中2 数学 / 図形 / m2-09
平行線と角・多角形の内角と外角
この単元でできるようになること
- 対頂角・同位角・錯角の位置関係がわかり、平行線のときにそれらが等しいことを使える
- 三角形の内角の和が 180°、外角が「隣にない2つの内角の和」であることを使って角を求められる
- n 角形の内角の和 180°×(n − 2)、外角の和 360° を使える
- 補助線(平行線を引く・三角形を作る)を引いて、複雑な図の角を求められる
入試での位置づけ
「x の角度を求めよ」は、小問として出題されやすい定番です。使う道具は 平行線の錯角・同位角、三角形の内角と外角、多角形の内角の和 の3つだけで、それを補助線でつなぐ問題がほとんどです。中2の合同の証明・中3の円周角・相似でも、「角が等しい理由」を書くときにここの言葉(錯角、対頂角)をそのまま使います。
1. 対頂角・同位角・錯角
まずここだけ
2直線が交わってできる、向かい合った角を といいます。対頂角はつねに等しい(平行でなくても)。
\ a /
\ /
d × b ∠a = ∠c(対頂角)、∠b = ∠d(対頂角)
/ \
/ c \
2直線 ℓ、m に、もう1本の直線が交わっているとき
/
─a──/──b──── ℓ
/d c
/
─e──/──f──── m
/h g
/
- :同じ位置にある角どうし(∠a と ∠e、∠b と ∠f、∠c と ∠g、∠d と ∠h)
- :斜めに向かい合う内側の角(∠c と ∠e、∠d と ∠f)
平行線の性質
ℓ ∥ m ならば、同位角は等しく、錯角は等しい
逆も成り立ちます:同位角(または錯角)が等しければ、ℓ ∥ m。「平行だとわかったら錯角を使う」「錯角が等しいとわかったら平行と言える」の両方向で使います。
よくある間違い
- 平行でないのに同位角を等しいとする → 同位角・錯角が等しいのは平行線のときだけ。対頂角はいつでも等しい
- 錯角の位置を「外側」で取る → 錯角は 2 直線の内側で斜めに向かい合う組
- 「同側内角(∠c と ∠f)が等しい」とする → 平行線の同側内角は和が 180°(等しいのではない)
2. 三角形の内角と外角
まずここだけ
三角形の3つの の和は 180° です。
なぜか:頂点 A を通って辺 BC に平行な直線を引くと、錯角によって ∠B と ∠C が A のまわりに移り、3 つの角が一直線(180°)に並びます。「平行線の錯角」から導ける、というつながりを覚えておくと、証明問題で使えます。
三角形の1辺をのばしてできる、隣の角を といいます。
三角形の外角は、それと隣り合わない2つの内角の和に等しい
A
/ \
/ \
/ \
B───────C──── ∠ACD(外角)= ∠A + ∠B
D
180° − ∠C = ∠A + ∠B(内角の和が 180° だから)で、いちいち ∠C を求めなくても外角が出せます。
例
- ∠A = 50°、∠B = 60° の三角形の ∠C → 180 − 110 = 70°
- ∠A = 50°、∠B = 60° のとき、C の外角 → 50 + 60 = 110°
- 二等辺三角形で頂角 40° → 底角は (180 − 40) ÷ 2 = 70°
- 直角三角形の直角以外の 2 角の和 → 90°
三角形の分類(角による)
- 鋭角三角形:3 つの角がすべて 90° 未満
- 直角三角形:1 つの角が 90°
- 鈍角三角形:1 つの角が 90° より大きい
3. 多角形の内角と外角
まずここだけ
n 角形は、1 つの頂点から対角線を引くと (n − 2) 個の三角形に分けられるので
n 角形の内角の和 = 180° × (n − 2)
| 多角形 | 三角形の数 | 内角の和 | 正多角形の1つの内角 |
|---|---|---|---|
| 三角形 | 1 | 180° | 60° |
| 四角形 | 2 | 360° | 90° |
| 五角形 | 3 | 540° | 108° |
| 六角形 | 4 | 720° | 120° |
| 八角形 | 6 | 1080° | 135° |
| 十角形 | 8 | 1440° | 144° |
多角形の外角の和は、何角形でも 360° です(各頂点で 内角 + 外角 = 180° なので、合計 180n から内角の和 180(n − 2) をひくと 360)。
正多角形
正 n 角形の 1 つの外角 = 360° ÷ n、1 つの内角 = 180° − 外角。 正五角形なら外角 72°、内角 108°。正八角形なら外角 45°、内角 135°。
「1 つの内角が 150° の正多角形は正何角形か」→ 外角は 30° → 360 ÷ 30 = 正十二角形。内角の和の式よりも、外角 360° ÷ n から攻めるほうが速いです。
よくある間違い
- 内角の和を 180 × n とする → (n − 2) 倍
- 外角の和を n によって変わると思う → いつも 360°
- 正 n 角形の内角を求めるのに、内角の和 ÷ n の計算で間違える → 外角 360/n を先に出して 180 から引くと楽
ここまでできれば十分
平行線の錯角・同位角、三角形の内角と外角、n 角形の内角の和と外角の和、の3組で角度が求められれば、この単元の基本は合格です。
4. 角を求める定番の型
ここまでできれば十分(の次)
型①:平行線の間に折れ線(補助線を引く)
────────────── ℓ
\ 30°
\
● x
/
/ 40°
────────────── m
折れ点を通って ℓ(m)に平行な補助線を引くと、x は 2 つの錯角の和になります。x = 30° + 40° = 70°
型②:ブーメラン型(くぼんだ四角形)
くぼんだ点の角 = 残りの 3 つの角の和。三角形の外角を 2 回使うか、くぼんだ点と向かいの頂点を結んで 2 つの三角形にすると導けます。
型③:星形(五芒星)の先端の角の和
星の 5 つの先端の角の和は 180°。1 つの三角形に外角を使って角を集めると示せます。
型④:角の二等分線が作る角
△ABC で ∠B と ∠C の二等分線の交点を I とすると、∠BIC = 90° + ∠A/2。 ∠BIC = 180 − (∠B + ∠C)/2 = 180 − (180 − ∠A)/2 = 90 + ∠A/2。
補助線の引き方
- 平行線があるなら、折れ点を通る平行線
- 角が離れているなら、結んで三角形を作る(外角で角を集める)
- くぼみがあるなら、くぼみの点を通る線で三角形に分ける
「どこに補助線を引くか」に唯一の正解はありませんが、上の 3 つのどれかで大半の問題は解けます。
もう一歩(発展):等しい角に印をつけて考える
角度の問題では、わかった角度を図に書き込みながら進めるのが最も確実です。二等辺三角形の底角、平行線の錯角、対頂角など「等しい角」に同じ印(●、○)をつけると、どの三角形で 180° を使えばよいかが見えてきます。頭の中だけで処理しようとすると、途中の角を忘れます。
5. 自己チェック
- 同位角・錯角を等しいとした場所は、平行線があったか
- 外角 = 隣り合わない 2 内角の和、を使えたか
- n 角形の内角の和は 180 × (n − 2)、外角の和は 360° か
- 補助線(平行線・結ぶ)を引いて、三角形に分けたか
6. 小テストへ
→ 小テスト(m2-09)
関連する単元
- 前提:m1-13 平面図形(平行・垂直)
- 次に進む:m2-10 三角形の合同条件・証明の書き方
- ここで使う考え方が出てくる:m2-11 二等辺三角形、m3-14 円周角の定理
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編』第2学年 B 図形 (1) 基本的な平面図形と平行線の性質 ── 「平行線や角の性質」「多角形の角についての性質」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/koko/math/m2-09/ / 更新 2026-09-12