中2 数学 / 数と式 / m2-05
連立方程式の利用
この単元でできるようになること
- 文章題で「2つの量を x、y とおき、2つの等しい関係を見つける」ことができる
- 代金・個数、速さ(途中で速さが変わる)、割合(食塩水・増減)、整数(位の入れかえ)の型の式を立てられる
- 解が問題に合っているか確かめ、単位をつけて答えられる
- 表や図(線分図)を使って、関係を整理できる
入試での位置づけ
連立方程式の文章題は、大問の1つとして出題されやすい分野です。一次方程式の文章題(m1-09)との違いは、求めたいものが2つあり、等しい関係も2つ必要なこと。「何と何が等しいか」を2組見つければ、あとは m2-04 の計算です。速さ・割合の型は中3の二次方程式の文章題にも同じ形で現れます。
1. 文章題の手順
まずここだけ
- 求めたい2つの量を x、y とおく(単位つきで)
- 等しい関係を2つ見つけて、それぞれ式にする
- 連立方程式を解く
- 解が問題に合うか確かめ、単位をつけて答える
一次方程式との違いは、2 の「関係を2つ」だけです。文章の中には、ふつう「合計は〜」「代金は〜」のように、2つの文が対応しています。
例:代金と個数
1個 120 円のりんごと 1個 80 円のみかんを合わせて 12 個買い、代金は 1160 円だった。それぞれ何個買ったか。
- りんご x 個、みかん y 個
- 個数の関係:x + y = 12
- 代金の関係:120x + 80y = 1160
② ÷ 40:3x + 2y = 29。① × 2:2x + 2y = 24。ひいて x = 5、y = 7。 答え:りんご 5 個、みかん 7 個(600 + 560 = 1160 ✓)
「合わせて 12 個」と「代金 1160 円」の2つの文が、そのまま2つの式です。m1-09 では みかんを (12 − x) と表しましたが、連立方程式ではそれぞれ文字にして式を2本立てるほうが素直です。
表で整理する
| りんご | みかん | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 個数 | x | y | 12 |
| 代金 | 120x | 80y | 1160 |
表の「合計」の列が、そのまま式になります。個数の行 → x + y = 12、代金の行 → 120x + 80y = 1160。文章が長いときは、この表を先に埋めると式が立ちます。
2. 速さの問題
まずここだけ
A 地点から B 地点まで 10 km の道のりを、はじめは時速 4 km で歩き、途中から時速 6 km で走ったら、全体で 2 時間かかった。歩いた道のりと走った道のりを求めよ。
- 歩いた道のり x km、走った道のり y km
- 道のりの関係:x + y = 10
- 時間の関係:x/4 + y/6 = 2(時間 = 道のり ÷ 速さ)
② × 12:3x + 2y = 24。① × 2:2x + 2y = 20。ひいて x = 4、y = 6。 答え:歩いた道のり 4 km、走った道のり 6 km(1 時間 + 1 時間 = 2 時間 ✓)
速さの文章題は 「道のりの式」と「時間の式」の2本が定番です。表にすると
| 歩き | 走り | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 道のり (km) | x | y | 10 |
| 速さ (km/時) | 4 | 6 | |
| 時間 (時間) | x/4 | y/6 | 2 |
時間を x、y とおく場合
同じ問題を「歩いた時間 x 時間、走った時間 y 時間」とおくと、
- 時間:x + y = 2
- 道のり:4x + 6y = 10
こちらのほうが分数が出ないので計算が楽です。何を文字にするかで計算量が変わるので、求めたいものが道のりでも、時間を文字にして最後に道のりに直す手もあります。
単位をそろえる
「分」と「時間」、「m」と「km」が混ざったら、式を立てる前にそろえます。「1 時間 30 分」は 1.5 時間(または 90 分)。
3. 割合の問題
食塩水
5 % の食塩水と 10 % の食塩水を混ぜて、8 % の食塩水を 500 g 作りたい。それぞれ何 g 混ぜればよいか。
- 5 % を x g、10 % を y g
- 食塩水の量:x + y = 500
- 食塩の量:0.05x + 0.1y = 0.08 × 500 = 40
② × 100:5x + 10y = 4000 → x + 2y = 800。①をひいて y = 300、x = 200。 答え:5 % を 200 g、10 % を 300 g
食塩水の問題は、「食塩水の量」と「食塩の量」の2本。食塩の量は「食塩水の量 × 濃度」で、混ぜても食塩の量の合計は変わらない、というのが2本目の根拠です。
| 5 % | 10 % | 混ぜた後 | |
|---|---|---|---|
| 食塩水 (g) | x | y | 500 |
| 濃度 | 0.05 | 0.1 | 0.08 |
| 食塩 (g) | 0.05x | 0.1y | 40 |
増減(前年比)
ある中学の生徒数は、昨年は男女合わせて 500 人だった。今年は男子が 10 % 増え、女子が 5 % 減って、合計 505 人になった。昨年の男子・女子の人数を求めよ。
- 昨年の男子 x 人、女子 y 人(「昨年」を文字にするのが定石。増減の割合は昨年を基準にしているから)
- 昨年:x + y = 500
- 今年:1.1x + 0.95y = 505
② × 100:110x + 95y = 50500 → 22x + 19y = 10100。① × 19:19x + 19y = 9500。ひいて 3x = 600 → x = 200、y = 300。 答え:男子 200 人、女子 300 人(今年:220 + 285 = 505 ✓)
増減の問題の注意:「10 % 増えた」は × 1.1、「5 % 減った」は × 0.95。増えた人数(0.1x)と増えた後の人数(1.1x)を混同するのが、この型の失点のほとんどです。「今年の合計」なら 1.1x + 0.95y、「増減の差し引き」なら 0.1x − 0.05y と、問題文がどちらを言っているかを読み分けます。
よくある間違い
- 濃度をそのまま足す(5 % + 10 % = 15 %)→ 濃度は足せない。食塩の量で式を立てる
- 「10 % 増」を x + 10 とする → 1.1x
- 今年の人数を x とおいて「10 % 増」を式にできなくなる → もとになる年(昨年)を文字に
ここまでできれば十分
代金・速さ・食塩水の3型で、表を使って2本の式が立てられれば、この単元の中心は合格です。
4. 整数の問題
ここまでできれば十分(の次)
2 けたの整数がある。十の位と一の位の数の和は 11 で、十の位と一の位を入れかえた数は、もとの数より 27 大きい。もとの整数を求めよ。
- 十の位 x、一の位 y。もとの数 10x + y、入れかえた数 10y + x(m2-03)
- x + y = 11
- 10y + x = 10x + y + 27 → 9y − 9x = 27 → y − x = 3
たして 2y = 14、y = 7、x = 4。答え:47(74 − 47 = 27 ✓)
「入れかえた数」は 10y + x。x と y を入れかえただけで、位取りの 10 は動きません。
5. 解の吟味
もう一歩(発展)
解いた x、y が
- 個数・人数なのに負や小数 → 立式ミスを疑う
- 「合わせて 12 個」なのに x + y ≠ 12 → 計算ミス
- 食塩水で濃度の範囲(5 % と 10 % を混ぜて 8 %)と合わない → 式の左右が逆かも
を確かめて、最後に「この解は問題に適している」と一言添えるのが記述の型です。特に「昨年を x とおいた」問題で、問われているのが今年の人数なら、x に 1.1 をかけて答える必要があります。「何を答えるのか」を最後にもう一度読み返してください。
6. 自己チェック
- 求めたい2つの量を、単位つきで x、y とおいたか
- 等しい関係を2つ見つけたか(表の「合計」の行・列)
- 速さ:道のりの式と時間の式。単位はそろっているか
- 割合:「増えた後」は × 1.1、「増えた分」は × 0.1。食塩水は食塩の量で式を立てたか
- 解を問題文に戻し、問われているものを単位つきで答えたか
7. 小テストへ
→ 小テスト(m2-05)
関連する単元
- 前提:m1-09 一次方程式の利用、m2-04 連立方程式の解き方
- 次に進む:m2-06 一次関数
- ここで使う考え方が出てくる:m3-07 二次方程式の利用
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編』第2学年 A 数と式 (2) 連立二元一次方程式 ── 「連立二元一次方程式を具体的な場面で活用すること」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/koko/math/m2-05/ / 更新 2026-09-12