中1 社会 / 歴史 / h-02
飛鳥・奈良時代
この単元でできるようになること
- 聖徳太子の政治(冠位十二階・十七条の憲法・遣隋使・法隆寺)と飛鳥文化が言える
- 大化の改新(645・中大兄皇子・中臣鎌足・蘇我氏を倒す・公地公民)から**白村江の戦い・壬申の乱・大宝律令(701)**への流れを説明できる
- 律令国家のしくみ(二官八省・国郡里・班田収授法・口分田・租調庸・防人)と、農民の負担・逃亡、**墾田永年私財法(743)**による荘園の始まりがわかる
- 平城京(710)・聖武天皇と仏教(国分寺・東大寺・大仏・行基・鑑真)・天平文化(正倉院・古事記・日本書紀・風土記・万葉集)が言える
- 中国(隋 → 唐)・朝鮮(新羅)との関係(遣唐使・阿倍仲麻呂)がわかる
入試での位置づけ
大化の改新 → 律令国家の成立の流れと、租・調・庸の内容の区別(租=稲 3%・調=特産物・庸=布(労役の代わり))、墾田永年私財法が公地公民をくずしたことの記述が定番。文化は**飛鳥(法隆寺・釈迦三尊像)と天平(東大寺・正倉院・万葉集)**の区別。
1. 聖徳太子の政治と飛鳥文化
まずここだけ
6 世紀末〜7 世紀初め、推古天皇のもとで聖徳太子(厩戸皇子)が蘇我馬子と協力して政治。目標:天皇中心の国づくり。
| 政策 | 内容 |
|---|---|
| 冠位十二階(603) | 家柄でなく能力や功績で役人に位を与える |
| 十七条の憲法(604) | 役人の心得(「和をもって貴しとなす」、仏教を敬え、天皇の命令に従え) |
| 遣隋使(607) | 小野妹子を隋に派遣。対等の外交をめざす。留学生・留学僧が制度・文化を学ぶ |
飛鳥文化:日本最初の仏教文化。法隆寺(聖徳太子・現存する世界最古の木造建築)、釈迦三尊像、飛鳥寺、広隆寺。百済・中国・ギリシャ・ペルシアの影響(シルクロードの終点)。
2. 大化の改新と律令国家
まずここだけ
- 聖徳太子の死後、蘇我氏が権力をにぎる(蘇我蝦夷・入鹿)。
- 645 年 大化の改新:中大兄皇子(のちの天智天皇)と中臣鎌足(のちの藤原鎌足)が蘇我氏を倒し、公地公民(土地と人民は国家のもの)の方針を出す。年号「大化」。
- 663 年 白村江の戦い:百済を助けて唐・新羅と戦い大敗 → 国防強化(防人・水城・大宰府)、都を近江大津宮へ。
- 672 年 壬申の乱:天智天皇の死後、弟の大海人皇子(→ 天武天皇)が子の大友皇子を倒す → 天皇の権力強化、「天皇」の称号、富本銭。
- 694 年 藤原京(持統天皇)。
- 701 年 大宝律令:唐の律令を手本に**律(刑罰)・令(政治のきまり)**を定め、律令国家が完成。
律令国家のしくみ
- 中央:二官(神祇官・太政官)八省。地方:国(国司)・郡(郡司)・里(里長)。九州に大宰府。
- 戸籍を 6 年ごとに作成 → 班田収授法:6 歳以上の男女に口分田を与え、死ねば返す。
| 負担 | 内容 |
|---|---|
| 租 | 収穫の約 3% の稲を国に納める(地方の財源) |
| 調 | 地方の特産物(絹・糸・塩など)を都へ運んで納める |
| 庸 | 都での労役(年 10 日)の代わりに布を納める |
| 雑徭 | 国司のもとで年 60 日以内の労働 |
| 兵役 | 衛士(都の警備)・防人(九州北部の警備・3 年) |
| 出挙 | 稲を借りて利息を払う |
調・庸は自分で都まで運ぶ(運脚)ため重い負担 → 逃亡・偽籍 → 口分田の不足。貧窮問答歌(山上憶良・万葉集)に農民の苦しさ。
3. 奈良時代
まずここだけ
- 710 年 平城京(奈良・元明天皇・唐の長安を手本・碁盤目・和同開珎)。以後約 80 年が奈良時代。
- 聖武天皇:仏教の力で国を守る(鎮護国家)。国分寺・国分尼寺を全国に、東大寺に大仏(752 年開眼・行基が協力)。光明皇后。
- 723 年 三世一身法(新しく開墾した土地は 3 代まで私有)→ 743 年 墾田永年私財法(開墾地の永久私有を認める)→ 貴族・寺社が農民を使って開墾 → 荘園(私有地)の始まり → 公地公民の原則がくずれる。
- 遣唐使:阿倍仲麻呂(唐で高官・帰国できず)、吉備真備、鑑真(唐の僧・来日し唐招提寺・戒律)。新羅とも往来。渤海。
- 政治の混乱:長屋王の変、藤原氏の台頭、道鏡。
天平文化:唐の影響・国際色・仏教。
| 分野 | 内容 |
|---|---|
| 建築・美術 | 東大寺(大仏)、正倉院(校倉造・シルクロードの宝物=ペルシアのガラス)、唐招提寺、興福寺阿修羅像 |
| 歴史書 | 『古事記』(712・稗田阿礼・太安万侶)、『日本書紀』(720)、『風土記』(各国の地理・産物) |
| 和歌 | 『万葉集』(約 4,500 首・天皇から農民・防人まで・大伴家持・山上憶良・万葉がな) |
4. よくある間違い
- 十七条の憲法を「国民のきまり」(役人の心得)
- 大化の改新の年を 701(645。701 は大宝律令)
- 租・調・庸の内容の取り違え(租=稲、調=特産物、庸=布)
- 口分田を「男子のみ」(6 歳以上の男女。女子は男子の 3 分の 2)
- 墾田永年私財法を「公地公民を強めた」(くずした・荘園の始まり)
- 平城京を 794(794 は平安京。平城京は 710)
- 法隆寺を天平文化(飛鳥文化)/東大寺を飛鳥文化(天平文化)
- 『古事記』と『万葉集』を同じ種類(古事記=歴史書、万葉集=和歌集)
5. 自己チェック
- 聖徳太子:冠位十二階・十七条の憲法・遣隋使(小野妹子)・法隆寺
- 645 大化の改新(中大兄皇子・中臣鎌足・公地公民)→ 663 白村江 → 672 壬申の乱 → 701 大宝律令
- 班田収授法・口分田・租(稲)調(特産物)庸(布)・防人
- 710 平城京・聖武天皇・東大寺大仏・743 墾田永年私財法 → 荘園
- 天平文化:正倉院・古事記・日本書紀・風土記・万葉集・鑑真
6. 小テストへ
→ 小テスト(h-02)
関連する単元
- 前提:h-01 古墳時代(大和政権・渡来人・仏教伝来)
- 次に進む:h-03 平安時代
- ここで使う考え方が出てくる:c-02 憲法(十七条の憲法との比較)、c-06 税(租調庸と現代の税)
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編』── 歴史的分野「B 近世までの日本とアジア (1) 古代までの日本(律令国家の形成)」
- 奈良文化財研究所「平城宮跡資料館」(https://www.nabunken.go.jp/)── 平城京・木簡
- 正倉院事務所「正倉院」(https://shosoin.kunaicho.go.jp/)── 宝物
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/koko/social/h-02/ / 更新 2026-09-12