中3 数学 / 図形 / m3-12

更新 2026-09-12

平行線と線分の比・中点連結定理

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

「x の長さを求めよ」の図形小問で、相似の次に出題されやすいのがこの単元です。相似(m3-11)で証明した結果を「公式」として使う位置づけで、図の形(ピラミッド型・砂時計型・平行線 3 本)を見分けて比例式を立てるだけです。中点連結定理は、四角形の中点を結ぶ図形の証明で使います。


1. 三角形と線分の比

まずここだけ

△ABC の辺 AB、AC 上(またはその延長上)に点 D、E があり、DE ∥ BC のとき

AD : AB = AE : AC = DE : BC AD : DB = AE : EC

   ピラミッド型          砂時計型
        A                 D─────E
       / \                 \   /
      D───E                 \ /
     /     \                 A
    B───────C               / \
                           B───C

ピラミッド型(D、E が辺上)でも砂時計型(D、E が延長上・A をはさんで反対側)でも、同じ比が成り立ちます。理由は △ADE ∽ △ABC(m3-11)。

2 つの比の使い分け

DE : BC = AD : DB としてはいけない(DE : BC は AD : AB)。ここが最も多い失点です。

AD = 4、DB = 2、AE = 6 のとき EC は?(DE ∥ BC) AD : DB = AE : EC → 4 : 2 = 6 : EC → EC = 3

AD = 4、DB = 2、DE = 5 のとき BC は? AD : AB = DE : BC → 4 : 6 = 5 : BC → BC = 15/2(AD : DB = 4 : 2 で BC = 5/2 とするのは誤り)

平行線に交わる 2 直線

3 本の平行線 ℓ、m、n に 2 直線が交わるとき、対応する線分の比は等しい:a : b = c : d

  ────●─────────●──── ℓ
      │ a       │ c
  ────●─────────●──── m
      │ b       │ d
  ────●─────────●──── n

(ℓ 上の点から m に平行な線を引くと、ピラミッド型に帰着します)

AD : AB = AE : AC ならば DE ∥ BC(または AD : DB = AE : EC ならば DE ∥ BC)。「平行であることを示せ」の問題では、比が等しいことを計算で示します。

よくある間違い

ここまでできれば十分

2 つの比を使い分けて長さが求められれば、この単元の基本は合格です。


2. 中点連結定理

まずここだけ

△ABC の辺 AB、AC の中点をそれぞれ M、N とすると

MN ∥ BC、MN = (1/2) BC

これを といいます。AM : AB = 1 : 2 なので、上の線分の比の特別な場合(DE : BC = AD : AB = 1 : 2)です。

使いどころ

四角形の中点を結ぶ:四角形 ABCD の各辺の中点を順に結ぶと、平行四辺形になる。 (対角線 AC を引くと、△ABC で中点連結定理より 上の辺 ∥ AC、△ACD でも 下の辺 ∥ AC。よって 1 組の対辺が平行で長さが等しい(どちらも AC の半分)→ 平行四辺形)

もとの四角形が

台形の中点:台形 ABCD(AD ∥ BC)の脚の中点 M、N を結ぶと MN ∥ AD ∥ BC、MN = (AD + BC)/2(対角線を引いて 2 つの三角形に分け、それぞれで中点連結定理)。

よくある間違い


3. 角の二等分線と線分の比

ここまでできれば十分(の次)

△ABC の ∠A の二等分線と辺 BC の交点を D とすると

BD : DC = AB : AC

理由:C を通り AD に平行な直線と BA の延長の交点を E とすると、錯角・同位角から △ACE が二等辺三角形(AE = AC)になり、AD ∥ EC で BD : DC = BA : AE = AB : AC。

AB = 6、AC = 4、BC = 5 のとき BD は? BD : DC = 6 : 4 = 3 : 2 → BD = 5 × 3/5 = 3

「角の二等分線」と書かれたら、向かい合う辺を、隣の 2 辺の比に分けると読みます。教科書では発展扱いですが、入試ではよく使います。


4. 入試の定番図

もう一歩(発展)

平行四辺形の中の相似(砂時計):▱ABCD の辺 BC 上の点 E と A を結び、AE と対角線 BD の交点を F とすると、△ABF ∽ △EDF…ではなく △AFD ∽ △EFB(AD ∥ BC の錯角)。AF : EF = AD : EB。

台形の対角線の交点:台形 ABCD(AD ∥ BC)の対角線の交点 O について、△AOD ∽ △COB(砂時計型)。AO : CO = DO : BO = AD : BC。

比を「線分の長さ」に直す:「AF : FE = 3 : 2 で AE = 10」なら AF = 10 × 3/5 = 6。比の合計で全体を割るのが基本操作です。

2 段階の比:1 つ目の相似で AF : FE、2 つ目の相似で AG : GE を出し、それぞれを全体 AE に対する割合に直してから引き算する(FG = AE × (割合の差))。上位校で出る形で、同じ線分を基準にそろえるのがコツです。


5. 自己チェック

  1. DE : BC は AD : AB(全体)。AD : DB は AE : EC(部分どうし)
  2. 砂時計型でも同じ比。対応する点を取り違えていないか
  3. 中点連結定理は「中点」のとき。長さは半分
  4. 角の二等分線:BD : DC = AB : AC
  5. 比から長さに直すとき、比の合計で全体を割った

6. 小テストへ

→ 小テスト(m3-12)

関連する単元

参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から