中1 数学 / 図形 / m1-17
立体の表面積と体積
この単元でできるようになること
- 角柱・円柱の体積を「底面積 × 高さ」で求められる
- 角錐・円錐の体積を「底面積 × 高さ × 1/3」で求められる
- 展開図をもとに、角柱・円柱・円錐の表面積を求められる
- 球の表面積・体積の公式を使える
- 複合した立体(くり抜き・組み合わせ)の体積を、分けて・引いて求められる
入試での位置づけ
体積・表面積は、小問でも大問(三平方の定理や相似と組み合わせた立体の問題)でも出題されやすい項目です。特に 円錐の表面積(側面のおうぎ形の扱い)と 錐の体積の 1/3 は失点が多いところです。公式は少ないので、「どこに 1/3 をつけるか」「表面積はどの面を数えるか」を確実にします。
1. 角柱・円柱の体積
まずここだけ
角柱・円柱の体積 V は、底面積 S に高さ h をかけるだけです。
V = Sh
「底面の形を、高さの分だけ積み上げた」と考えると、底面積 × 高さ になる理由が見えます(m1-16 の「面を動かしてできる立体」)。
例
- 底面が 1辺 4 cm の正方形、高さ 7 cm の四角柱:S = 16、V = 16 × 7 = 112 cm³
- 底面が底辺 6 cm・高さ 4 cm の三角形、高さ 10 cm の三角柱:S = 6 × 4 ÷ 2 = 12、V = 120 cm³
- 底面の半径 3 cm、高さ 5 cm の円柱:S = 9π、V = 9π × 5 = 45π cm³
よくある間違い
- 三角柱の底面積で ÷ 2 を忘れる → 三角形の面積は 底辺 × 高さ ÷ 2
- 「高さ」を側面の斜めの長さにする → 高さは底面に垂直な長さ
- 円柱の体積を 2πr × h とする → 底面積は πr²
2. 角錐・円錐の体積
まずここだけ
角錐・円錐の体積は、同じ底面・同じ高さの柱の 1/3 です。
V = (1/3) Sh
三角錐の容器に水を入れて、同じ底面・高さの三角柱の容器に移すと、ちょうど 3 杯分で満たされます(教科書の実験)。中学の範囲では、この事実を公式として使います。
例
- 底面が 1辺 6 cm の正方形、高さ 5 cm の四角錐:V = (1/3) × 36 × 5 = 60 cm³
- 底面の半径 3 cm、高さ 4 cm の円錐:V = (1/3) × 9π × 4 = 12π cm³
- 底面が底辺 8 cm・高さ 3 cm の三角形、高さ 6 cm の三角錐:S = 12、V = (1/3) × 12 × 6 = 24 cm³
よくある間違い
- 1/3 を忘れる → 錐(とがっている)は 1/3。柱には 1/3 はつかない
- 円錐の高さと母線を混同する → 体積に使うのは高さ(頂点から底面に垂直に下ろした長さ)。母線は表面積で使う
- 1/3 を底面積だけにかけて高さにかけ忘れる → 全体に 1/3
ここまでできれば十分
「柱は Sh、錐は (1/3)Sh」で、底面積を正しく出せれば、体積の基本は合格です。
3. 表面積 ── 展開図で数える
まずここだけ
は、立体のすべての面の面積の合計です。展開図を思い浮かべて、面を1つずつ足します。
- 側面積:側面全部の面積
- 底面積:底面 1 つの面積
- 表面積 = 側面積 + 底面積 × (底面の数)(柱は底面 2 つ、錐は 1 つ)
角柱の表面積
底面が 3 cm・4 cm・5 cm の直角三角形、高さ 6 cm の三角柱。
- 底面積:3 × 4 ÷ 2 = 6。2 つで 12
- 側面:展開すると横が底面の周(3 + 4 + 5 = 12)、縦が高さ 6 の長方形。12 × 6 = 72
- 表面積:72 + 12 = 84 cm²
角柱の側面は、「底面の周の長さ × 高さ」の1枚の長方形と考えると、面を1枚ずつ数えなくて済みます。
円柱の表面積
底面の半径 3 cm、高さ 5 cm の円柱。
- 底面積:9π。2 つで 18π
- 側面:横が円周 2π × 3 = 6π、縦が 5 の長方形。6π × 5 = 30π
- 表面積:30π + 18π = 48π cm²
円柱の側面の長方形の横は「直径」でなく円周です。ここが最も多い失点です。
円錐の表面積
底面の半径 3 cm、母線 5 cm の円錐。
- 底面積:9π
- 側面:おうぎ形。半径は母線 5。弧の長さは底面の円周 6π
- 中心角の割合 = 弧 ÷ 半径 5 の円の円周 = 6π ÷ 10π = 3/5
- 側面積 = π × 5² × 3/5 = 15π
- (または m1-15 の S = (1/2)ℓr を使って (1/2) × 6π × 5 = 15π)
- 表面積:15π + 9π = 24π cm²
円錐の側面積の近道:S = (1/2) × (底面の円周) × (母線) = (1/2) × 2πr × R = πrR。半径 3・母線 5 なら π × 3 × 5 = 15π。この式を覚えておくと、中心角を求めずに側面積が出ます。
角錐の表面積
底面が 1辺 6 cm の正方形、側面の三角形の高さ(頂点から底辺までの長さ)が 5 cm の正四角錐。
- 底面積:36
- 側面:底辺 6・高さ 5 の三角形が 4 つ。6 × 5 ÷ 2 × 4 = 60
- 表面積:60 + 36 = 96 cm²
側面の三角形の「高さ」は、立体の高さとは別物です(斜めの面の上の長さ)。問題文でどちらが与えられているかを確認します。
よくある間違い
- 円柱の側面の横を直径にする → 円周
- 円錐の側面のおうぎ形の半径を「底面の半径」にする → 母線
- 柱なのに底面を 1 つしか足さない、錐なのに 2 つ足す → 柱は 2 つ・錐は 1 つ
- 角錐の側面の三角形の高さに、立体の高さを使う → 側面の三角形の高さ(母線方向)
4. 球の表面積と体積
まずここだけ
半径 r の球で
表面積 S = 4πr² 体積 V = (4/3)πr³
- 半径 3 cm:S = 4π × 9 = 36π cm²、V = (4/3)π × 27 = 36π cm³
- 半径 6 cm:S = 4π × 36 = 144π cm²、V = (4/3)π × 216 = 288π cm³
覚え方:「心配(4π)ある(r²)事情(4/3 π r³)」など語呂で覚える人が多い公式です。**表面積は r²(2乗)、体積は r³(3乗)**という次元の違いで確かめてください。
半球
半径 r の半球の表面積は、球の半分 2πr² + 切り口の円 πr² = 3πr²。切り口を足し忘れないこと。体積は球の半分 (2/3)πr³。
5. 組み合わせた立体
もう一歩(発展)
くり抜き:直方体(縦 4・横 6・高さ 5)から、底面の半径 1・高さ 5 の円柱をくり抜いた立体の体積 → 120 − π × 1² × 5 = 120 − 5π (cm³)
積み重ね:円柱(半径 3・高さ 4)の上に、同じ底面の円錐(高さ 6)をのせた立体の体積 → 9π × 4 + (1/3) × 9π × 6 = 36π + 18π = 54π (cm³)
表面積の注意:積み重ねた立体の表面積は、接している面は数えない。上の例なら、円柱の側面 + 円錐の側面 + 円柱の底面 1 つ(上の底面は円錐に隠れる)。
円柱の 1/4 など、柱を切った立体は「底面積 × 高さ」の底面をおうぎ形にすればそのまま使えます。
例:円錐の体積と回転体
直角をはさむ2辺が 3 cm・4 cm の直角三角形を、4 cm の辺を軸に回転させた立体の体積。 → 底面の半径 3、高さ 4 の円錐。V = (1/3) × 9π × 4 = 12π cm³ 3 cm の辺を軸にすると、半径 4・高さ 3 の円錐で V = (1/3) × 16π × 3 = 16π cm³。軸を変えると別の立体になります。
6. 自己チェック
- 柱は Sh、錐は (1/3)Sh。1/3 の付け忘れ・付けすぎはないか
- 底面積の計算(三角形の ÷ 2、円の πr²)は合っているか
- 表面積:柱は底面 2 つ、錐は 1 つ。円柱の側面の横は円周、円錐の側面は半径=母線
- 球は 4πr²(表面積)と (4/3)πr³(体積)。次元(2乗・3乗)で確かめたか
- 単位:面積は cm²、体積は cm³
7. 小テストへ
→ 小テスト(m1-17)
関連する単元
- 前提:m1-15 円とおうぎ形、m1-16 空間図形
- 次に進む:m1-18 データの活用
- ここで使う考え方が出てくる:m3-13 相似の利用(面積比・体積比)、m3-17 三平方の定理の利用(高さを求めて体積へ)
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編』第1学年 B 図形 (2) 空間図形 ── 「立体図形の表面積と体積」(角錐・円錐の体積が柱の 1/3 であることは実験などで確かめる)「球の表面積と体積」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/koko/math/m1-17/ / 更新 2026-09-12