乗 ── かっこの有無で意味が変わる

ここが入試の定番です。次の2つは別物です。

意味計算答え
(−2)²(−2) を 2 回かける(−2) × (−2)+4
−2²2² に − をつける−(2 × 2)−4

−2² の「2乗」は 2 にだけかかっていて、前の − は「2² の反対」という意味です。かっこがついていない − は、指数の外にある、と覚えてください。

同じように

(−2)³ と −2³ は同じ答えになりますが、それは「たまたま奇数乗だから」です。偶数乗のとき(2乗・4乗)に必ず差が出ます。

負の数を偶数乗すると必ず正になる

(−□)² の答えは、□ が何であっても 0 以上です。負の数が 2 個(偶数個)かけられているからです。これは中3の「平方根」でとても重要になります(「2乗して負になる数は、ふつうの数の中にはない」)。

よくある間違い

もう一歩(発展):累乗と四則の混ざった式

(−2)³ × 3 − (−3)² のような式は、累乗を先に計算してから、かけ算・わり算、最後にたし算・ひき算の順です(計算の順序は次の単元 m1-04 でくわしく扱います)。

  1. 累乗:(−2)³ = −8、(−3)² = +9
  2. かけ算:(−8) × 3 = −24
  3. ひき算:−24 − 9 = −33

4. 符号ミスの自己チェック

  1. かけ算・わり算は 符号を先に決めたか(負の数の個数を数えたか)
  2. −□² の 2乗は □ にだけかかっていると読んだか
  3. わり算を逆数のかけ算に直したとき、符号を変えていないか(逆数は符号そのまま)

5. 小テストへ

→ 小テスト(m1-03)

関連する単元

参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から