中1 数学 / 図形 / m1-14

更新 2026-09-12

図形の移動 ── 平行移動・回転移動・対称移動

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

移動そのものの出題は多くありませんが、中2の合同・中3の相似で「どう動かせば重なるか」を考える下地になります。また「回転の中心を作図せよ」「対称の軸を作図せよ」は、前の単元の作図(垂直二等分線)の応用として出題されることがあります。「対応する点を結ぶ線分の垂直二等分線が対称の軸」という言い換えを押さえておきます。


1. 移動とは

まずここだけ

図形を、形や大きさを変えずに位置だけ変えることを図形の といいます。移動の前後で、

つまり、移動しても図形は「ぴったり重なる」(合同、中2で扱う言葉)ままです。

移動には3種類あります:平行移動・回転移動・対称移動


2. 平行移動

まずここだけ

図形を、一定の方向に一定の長さだけずらす移動を といいます。

   A′──────B′
   /       /
  A ─────B          △ABC を右上に平行移動 → △A′B′C′
   \      \
    C ─────C′

性質

「点 A を点 A′ に移す平行移動」は、AA′ の向きと長さで決まります。他の点も同じ向き・同じ長さだけ動かせば作図できます。

方眼の上で、点 A(1, 2) を A′(4, 4) に移す平行移動は「右へ 3、上へ 2」。同じ移動で B(3, 1) は B′(6, 3) に移ります。


3. 回転移動

まずここだけ

図形を、1つの点を中心として一定の角度だけ回す移動を といい、中心の点を 回転の中心 といいます。

        B′
       /|
      / |
     A′─C′      △ABC を点 O のまわりに 90° 回転
   O・
      \
       A──B
       |/
       C

性質

点対称移動(180° の回転)

回転の角度が 180° のときを特に といいます。このとき、対応する点を結ぶ線分は回転の中心を通り、中心でちょうど2等分されます(O は AA′ の中点)。

回転の中心を求める(作図)

回転の中心 O は「OA = OA′ かつ OB = OB′」を満たす点なので、AA′ の垂直二等分線と BB′ の垂直二等分線の交点です(垂直二等分線上の点は2点から等距離、という m1-13 の性質そのものです)。

よくある間違い


4. 対称移動

まずここだけ

図形を、1つの直線を折り目として折り返す移動を といい、折り目の直線を 対称の軸 といいます。

      A         A′
     /|         |\
    / |    ℓ    | \
   B──C    |    C′──B′    △ABC を直線 ℓ で対称移動

性質

対称の軸を求める(作図)

対応する点を1組見つけて、その線分の垂直二等分線を引けば、それが対称の軸です。

対称移動は「裏返し」

平行移動と回転移動は、図形を紙の上で滑らせるだけで重ねられます(裏返さない)。対称移動は裏返す移動です。そのため、A → B → C の回り方(時計回りか反時計回りか)が、対称移動ではになります。「向きが逆になっていたら対称移動が入っている」と見分けられます。

よくある間違い

ここまでできれば十分

3つの移動の「対応する点の性質」(平行移動:結ぶ線分が平行で等しい/回転:中心から等距離・角が等しい/対称:結ぶ線分が軸に垂直で2等分)が言えれば十分です。


5. 移動の組み合わせと見分け方

もう一歩(発展)

見分けるポイント移動
対応する辺がすべて平行平行移動
図形の向き(回り方)が同じで、辺が平行でない回転移動
図形の向き(回り方)が逆対称移動(または対称+別の移動)

2回の移動

「対称移動を2回すると裏返しが元に戻る」ので、結果は平行移動か回転移動になります。入試ではこの性質を「図形 A を図形 C に重ねるには、どの移動をどの順に行えばよいか」の形で問うことがあります。

例:正方形の分割

正方形を対角線と中線で8つの直角二等辺三角形に分けた図で、「△① を △⑤ に重ねる移動」を答える問題。

回り方が同じなら回転、逆なら対称、と確かめると間違えません。


6. 自己チェック

  1. 移動の前後で変わらないもの(長さ・角)と変わるもの(位置・向き)を区別できたか
  2. 回転の中心は「対応する点を結ぶ線分の垂直二等分線の交点」で求めたか
  3. 対称の軸は「対応する点を結ぶ線分の垂直二等分線」で求めたか
  4. 図形の回り方(時計回りか)を見て、対称移動かどうかを判断したか

7. 小テストへ

→ 小テスト(m1-14)

関連する単元

参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から