数学A 数学 / 数学と人間の活動 / ha-08
整数の性質 ② ── n 進法・合同式の考え方
この単元でできるようになること
- 2 進法・5 進法などの数を 10 進法に直せる
- 10 進法の数を n 進法に直せる(割り算のくり返し)
- n 進法の小数を 10 進法に直せる
- n 進法どうしの足し算・かけ算の考え方がわかる
- 合同式 a ≡ b (mod m) を使って、大きな数の余りやけたを求められる
入試での位置づけ
n 進法は共通テスト数学A「数学と人間の活動」で一次不定方程式と並ぶ定番です。「2 進法で表すと 5 けたになる数の個数」「n 進法で表した数の条件から n を決める」といった問題が典型。合同式は教科書では発展扱いですが、「7¹⁰⁰ を 5 で割った余り」のような問題で使うと速く、私立大の小問で出ます。
1. n 進法とは
まずここだけ
ふだん使う 10 進法は、10 集まると位が上がる。n 進法は n 集まると位が上がる。
n 進法の数 abc₍ₙ₎ = a × n² + b × n + c(右から n⁰、n¹、n²…の位)
2 進法の 1011₍₂₎ = 1×2³ + 0×2² + 1×2 + 1 = 8 + 2 + 1 = 11 5 進法の 243₍₅₎ = 2×25 + 4×5 + 3 = 73 3 進法の 2102₍₃₎ = 2×27 + 1×9 + 0×3 + 2 = 65
n 進法で使う数字は 0〜n − 1(2 進法は 0 と 1 だけ、5 進法は 0〜4)。
2. 10 進法 → n 進法
まずここだけ
n で割って余りを書き、商をまた n で割る。商が 0 になるまでくり返し、余りを下から順に読む。
13 を 2 進法に: 13 ÷ 2 = 6 余り 1 6 ÷ 2 = 3 余り 0 3 ÷ 2 = 1 余り 1 1 ÷ 2 = 0 余り 1 下から読んで 1101₍₂₎
73 を 5 進法に:73 ÷ 5 = 14 余り 3、14 ÷ 5 = 2 余り 4、2 ÷ 5 = 0 余り 2 → 243₍₅₎
検算:直した数を 10 進法に戻す。
けた数の問題
n 進法で k けたの数 ⇔ nᵏ⁻¹ ≦ N < nᵏ
2 進法で 5 けた:2⁴ = 16 ≦ N < 2⁵ = 32 → 16〜31 の 16 個 3 進法で 4 けたの最大の数:3⁴ − 1 = 80 = 2222₍₃₎
3. n 進法の小数
ここまでできれば十分
小数点以下は n⁻¹、n⁻²、…の位。
0.101₍₂₎ = 1×(1/2) + 0×(1/4) + 1×(1/8) = 1/2 + 1/8 = 5/8 = 0.625 0.12₍₃₎ = 1/3 + 2/9 = 5/9
10 進法の小数 → n 進法:小数部分に n をかけ、整数部分を上から順に読む。
0.625 を 2 進法に:0.625 × 2 = 1.25 → 0.25 × 2 = 0.5 → 0.5 × 2 = 1.0 → 0.101₍₂₎
4. n 進法の計算
ここまでできれば十分
方法 1:10 進法に直して計算し、n 進法に戻す(確実)。 方法 2:そのまま筆算(n で繰り上がる)。
101₍₂₎ + 11₍₂₎:5 + 3 = 8 = 1000₍₂₎ 筆算:1 + 1 = 2 = 10₍₂₎ なので 0 を書いて 1 繰り上がる、と進める
23₍₅₎ × 3₍₅₎:13 × 3 = 39 = 1×25 + 2×5 + 4 = 124₍₅₎
n を決める問題
「ある数を 5 進法で表すと 3 けたの 2ab、7 進法で表すと ba2 になる」→ 25×2 + 5a + b = 49b + 7a + 2 の形で連立して整数解を探す。各数字は n 未満という条件を忘れない。
5. 合同式の考え方
ここまでできれば十分
a ≡ b (mod m):a と b を m で割った余りが等しい(a − b が m の倍数)。
17 ≡ 2 (mod 5)、100 ≡ 1 (mod 9)
性質(a ≡ b、c ≡ d (mod m) のとき):
- a + c ≡ b + d
- a − c ≡ b − d
- ac ≡ bd
- aⁿ ≡ bⁿ
割り算は使えない(両辺を同じ数で割れるのは、その数が m と互いに素のときだけ)。
大きな数の余り
7¹⁰⁰ を 5 で割った余り 7 ≡ 2 (mod 5)。2² = 4 ≡ −1 (mod 5)。よって 2¹⁰⁰ = (2²)⁵⁰ ≡ (−1)⁵⁰ = 1 → 余り 1
3⁵⁰ の一の位(mod 10) 3¹ = 3、3² = 9、3³ = 27 ≡ 7、3⁴ = 81 ≡ 1 (mod 10)。周期 4。50 = 4×12 + 2 → 3⁵⁰ ≡ 3² = 9 → 一の位 9
コツ:≡ 1 や ≡ −1 になる小さいべきを探す。または周期を見つける。
6. 自己チェック
- n 進法 → 10 進法は「各けた × n のべき」
- 10 進法 → n 進法は「n で割って余りを下から」。検算で戻す
- k けたの条件 nᵏ⁻¹ ≦ N < nᵏ
- 小数は n⁻¹、n⁻² の位
- 合同式で割り算をしていないか。周期か ±1 を探したか
7. 小テストへ
→ 小テスト(ha-08)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編 理数編』── 数学A「(3) 数学と人間の活動 ア(ア) 数量や図形と人間の活動(記数法)」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/daigaku/math/ha-08/ / 更新 2026-09-12