中2 数学 / 数と式 / m2-02

更新 2026-09-12

式の値・等式の変形

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

「次の等式を y について解きなさい」は、計算問題の小問として出題されやすい形です。やることは一次方程式(m1-08)と同じですが、答えが数でなく式になるため、移項・両辺をわる操作を「文字を含んだまま」行う必要があります。中2の連立方程式(代入法)・一次関数(y = の形に直す)、中3の二次方程式の解の公式でも、この変形をそのまま使います。


1. 式の値 ── 整理してから代入

まずここだけ

式の値を求める問題では、まず式を簡単にしてから代入します(m2-01 の発展で扱いました)。

x = 3、y = −2 のとき、2(3x − y) − 3(x − 2y) の値

  1. 整理:6x − 2y − 3x + 6y = 3x + 4y
  2. 代入:3 × 3 + 4 × (−2) = 9 − 8 = 1

いきなり代入すると 2(9 + 2) − 3(3 + 4) = 22 − 21 = 1 で同じ答えになりますが、負の数を何度も扱うので途中で符号を落としやすくなります。

単項式の乗除でも同じ

a = −2、b = 3 のとき、12a²b ÷ 4ab の値

整理:12a²b / 4ab = 3a → 代入:3 × (−2) = −6

整理x = −1、y = 2 での値
3(x + 2y) − 2(2x + y)−x + 4y1 + 8 = 9
(4x − 6y) ÷ 2 + y2x − 2y−2 − 4 = −6
8xy² ÷ (−2y)−4xy8

よくある間違い


2. 等式の変形 ── 「x について解く」

まずここだけ

等式 2x + y = 8 を「y について解く」とは、y = (x を含む式) の形に変形することです。

2x + y = 8 → y = 8 − 2x(2x を移項)

「x について解く」なら x = (y を含む式): 2x = 8 − y → x = (8 − y)/2

やっていることは一次方程式を解くのと同じで、解きたい文字以外を「数」だと思って移項・わり算をします。

手順

  1. 解きたい文字を含む項を左辺に、それ以外を右辺に移項する
  2. 左辺を「(係数)× (文字)」の形にまとめる
  3. 両辺を係数でわる(係数が文字でも同じ)

例①:3a + 2b = 12 を b について解く

  1. 移項:2b = 12 − 3a
  2. 両辺を 2 でわる:b = (12 − 3a)/2(b = 6 − (3/2)a でも同じ)

例②:ℓ = 2πr を r について解く

両辺を 2π でわる:r = ℓ/(2π)

例③:S = (1/2)ah(三角形の面積)を h について解く

  1. 両辺に 2 をかけて分数を消す:2S = ah
  2. 両辺を a でわる:h = 2S/a

「底辺 a と面積 S がわかっているとき、高さ h は 2S/a」。公式を「知りたい量 = 」の形に組み替えるのが等式の変形の使いどころです。

例④:V = (1/3)πr²h(円錐の体積)を h について解く

3V = πr²h → h = 3V/(πr²)

例⑤:分数を含む等式

x/3 + y/2 = 1 を y について解く

  1. 両辺を 6 倍:2x + 3y = 6
  2. 3y = 6 − 2x
  3. y = (6 − 2x)/3

よくある間違い

ここまでできれば十分

「解きたい文字以外を数だと思って、移項 → わり算」ができれば、この単元の中心は合格です。


3. 公式の変形の使いどころ

ここまでできれば十分(の次)

公式何について解くか結果
道のり = 速さ × 時間(ℓ = vt)時間 tt = ℓ/v
平均 = 合計 ÷ 個数(m = S/n)合計 SS = mn
台形の面積 S = (a + b)h/2上底 aa = 2S/h − b
割合:比べる量 = もとにする量 × 割合(p = bq)もとにする量 bb = p/q
摂氏と華氏:F = (9/5)C + 32CC = (5/9)(F − 32)

台形の例:2S = (a + b)h → 両辺を h でわって 2S/h = a + b → a = 2S/h − b。「両辺を h でわる」→「b を移項」の2段です。

変形した式で計算する

等式の変形は、「値を求めるたびに方程式を解く」手間を省きます。 S = (1/2)ah から h = 2S/a を1度作っておけば、面積 30・底辺 12 なら h = 60/12 = 5、面積 42・底辺 7 なら h = 12、と代入するだけです。


4. 文字式の利用 ── 文字を残したまま計算する

もう一歩(発展)

「1辺 a cm の正方形の各辺を 2 cm ずつのばすと、面積はいくら増えるか」

のばした後の正方形の面積 (a + 2)² は中3で展開しますが、ここでは (a + 2)(a + 2) を「1辺 (a + 2) の正方形」として図で分けると、a² + 2a + 2a + 4 = a² + 4a + 4。もとの a² との差は 4a + 4 (cm²)

「文字を残したまま計算して、結果を文字式で表す」のは次の単元(文字式の利用・説明)の中心です。


5. 自己チェック

  1. 式の値:先に整理したか。代入で負の数にかっこをつけたか
  2. 等式の変形:解きたい文字の項だけ左辺に集めたか。移項の符号を変えたか
  3. かけてある文字(係数)は、移項でなく両辺をわって消したか
  4. 分数の形の答え(例 (6 − 2x)/3)を、別の形(2 − (2/3)x)と同じだと判断できるか

6. 小テストへ

→ 小テスト(m2-02)

関連する単元

参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から