中1 理科 / 化学 / s1-04
物質の性質・密度
この単元でできるようになること
- 有機物と無機物、金属と非金属の見分け方(性質)が言える
- 密度 = 質量 ÷ 体積 で、3 つのうち 2 つから残りを求められる
- 密度の表から物質を特定できる
- 密度と「浮く・沈む」の関係(液体より密度が小さいと浮く)がわかる
- メスシリンダーの読み方(水面の平らなところを 1 目盛りの 1/10 まで)と、体積の測り方がわかる
入試での位置づけ
密度は中 1 化学の最初の計算で、公立入試では**「表から物質を選ぶ」「グラフ(質量 − 体積)の傾き = 密度」「水に浮くか沈むか」**の形で出ます。計算そのものは割り算 1 回ですが、**単位(g/cm³)と有効数字(小数第 2 位まで、など)**の指定を守ることで差がつきます。
1. 物質の性質で分ける
まずここだけ
有機物と無機物
| 有機物 | 無機物 | |
|---|---|---|
| 燃やすと | 炭(炭素)が残る・二酸化炭素と水が出る | 出ない |
| 例 | 砂糖、木、紙、プラスチック、ろう、デンプン | 食塩、鉄、ガラス、水、石灰石 |
| 共通点 | 炭素をふくむ |
二酸化炭素そのものは炭素をふくむが、慣習的に無機物に分類する(暗記)。
金属の共通の性質(この 3 つ+2 つ)
- みがくと光る(金属光沢)
- 電気をよく通す
- 熱をよく伝える
- たたくとのびる・広がる(延性・展性)
- 引っぱるとのびる
磁石につくのは鉄などの一部だけで、金属共通の性質ではない(アルミニウム・銅はつかない)。ここが定番のひっかけ。
実験器具
- ガスバーナー:下がガス調節ねじ、上が空気調節ねじ。火をつけるときは「ガス → 空気」の順に開く。炎が赤いときは空気が足りない → 空気調節ねじを開く(青い炎に)
- メスシリンダー:水平な台に置き、目の高さを液面に合わせ、液面の**平らなところ(くぼんだ底)**を読む。1 目盛りの 1/10 まで読む(目盛りが 1 cm³ なら 0.1 cm³ まで)
2. 密度
まずここだけ
密度 [g/cm³] = 質量 [g] ÷ 体積 [cm³]
「1 cm³ あたりの質量」。同じ物質なら大きさに関係なく密度は同じ(物質を区別する手がかり)。
| 求めるもの | 式 |
|---|---|
| 密度 | 質量 ÷ 体積 |
| 質量 | 密度 × 体積 |
| 体積 | 質量 ÷ 密度 |
質量 27.0 g、体積 10.0 cm³ → 密度 27.0 ÷ 10.0 = 2.70 g/cm³(アルミニウム) 密度 7.87 g/cm³ の鉄 20 cm³ の質量 → 7.87 × 20 = 157.4 g 密度 8.96 g/cm³ の銅 44.8 g の体積 → 44.8 ÷ 8.96 = 5.0 cm³
主な物質の密度(g/cm³、およその値)
| 物質 | 密度 | 物質 | 密度 |
|---|---|---|---|
| 水(4 ℃) | 1.00 | 鉄 | 7.87 |
| 氷 | 0.92 | 銅 | 8.96 |
| エタノール | 0.79 | 銀 | 10.5 |
| アルミニウム | 2.70 | 金 | 19.3 |
| 食塩 | 2.17 | 水銀 | 13.5 |
入試では表が与えられるので暗記は不要。水が 1.00 であることだけ覚える。
単位の変換
1 mL = 1 cm³、1 L = 1000 cm³。g/cm³ = g/mL。kg/m³ に直すと 1000 倍(水は 1000 kg/m³)。
3. 表・グラフの問題
ここまでできれば十分
表から物質を特定:測った質量と体積から密度を計算し、表の値と比べる。
質量 53.8 g、体積 20.0 cm³ の物質:53.8 ÷ 20.0 = 2.69 ≒ 2.70 → アルミニウム
質量 − 体積のグラフ:横軸 体積、縦軸 質量なら、グラフの傾き = 密度。原点を通る直線になり、傾きが急なほど密度が大きい。同じ物質の点は同じ直線上に並ぶ。
浮く・沈む:液体より密度が小さい物質は浮き、大きい物質は沈む。
氷(0.92)は水(1.00)に浮き、エタノール(0.79)には沈む アルミニウム(2.70)は水銀(13.5)に浮く
4. 体積の測り方
ここまでできれば十分
固体の体積:メスシリンダーに水を入れて液面を読み、物体を沈めて再び読む。増えた分が体積。
50.0 cm³ → 物体を入れて 57.2 cm³ → 体積 7.2 cm³
質量:電子てんびん、または上皿てんびん(つり合わせる。分銅は重いものから)。
有効数字・四捨五入:「小数第 2 位まで」なら第 3 位を四捨五入。27 ÷ 10 = 2.7 は「2.70」と書く指示に従う。
5. よくある間違い
- 密度を「体積 ÷ 質量」にする → 質量 ÷ 体積(g が上)
- 「磁石につく」を金属共通の性質と答える
- 二酸化炭素を有機物と答える
- メスシリンダーの液面の盛り上がった端を読む → 平らなところ
- 体積の単位 mL と cm³ が同じことを知らない
6. 自己チェック
- 有機物 = 炭素をふくみ、燃えると炭・二酸化炭素。CO₂ 自体は無機物
- 金属共通:光沢・電気・熱・延性展性。磁石は共通ではない
- 密度 = 質量 ÷ 体積、質量 = 密度 × 体積
- グラフの傾き = 密度。急なほど大きい
- 液体より密度が小さいと浮く
7. 小テストへ
→ 小テスト(s1-04)
関連する単元
- 前提:小学理科「ものの重さ」
- 次に進む:s1-05 気体・水溶液と濃度
- ここで使う考え方が出てくる:s1-03 浮力、s1-06 状態変化(体積が変わっても質量は変わらない)
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編』── 第 1 分野「(2) 身の回りの物質 ア(ア) 物質のすがた」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/koko/science/s1-04/ / 更新 2026-09-12