中2 数学 / 関数 / m2-08

更新 2026-09-12

一次関数の利用

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

一次関数の利用は、関数の大問の後半として出題されやすく、**「グラフを読む」「動点」「面積」**の3つが柱です。計算は m2-06・m2-07 の範囲を出ませんが、「時間 x と面積 y の関係を自分で式にする」段階でつまずく人が多い分野です。表を作って数個の値を確かめてから式にする習慣が、ここでの得点を安定させます。


1. 一次関数で表せる量

まずここだけ

「一定の割合で増える(減る)」量は、一次関数で表せます。

場面傾き a の意味切片 b の意味
水そうに毎分 3 L 入れる。はじめ 10 Ly = 3x + 101 分あたりの増加量最初の量
携帯の料金:基本料 2000 円+1 分 30 円y = 30x + 20001 分あたりの料金基本料
ばねに x g のおもりで長さ y cm(自然長 12 cm、1 g で 0.5 cm のびる)y = 0.5x + 121 g あたりののび自然長
標高が 100 m 上がるごとに気温が 0.6 ℃下がる。地上 20 ℃y = −0.006x + 201 m あたりの変化(負)地上の気温

傾き = 1 あたりの変化量、切片 = はじめの値。この読み方ができれば、逆に「表やグラフから式を作る」ときも、「1 あたりいくら増えるか」と「x = 0 のときいくらか」を探せばよいことになります。

例:表から式を作る

おもり x (g)0102030
ばねの長さ y (cm)12172227

10 g ごとに 5 cm のびる → 1 g あたり 0.5 cm → a = 0.5。x = 0 で 12 → b = 12。y = 0.5x + 12 「50 g のときの長さ」→ 0.5 × 50 + 12 = 37 cm。表にない値を式で予測するのが、関数を使う目的です。

料金プランの比較

A プラン:基本料 1000 円、1 分 40 円。B プラン:基本料 2200 円、1 分 10 円。何分以上使うと B が安いか。

A:y = 40x + 1000、B:y = 10x + 2200。等しくなるのは 40x + 1000 = 10x + 2200 → x = 40。 40 分より長く使うなら B(傾きが小さい=伸びが少ない)。答え:40 分を超えると B が安い

「どちらが得か」は交点を求め、交点の左右で傾きの大小を見る問題です。


2. 速さのグラフ(ダイヤグラム)

まずここだけ

横軸に時間、縦軸に道のり(出発点からの距離)をとったグラフを、鉄道の運行図にちなんでダイヤグラムと呼びます。

例:追いつく

弟は家を出て分速 60 m で歩き、兄は 6 分後に家を出て分速 90 m で追いかける。兄が家を出てから何分後に追いつくか。

弟:出発してから x 分後の道のり y = 60x 兄:弟の出発を基準に x 分後とすると、兄は (x − 6) 分歩いているので y = 90(x − 6) = 90x − 540 交点:60x = 90x − 540 → 30x = 540 → x = 18。弟の出発から 18 分後 = 兄が出てから 12 分後(1080 m 地点)

**「x が何を基準にしているか」**を最初に決めて、両方の式を同じ基準で書くのがコツです。

例:出会う

A 地点と、そこから 3000 m 離れた B 地点がある。P は A から B へ分速 80 m、Q は B から A へ分速 70 m で同時に出発した。何分後に出会うか。

A からの距離で表す。P:y = 80x、Q:y = 3000 − 70x(B からスタートして A に近づく=減る) 80x = 3000 − 70x → 150x = 3000 → x = 20。20 分後(A から 1600 m の地点)

向かい合って進む人は、片方の式が右下がりになります。

グラフを読む問題

グラフから「途中で止まった時間」「速さが変わった時刻」を読む問題では、

を式に直さず読み取るだけで答えられるものも多いです。まずグラフの折れ点の座標を全部書き出すことから始めます。

よくある間違い

ここまでできれば十分

ダイヤグラムで「傾き = 速さ」「交点 = 出会う・追いつく」が使えれば、この単元の前半は合格です。


3. 動点の問題

まずここだけ

長方形 ABCD(AB = 6 cm、BC = 10 cm)の辺上を、点 P が A を出発して B、C の順に毎秒 1 cm で動く。P が出発してから x 秒後の △APD の面積を y cm² とする。x と y の関係を式で表せ。

P がどの辺にいるかで式が変わるので、区間に分けます。

① P が AB 上(0 ≦ x ≦ 6) AP = x。△APD は底辺 AD = 10、高さ AP = x。y = (1/2) × 10 × x = 5x

② P が BC 上(6 ≦ x ≦ 16) △APD は底辺 AD = 10、高さは AB = 6 で一定。y = (1/2) × 10 × 6 = 30(一定)

グラフにすると、0〜6 秒は原点から (6, 30) まで右上がり、6〜16 秒は y = 30 の横線。折れ線になります。

動点の手順

  1. 点の速さから、各辺を通過する時刻を出す(AB 6 cm を毎秒 1 cm → 6 秒、BC 10 cm → 16 秒まで)
  2. 区間ごとに、図をかいて三角形の底辺と高さを x で表す
  3. 式にして、変域を添える
  4. 区間の境目(x = 6)で式の値がつながるか確かめる(5 × 6 = 30 ✓)

例:P が CD 上に進む場合

CD = 6 cm なので 16 ≦ x ≦ 22。P は C から D に向かい、DP = 22 − x。△APD は底辺 AD = 10、高さ DP = 22 − x。 y = (1/2) × 10 × (22 − x) = −5x + 110。x = 16 で 30 ✓、x = 22 で 0(P が D に着いて三角形がつぶれる)✓

よくある間違い


4. 座標平面上の三角形の面積

ここまでできれば十分(の次)

直線 ℓ:y = 2x + 4 と直線 m:y = −x + 7 の交点を A、ℓ と y 軸の交点を B、m と y 軸の交点を C とする。△ABC の面積を求めよ。

y 軸上(または x 軸上)に2頂点があるなら、それを底辺に。高さはもう1つの頂点の x 座標(または y 座標)の絶対値です。

原点と2点の三角形

原点 O と A(1, 6)、B(0, 4) の △OAB → 底辺 OB = 4(y 軸上)、高さ = A の x 座標 1 → 面積 2

面積を2等分する直線(発展)

「原点を通り △ABC の面積を2等分する直線」は、辺 BC の中点を通る直線です(中点で底辺を半分にすれば、高さが共通なので面積も半分)。B(0, 4)、C(0, 7) の中点は (0, 11/2)。原点とこの点を通る直線は…y 軸そのものになってしまうので、この例では別の辺で考えます。一般に「頂点を通って面積を2等分」=「向かい合う辺の中点を通る」と覚えておけば、式は m2-06 の「2点を通る直線」で求まります。


5. 自己チェック

  1. 傾き = 1 あたりの変化量、切片 = はじめの値、と読めたか
  2. ダイヤグラム:x の基準(誰の出発時刻か)を両方の式でそろえたか
  3. 動点:辺ごとに区間を分け、境目で値がつながるか確かめたか
  4. 面積:軸上の 2 点を底辺にし、高さは残る頂点の座標の絶対値にしたか

6. 小テストへ

→ 小テスト(m2-08)

関連する単元

参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から