中1 理科 / 化学 / s1-05
気体の性質・水溶液と濃度・溶解度
この単元でできるようになること
- 酸素・二酸化炭素・水素・アンモニア・窒素の発生方法・集め方・性質が言える
- 水溶液の 3 つの特徴(透明・濃さが均一・時間がたっても沈まない)と、溶質・溶媒・溶液の区別がわかる
- 質量パーセント濃度 [%] = 溶質 ÷ 溶液 × 100 が計算できる(「溶液 = 溶質 + 溶媒」を忘れない)
- 溶解度と飽和水溶液、溶解度曲線の読み取り、温度を下げて出てくる結晶の量(再結晶)が計算できる
入試での位置づけ
質量パーセント濃度と溶解度曲線からの再結晶量が計算問題の二本柱。気体は「集め方の選択理由」(水に溶けにくい → 水上置換、空気より重い → 下方置換)が記述で問われます。
1. 気体の性質
まずここだけ
| 気体 | 発生方法 | 集め方 | 性質 |
|---|---|---|---|
| 酸素 | 二酸化マンガン + うすい過酸化水素水(オキシドール) | 水上置換 | ものを燃やす(助燃性)。自身は燃えない。無色無臭 |
| 二酸化炭素 | 石灰石(貝がら)+ うすい塩酸 | 水上・下方置換 | 石灰水を白くにごらせる。水に少し溶け酸性。空気より重い |
| 水素 | 亜鉛(鉄・マグネシウム)+ うすい塩酸 | 水上置換 | 最も軽い。燃えて水になる(爆発音) |
| アンモニア | 塩化アンモニウム + 水酸化カルシウム(加熱) | 上方置換 | 水によく溶けアルカリ性。刺激臭。空気より軽い |
| 窒素 | ── | ── | 空気の約 78%。燃えない・助燃性なし |
集め方の選び方:
- 水に溶けにくい → 水上置換(純粋な気体が集まる。酸素・水素・窒素・二酸化炭素)
- 水に溶けやすく 空気より重い → 下方置換(二酸化炭素・塩化水素)
- 水に溶けやすく 空気より軽い → 上方置換(アンモニア)
2. 水溶液
まずここだけ
溶質(溶けている物質)を溶媒(溶かす液体。水なら水溶液)に溶かしたものが溶液。
溶液の質量 = 溶質 + 溶媒
水溶液の特徴:透明(色がついていてもよい)、濃さはどこも同じ、時間がたっても沈まない。 溶質の粒子が全体に均一に散らばっている(ろ紙を通り抜ける)。
3. 質量パーセント濃度
まずここだけ
質量パーセント濃度 [%] = 溶質の質量 [g] ÷ 溶液の質量 [g] × 100
水 80 g に食塩 20 g を溶かす → 溶液 100 g → 20 ÷ 100 × 100 = 20% 水 180 g に砂糖 20 g → 溶液 200 g → 20 ÷ 200 × 100 = 10%(180 で割らない!)
逆算:
- 10% の食塩水 150 g に含まれる食塩 = 150 × 0.1 = 15 g、水 = 135 g
- 20 g の食塩で 8% の食塩水をつくる → 溶液 = 20 ÷ 0.08 = 250 g → 水 = 230 g
ここまでできれば十分
うすめる・加える:溶質は変わらないものを追いかける。
10% の食塩水 200 g(食塩 20 g)に水 50 g を加える → 20 ÷ 250 × 100 = 8% 10% の食塩水 200 g に食塩 25 g を加える → 45 ÷ 225 × 100 = 20%
混ぜる:溶質どうし・溶液どうしを足してから計算。
10% 100 g(食塩 10 g)+ 20% 300 g(60 g)→ 70 ÷ 400 × 100 = 17.5%
4. 溶解度と再結晶
まずここだけ
溶解度:水 100 g に溶ける物質の最大の質量 [g](温度で決まる)。限界まで溶けた水溶液が飽和水溶液。
溶解度曲線:横軸「温度」、縦軸「溶解度」。
- 硝酸カリウム・ミョウバン:温度が上がると大きく増える → 冷やすと結晶が多く出る
- 食塩(塩化ナトリウム):温度でほとんど変わらない → 冷やしても出てこない。水を蒸発させて取り出す
再結晶:一度溶かしてから冷やす(または蒸発)で、純粋な結晶を取り出す方法。
ここまでできれば十分
出てくる結晶の量(水 100 g のとき)= 高温の溶解度 − 低温の溶解度
硝酸カリウムの溶解度:60℃ で 110 g、20℃ で 32 g。60℃ の飽和水溶液(水 100 g)を 20℃ に冷やす → 110 − 32 = 78 g の結晶
水が 100 g でないとき:溶解度を水の量に合わせて比例計算。
水 50 g なら出る量も半分 → 39 g 水 200 g なら 2 倍 → 156 g
飽和水溶液の濃度:溶解度 S のとき、濃度 = S ÷ (100 + S) × 100。
20℃ の硝酸カリウム(32 g):32 ÷ 132 × 100 ≒ 24.2%(100 で割らない)
「この温度で溶け残るか」:溶かす量 > 溶解度 × 水/100 なら溶け残る。
5. 計算の型
ここまでできれば十分
型 1(濃度):水 120 g に食塩 30 g → 30 ÷ 150 × 100 = 20% 型 2(溶質の量):5% の食塩水 300 g の食塩 = 300 × 0.05 = 15 g 型 3(水の量):15 g で 6% → 溶液 250 g → 水 235 g 型 4(再結晶):水 150 g、60℃ → 20℃、溶解度 110 → 32:(110 − 32) × 1.5 = 117 g
6. よくある間違い
- 濃度で水の質量で割る(溶液 = 溶質 + 溶媒 で割る)
- 溶解度を「水溶液 100 g」と読む(水 100 g)
- 食塩を冷やして結晶を取り出そうとする(蒸発させる)
- 上方置換と下方置換をひっくり返す(重い気体は下にたまる → 下方)
- アンモニアを水上置換で集める(水に溶けるので不可)
7. 自己チェック
- 酸素:二酸化マンガン + 過酸化水素水、水上置換、助燃性
- 二酸化炭素:石灰石 + 塩酸、下方(水上)置換、石灰水を白く
- 濃度 = 溶質 ÷ 溶液 × 100
- 溶解度は水 100 g あたり。飽和水溶液
- 出る結晶 = (高温の溶解度 − 低温の溶解度) × 水/100
8. 小テストへ
→ 小テスト(s1-05)
関連する単元
- 前提:s1-04 物質の性質・密度
- 次に進む:s1-06 状態変化・蒸留
- ここで使う考え方が出てくる:s3-03 水溶液とイオン、s3-04 中和
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編』── 第 1 分野「(2) 身の回りの物質 ア(イ) 気体の発生と性質 ア(ウ) 水溶液」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/koko/science/s1-05/ / 更新 2026-09-12