中3 数学 / 数と式 / m3-02

更新 2026-09-12

因数分解

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

因数分解は計算問題として出題されやすく、二次方程式(m3-06)を解く主要な方法でもあるため、中3の計算で最も使用頻度が高い技術です。出題の 7 割は「x² + (a + b)x + ab 型」(和と積から 2 数を探す)で、残りが平方の公式・2 乗の差・共通因数との組み合わせです。**「まず共通因数、次に公式」**の順番を守ると、複雑に見える式も処理できます。


1. 因数分解とは

まずここだけ

x² + 5x + 6 = (x + 2)(x + 3) のように、多項式をいくつかの因数(かけ算の部品)の積の形に直すことを といいます。展開のちょうど逆です。

   展開  →
(x + 2)(x + 3)  ⇄  x² + 5x + 6
   ←  因数分解

因数分解した結果は、展開して元に戻るかで確かめられます。答えを書いたら、必ず頭の中で展開して確認する習慣をつけてください。


2. 共通因数をくくり出す

まずここだけ

すべての項に共通してかけられている因数()があれば、それを前に出します(分配法則の逆)。

3x + 6 = 3(x + 2) 2x² − 8x = 2x(x − 4) 6ab − 9b² = 3b(2a − 3b) x²y + xy² = xy(x + y)

数の部分は最大公約数、文字の部分は各項に共通な最も低い次数でくくります。2x² − 8x を 2(x² − 4x) で止めると、まだ x が共通因数として残っているので不完全です。

よくある間違い


3. 公式を使う因数分解

まずここだけ

乗法公式を右から左に読みます。

公式(因数分解の向き)見分け方
x² + (a + b)x + ab = (x + a)(x + b)「たして x の係数、かけて定数項」になる 2 数を探す
x² + 2ax + a² = (x + a)²定数項が 2 乗の数で、真ん中が 2 × √定数項
x² − 2ax + a² = (x − a)²同上、真ん中が −
x² − a² = (x + a)(x − a)2 乗の差(x の項がない)

公式①:2 数を探す

x² + 7x + 12:かけて 12、たして 7 → 3 と 4 → (x + 3)(x + 4) x² − 7x + 12:かけて 12、たして −7 → −3 と −4 → (x − 3)(x − 4) x² + x − 12:かけて −12、たして 1 → 4 と −3 → (x + 4)(x − 3) x² − x − 12:かけて −12、たして −1 → −4 と 3 → (x − 4)(x + 3)

探し方の手順

  1. 定数項の積になる 2 数の組を全部書く(12 なら 1×12、2×6、3×4 と、その負の組)
  2. その中で和が x の係数になる組を選ぶ

定数項が正なら 2 数は同符号(和の符号に合わせる)、定数項が負なら異符号(絶対値の大きいほうが和の符号)。この符号の見当をつけると、候補が半分に減ります。

公式②③:平方の形

x² + 10x + 25:25 = 5²、10 = 2 × 5 → (x + 5)² x² − 12x + 36:36 = 6²、12 = 2 × 6 → (x − 6)² x² + 6x + 9:→ (x + 3)²

「定数項が平方数」で「真ん中がその 2 倍」なら②③。真ん中が合わなければ①で探し直します(x² + 10x + 25 は①でも「5 と 5」で同じ結果)。

公式④:2 乗の差

x² − 49 = (x + 7)(x − 7) 4x² − 9 = (2x)² − 3² = (2x + 3)(2x − 3) a² − 16b² = (a + 4b)(a − 4b)

x の項がなく、定数項が負の平方数、が目印です。x² + 49 は因数分解できません(2 乗の「和」は公式にない)。

よくある間違い

ここまでできれば十分

「共通因数 → 公式①〜④」の順で見分けられ、展開して確かめる習慣があれば、この単元の中心は合格です。


4. 組み合わせと置きかえ

ここまでできれば十分(の次)

共通因数をくくってから公式

2x² + 12x + 18 = 2(x² + 6x + 9) = 2(x + 3)² 3x² − 12 = 3(x² − 4) = 3(x + 2)(x − 2) ax² − ax − 6a = a(x² − x − 6) = a(x − 3)(x + 2)

「まず共通因数」を忘れると、中の公式が見えません。x² の係数が 1 でないときは、共通因数を疑ってください。

置きかえ

(x + 1)² − 5(x + 1) + 6 → x + 1 = M とおく → M² − 5M + 6 = (M − 2)(M − 3) = (x + 1 − 2)(x + 1 − 3) = (x − 1)(x − 2) (a + b)² − 9 = (a + b + 3)(a + b − 3) x² − y² + 2x + 1 → 順序を変えて (x² + 2x + 1) − y² = (x + 1)² − y² = (x + 1 + y)(x + 1 − y)

最後の例のように、項の組み合わせを変えて公式の形を作る問題は、上位校の入試で出題されやすい形です。

数の計算への利用

27² − 23² = (27 + 23)(27 − 23) = 50 × 4 = 200 3.5² × 3.14 − 1.5² × 3.14 = 3.14 × (3.5² − 1.5²) = 3.14 × (5 × 2) = 31.4

「工夫して計算」は、共通因数か 2 乗の差です。

もう一歩(発展):式の証明への利用

連続する 2 つの奇数の積に 1 を加えると、4 の倍数になる(実は偶数の 2 乗)

2n − 1、2n + 1 とすると (2n − 1)(2n + 1) + 1 = 4n² − 1 + 1 = 4n² = (2n)²。n は整数なので 4n² は 4 の倍数(かつ偶数 2n の 2 乗)。

因数分解は「〜の倍数である」を示すとき、くくって「k × (整数)」の形を作る道具になります(m2-03 の型)。


5. 自己チェック

  1. まず共通因数を全部くくり出したか
  2. 公式①の 2 数は「かけて定数項・たして x の係数」で、符号も合っているか
  3. 定数項が平方数で真ん中が 2 倍なら②③、x の項がなく 2 乗の差なら④
  4. 答えを展開して元に戻るか確かめたか
  5. これ以上分解できないところまでやったか(2(x² − 4) で止めていないか)

6. 小テストへ

→ 小テスト(m3-02)

関連する単元

参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から