中2 数学 / 数と式 / m2-04
連立方程式の解き方 ── 加減法・代入法
この単元でできるようになること
- 連立方程式と、その解の意味がわかる
- 加減法で連立方程式が解ける(係数をそろえて、たす・ひく)
- 代入法で連立方程式が解ける(一方を他方に代入する)
- かっこ・小数・分数のある連立方程式を整理してから解ける
- A = B = C の形の方程式を解ける
入試での位置づけ
連立方程式は計算問題として出題されやすく、文章題(次の単元)や一次関数の交点を求める場面(m2-07)でも必ず使います。係数をそろえるときのかけ忘れとひき算での符号ミスが失点のほとんどで、解き方そのものは2種類(加減法・代入法)しかありません。「文字を1つ消す」という目的さえ見失わなければ、どちらの方法でも解けます。
1. 連立方程式とは
まずここだけ
x + y = 5 のように、文字が2つある一次方程式を 2元1次方程式 といいます。この式だけでは x と y は決まりません(x = 1, y = 4 でも x = 2, y = 3 でもよい)。
そこで、2つの方程式を組にします。
x + y = 5 …① x − y = 1 …②
この組を といい、①と②を両方とも成り立たせる x、y の値の組をその といいます。上の解は x = 3、y = 2(3 + 2 = 5、3 − 2 = 1)。
解く方針 ── 文字を1つ消す
文字が2つあるから決まらないのなら、文字を1つ消して、文字が1つの方程式(m1-08)に持ち込めばよい。文字の消し方が2通りあり、それが加減法と代入法です。
2. 加減法
まずここだけ
2つの式をたす・ひくことで、一方の文字を消します。
x + y = 5 …① x − y = 1 …②
① + ②:(x + y) + (x − y) = 5 + 1 → 2x = 6 → x = 3(y が消えた) x = 3 を①に代入:3 + y = 5 → y = 2 答え:x = 3、y = 2
係数をそろえてから
係数の絶対値が同じでないときは、片方(または両方)の式を何倍かしてそろえます。
2x + 3y = 12 …① x − y = 1 …②
x を消すなら、② × 2 で x の係数を 2 にそろえる:2x − 2y = 2 …②′ ① − ②′:(2x + 3y) − (2x − 2y) = 12 − 2 → 5y = 10 → y = 2 ②に代入:x − 2 = 1 → x = 3
両方の式をかける
3x + 2y = 8 …① 2x + 5y = 9 …②
x を消す:① × 2、② × 3 で係数を 6 にそろえる 6x + 4y = 16 …①′ 6x + 15y = 27 …②′ ①′ − ②′:−11y = −11 → y = 1 ①に代入:3x + 2 = 8 → x = 2
係数の最小公倍数にそろえるのが基本です。y を消すなら ① × 5、② × 2 で 10 にそろえます。どちらの文字を消しても答えは同じなので、かける数が小さくて済むほうを選びます。
たすか・ひくか
| そろえた係数の符号 | やること |
|---|---|
| 同じ符号(2x と 2x) | ひく |
| 違う符号(2x と −2x) | たす |
「符号が同じならひく、違うならたす」。ひき算では下の式の全部の項の符号を変えてたすと考えると、符号ミスが減ります(m1-06 の多項式のひき算と同じ)。
よくある間違い
- ② × 2 で、右辺の 1 に 2 をかけ忘れる → 両辺のすべての項に同じ数をかける(等式の性質)
- ひき算で、y の項だけ引いて定数項をたす → 式全体をひく。下の式の符号を全部変えてたすと安全
- x が出たあと、y を求め忘れる → 解は x と y の組。両方答える
- 求めた x、y をもとの式に戻して確かめない → 2つの式のどちらにも代入して成り立つか確認
ここまでできれば十分
「係数をそろえて、たすかひくかで文字を消す」ができれば、連立方程式の中心は合格です。
3. 代入法
まずここだけ
一方の式が y = … や x = … の形(または簡単にその形にできる)のとき、それをもう一方の式に代入して文字を消します。
y = 2x − 1 …① 3x + y = 9 …②
①を②に代入:3x + (2x − 1) = 9 → 5x − 1 = 9 → 5x = 10 → x = 2 ①に代入:y = 2 × 2 − 1 = 3 答え:x = 2、y = 3
代入するときは、必ずかっこをつけて代入します。3x + 2x − 1 と書くとまだよいですが、y の係数が負のとき(3x − y = 9 → 3x − (2x − 1))にかっこがないと符号を落とします。
代入法が向いているとき
- どちらかの式が y = … / x = … の形になっている
- どちらかの文字の係数が 1(x + 2y = 7 → x = 7 − 2y としてから代入)
それ以外は加減法のほうが速いことが多いです。どちらを使っても答えは同じなので、迷ったら加減法で構いません。
よくある間違い
- 代入のときにかっこをつけず、符号を落とす → かっこつきで代入
- 代入した式が、代入元と同じ式になってしまう(①を①に代入)→ もう一方の式に代入
- 3x + 2x − 1 = 9 を 5x = 9 − 1 = 8 とする → −1 を移項すると +1。5x = 10
4. いろいろな連立方程式
かっこがある
分配法則でかっこを外し、整理してから解きます。
2(x + y) − y = 7 → 2x + y = 7 x − 3y = −5 整理した2式を加減法で。
小数・分数がある
両辺を何倍かして整数にしてから(m1-08 と同じ)。
0.3x + 0.2y = 1.2 → ×10 → 3x + 2y = 12 x/2 − y/3 = 1 → ×6 → 3x − 2y = 6 ①+②:6x = 18 → x = 3、y = 3/2
A = B = C の形
2x + y = x + 3y = 7
これは「2x + y = 7」と「x + 3y = 7」の連立方程式と同じです(3つのうち2つの等式を選ぶ。C が数なら A = C、B = C にするのが計算しやすい)。
解が分かっていて係数を求める
「x = 2、y = −1 が連立方程式 ax + by = 7、bx − ay = 4 の解であるとき、a、b を求めよ」 → 解を代入すると a、b についての連立方程式 になる:2a − b = 7、2b + a = 4 → これを解いて a = 18/5, b = 1/5……のように、文字が変わるだけで手順は同じです。
もう一歩(発展):解が存在しない・無数にある
2x + 2y = 4 と x + y = 2 の連立方程式は、2つ目が1つ目の半分で同じ式です。文字を消そうとすると 0 = 0 になり、解は無数にあります(x + y = 2 を満たす組すべて)。 x + y = 2 と x + y = 5 では 0 = 3 となり、解はありません。 高校入試では稀ですが、加減法で「0 = 0」「0 = 3」が出たら、計算ミスではなくこの状況を疑ってください。
5. 自己チェック
- 式を何倍かするとき、右辺にもかけたか
- ひくとき、下の式の全部の項の符号を変えたか
- 代入はかっこつきか
- x と y の両方を答え、もとの2式に戻して確かめたか
6. 小テストへ
→ 小テスト(m2-04)
関連する単元
- 前提:m1-08 一次方程式の解き方、m2-02 等式の変形
- 次に進む:m2-05 連立方程式の利用
- ここで使う考え方が出てくる:m2-07 一次関数と方程式(グラフの交点)
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編』第2学年 A 数と式 (2) 連立二元一次方程式 ── 「二元一次方程式とその解の意味」「連立二元一次方程式の必要性と意味及びその解の意味」「簡単な連立二元一次方程式を解くこと」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/koko/math/m2-04/ / 更新 2026-09-12