中2 理科 / 生物 / s2-08
血液の循環・排出・感覚と神経・運動
この単元でできるようになること
- 肺のつくり(肺胞・表面積)と、呼吸でのガス交換を説明できる
- 心臓の 4 つの部屋、肺循環と体循環、動脈血・静脈血、動脈・静脈・毛細血管のちがいを言える
- 血液の成分(赤血球・白血球・血小板・血しょう)と組織液のはたらきがわかる
- 肝臓(アンモニア → 尿素)と腎臓(尿素をこしとる)の排出の流れが言える
- 感覚器官(目・耳)のつくり、神経系(中枢・末しょう、感覚神経・運動神経)と反射の経路がわかる
- 骨と筋肉(けん・関節・対になる筋肉)で腕が曲がるしくみを説明できる
入試での位置づけ
心臓と血管の図(酸素の多い血液が流れる血管は? 肺動脈は静脈血!)と、刺激から反応までの経路(意識して反応 vs 反射、反応時間の計算)が最頻出。血液成分のはたらき・腎臓と肝臓の役割も定番です。
1. 呼吸(肺)
まずここだけ
- 気管 → 気管支 → 肺胞(小さな袋がたくさん → 表面積が大きくガス交換が効率的)
- 肺胞のまわりの毛細血管で、酸素を血液に取り込み、二酸化炭素を出す
- 肺には筋肉がない。横隔膜が下がりろっ骨が上がると胸の空間が広がり空気が入る
- 細胞の呼吸(細胞呼吸):細胞が酸素で養分を分解してエネルギーをとり出す。CO₂ と水ができる
2. 血液の循環
まずここだけ
心臓:右心房・右心室・左心房・左心室の 4 つ(図では左右が逆に見える)。心房で受け、心室で送り出す。左心室の壁が最も厚い(全身へ送る)。
| 循環 | 経路 |
|---|---|
| 肺循環 | 右心室 → 肺動脈 → 肺 → 肺静脈 → 左心房 |
| 体循環 | 左心室 → 大動脈 → 全身 → 大静脈 → 右心房 |
| 動脈 | 静脈 | |
|---|---|---|
| 血液の向き | 心臓から出る | 心臓へ戻る |
| 壁 | 厚い・弾力 | うすい・弁がある(逆流防止) |
| 動脈血 | 静脈血 | |
|---|---|---|
| 酸素 | 多い(あざやかな赤) | 少ない(暗い赤) |
| 流れる血管 | 肺静脈・大動脈 | 肺動脈・大静脈 |
⚠️ 肺動脈には静脈血、肺静脈には動脈血が流れる(名前は「心臓から出るか戻るか」、血の種類は「酸素の量」)。
毛細血管:動脈と静脈をつなぐ細い血管。壁がうすく、物質のやりとりをする。
血液の成分
| 成分 | はたらき |
|---|---|
| 赤血球 | ヘモグロビンで酸素を運ぶ(酸素が多いところで結びつき、少ないところで離す) |
| 白血球 | 細菌など異物を食べる(免疫) |
| 血小板 | 血液を固める(止血) |
| 血しょう | 液体。養分・二酸化炭素・不要物を溶かして運ぶ。毛細血管からしみ出て組織液になり、細胞との物質のやりとりをする |
養分の多い血液:小腸を通ったあと(肝臓へ向かう血管)。尿素が少ない血液:腎臓を通ったあと。
3. 排出
まずここだけ
- 細胞でタンパク質(アミノ酸)を分解すると有害なアンモニアができる
- 肝臓でアンモニアを害の少ない尿素に変える(肝臓はほかに:養分の貯蔵(グリコーゲン)・胆汁をつくる・解毒)
- 腎臓で血液から尿素などをこしとり、尿をつくる → 輸尿管 → ぼうこう → 排出
- 汗(汗腺)からも少し
4. 感覚と神経
ここまでできれば十分
感覚器官:目(光)・耳(音)・鼻(におい)・舌(味)・皮膚(温度・圧力・痛み)。**刺激を受け取る細胞(感覚細胞)**がある。
目:角膜 → 瞳(ひとみ)→ 水晶体(レンズ)→ 網膜(像・感覚細胞)→ 視神経。虹彩が瞳の大きさを変えて光の量を調節(明るいと小さく)。 耳:鼓膜(振動)→ 耳小骨 → うずまき管(感覚細胞)→ 聴神経。半規管は体の傾き・回転。
神経系:
- 中枢神経:脳・脊髄(判断・命令)
- 末しょう神経:感覚神経(感覚器官 → 中枢)、運動神経(中枢 → 筋肉)
意識して起こす反応:刺激 → 感覚器官 → 感覚神経 → 脊髄 → 脳 → 脊髄 → 運動神経 → 筋肉 反射(意識と無関係・速い):刺激 → 感覚器官 → 感覚神経 → 脊髄 → 運動神経 → 筋肉(脳を通らない。熱いものに触れて手を引く、ひとみの大きさ、だ液、ひざの下をたたく)。信号はあとから脳へも届くので「熱い」と感じる。
反応時間の実験:10 人が手をつなぎ、握られたら次の人を握る。最初の人が握るのと同時にストップウォッチを押し、最後の人が握られた瞬間に止めて 2.7 秒 → 「握られてから握るまで」の反応は最初の人を除く 9 人分 → 2.7 ÷ 9 = 0.3 秒。(最後の人が握られてからストップウォッチを止める設定なら 10 人分で割る。問題文の設定をよく読む)
5. 運動のしくみ
ここまでできれば十分
- 骨格:体を支え、内臓を守る。骨と骨のつなぎ目が関節。
- 筋肉はけんで骨についている。関節をまたいでついている。
- 筋肉は縮むことしかできないので、2 つの筋肉が対になって動かす。
- 腕を曲げる:内側の筋肉が縮み、外側の筋肉がゆるむ。伸ばすときは逆。
6. よくある間違い
- 肺動脈に動脈血(静脈血)/肺静脈に静脈血(動脈血)
- 心臓の図で左右を取り違える(図の右側が体の左側)
- 尿素をつくる臓器を腎臓にする(肝臓がつくり、腎臓がこしとる)
- 反射の経路に脳を入れる(脊髄で折り返す)
- 反応時間の計算で人数の数え方を間違える(握られてから握るまでを 1 人分と数える)
- 筋肉が「伸びて」動かすと書く(縮むだけ。対の筋肉がゆるむ)
7. 自己チェック
- 肺胞で表面積大。横隔膜・ろっ骨で呼吸運動
- 右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房/左心室→大動脈→全身→大静脈→右心房。肺動脈は静脈血
- 赤血球(ヘモグロビン・O₂)、白血球(免疫)、血小板(止血)、血しょう→組織液
- 肝臓:アンモニア→尿素。腎臓:こしとって尿
- 反射は脊髄で折り返す。目:水晶体→網膜、虹彩が光量調節。耳:鼓膜→耳小骨→うずまき管
- 筋肉は縮むだけ・対・けんで骨に
8. 小テストへ
→ 小テスト(s2-08)
関連する単元
- 前提:s2-07 消化と吸収(養分の吸収先)
- 次に進む:s2-09 気象
- ここで使う考え方が出てくる:s1-01 光(目=凸レンズ)、s1-02 音(鼓膜)、s3-05 生殖
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編』── 第 2 分野「(3) 生物の体のつくりと働き ア(ウ) 動物の体のつくりと働き(呼吸・血液の循環・排出・感覚と運動)」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/koko/science/s2-08/ / 更新 2026-09-12