中3 社会 / 公民 / c-02

更新 2026-09-12

人権と日本国憲法

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

人権の分類(「信教の自由は自由権の精神の自由」「生存権は社会権」)と憲法改正の手続き新しい人権の具体例(情報公開制度=知る権利、インフォームド・コンセント=自己決定権)が定番。思想家と著書・文書の年代順も出ます。


1. 人権思想の歩み

まずここだけ

思想家著書主張
ロックイギリス『統治二論』抵抗権(政府が権利を侵せば抵抗できる)、社会契約
モンテスキューフランス『法の精神』三権分立
ルソーフランス『社会契約論』人民主権
文書ポイント
1215マグナカルタ(イギリス)王の権力を制限
1689権利章典(イギリス)議会の権利
1776アメリカ独立宣言生命・自由・幸福追求
1789フランス人権宣言自由・平等、国民主権
1919ワイマール憲法(ドイツ)社会権を初めて保障
1948世界人権宣言(国連)人権の国際的な基準(法的拘束力なし)
1966国際人権規約世界人権宣言を条約化(拘束力あり)
1989子ども(児童)の権利条約日本は 1994 年批准

法の支配:人の支配ではなく、権力も法に従う。立憲主義:憲法で権力を制限して人権を守る。憲法は国の最高法規(法律は憲法に反してはならない)。


2. 日本国憲法

まずここだけ

大日本帝国憲法(1889 年発布)日本国憲法(1946 年 11 月 3 日公布・1947 年 5 月 3 日施行
主権天皇国民
天皇元首・統治権をもつ日本国と国民統合の象徴(国事行為のみ・内閣の助言と承認)
人権法律の範囲内で臣民の権利侵すことのできない永久の権利
天皇が統帥戦争の放棄・戦力の不保持・交戦権の否認(第 9 条)
議会天皇の協賛機関国権の最高機関・唯一の立法機関

3 つの基本原理国民主権基本的人権の尊重平和主義

改正手続き(第 96 条):各議院の総議員の 3 分の 2 以上の賛成で国会が発議国民投票有効投票の過半数の賛成 → 天皇が国民の名で公布。国民投票法で投票権は18 歳以上

天皇の国事行為:内閣総理大臣・最高裁判所長官の任命、法律・条約の公布、国会の召集、衆議院の解散、栄典の授与など。すべて内閣の助言と承認が必要。

平和主義:第 9 条。自衛隊(政府は「必要最小限度の実力」と説明)、日米安全保障条約非核三原則(持たず・つくらず・持ちこませず)、文民統制(シビリアン・コントロール)。


3. 基本的人権の分類

まずここだけ

分類内容条文・具体例
平等権法の下の平等(14 条)、両性の本質的平等(24 条)男女雇用機会均等法、男女共同参画社会基本法、障害者差別解消法、アイヌ施策推進法、部落差別解消推進法、バリアフリー・ユニバーサルデザイン
自由権:精神の自由思想・良心、信教、集会・結社・表現、学問の自由検閲の禁止
自由権:身体(人身)の自由奴隷的拘束・苦役からの自由、法定手続きの保障、令状主義、黙秘権、拷問の禁止逮捕には裁判官の令状
自由権:経済活動の自由居住・移転・職業選択の自由、財産権公共の福祉による制限を受けやすい
社会権生存権(25 条:健康で文化的な最低限度の生活)、教育を受ける権利(26 条)、勤労の権利労働基本権(団結権・団体交渉権・団体行動権)生活保護、義務教育の無償、労働組合
参政権選挙権・被選挙権、最高裁判所裁判官の国民審査、憲法改正の国民投票、地方の住民投票
請求権裁判を受ける権利、国家賠償請求権、刑事補償請求権、請願権

公共の福祉:社会全体の利益。人権どうしが衝突するとき、他人の人権を侵さないよう制限されることがある(例:感染症による入院措置、道路拡張のための土地の収用、医師免許がないと医業はできない)。

国民の三大義務子どもに普通教育を受けさせる義務勤労の義務納税の義務


4. 新しい人権

ここまでできれば十分

憲法に直接の規定はないが、**幸福追求権(13 条)**や生存権をもとに主張される。

権利内容関連する制度・例
環境権良い環境で生活する権利環境基本法環境アセスメント(環境影響評価)、日照権
知る権利国や地方の情報を知る情報公開法・情報公開制度
プライバシーの権利私生活をみだりに公開されない・個人情報を管理個人情報保護法、肖像権、マイナンバー
自己決定権自分の生き方を自分で決めるインフォームド・コンセント(説明と同意)、臓器提供意思表示カード、尊厳死

人権を守るための国際的な取り組み:世界人権宣言(1948)→ 国際人権規約(1966)、女子差別撤廃条約(日本は 1985 批准 → 男女雇用機会均等法)、子どもの権利条約、障害者権利条約。NGO(非政府組織)の活動。


5. よくある間違い


6. 自己チェック

  1. ロック=抵抗権、モンテスキュー=三権分立、ルソー=人民主権。ワイマール=社会権
  2. 1946.11.3 公布・1947.5.3 施行。国民主権・基本的人権・平和主義
  3. 改正:3 分の 2 → 国民投票過半数
  4. 自由権(精神・身体・経済)、社会権(生存・教育・勤労・労働基本権)、参政権、請求権、平等権
  5. 新しい人権:環境・知る・プライバシー・自己決定(13 条)

7. 小テストへ

→ 小テスト(c-02)

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参考資料

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