数学A 数学 / 図形の性質 / ha-06
円の性質 ── 円周角・内接四角形・接線・方べきの定理
この単元でできるようになること
- 円周角の定理(同じ弧の円周角は等しい・中心角の半分)で角が求められる
- 円に内接する四角形の性質(対角の和 180°、外角 = 内対角)と、その逆(4 点が同一円周上にある条件)が使える
- 接線と弦の作る角(接弦定理)が使える
- 方べきの定理(3 つの形)で線分の長さが求められる
- 2 つの円の位置関係を中心間距離と半径で判定でき、共通接線の長さが求められる
入試での位置づけ
円の性質は共通テスト数学A「図形の性質」の後半の定番で、方べきの定理と円に内接する四角形は毎年のように出ます。三角比の「円に内接する四角形」(h1-12)とつながり、「4 点が同一円周上にあることを示す → 方べきで長さを出す」という流れが典型です。
1. 円周角の定理(復習)
まずここだけ
- 同じ弧に対する円周角は等しい
- 円周角は中心角の半分
- 直径に対する円周角は 90°
- 逆:2 点 C、D が直線 AB について同じ側にあり ∠ACB = ∠ADB なら、4 点 A、B、C、D は同一円周上
2. 円に内接する四角形
まずここだけ
四角形 ABCD が円に内接するとき、
- 対角の和は 180°:∠A + ∠C = 180°、∠B + ∠D = 180°
- 外角は内対角に等しい:∠C の外角 = ∠A
逆も成り立つ:対角の和が 180°(または外角 = 内対角)なら、その四角形は円に内接する。
∠A = 110° なら ∠C = 70°。∠C の外角 = 110° = ∠A。
4 点が同一円周上にある条件(まとめ)
| 条件 | 名前 |
|---|---|
| 同じ側の 2 点から、線分を同じ角で見る | 円周角の定理の逆 |
| 対角の和が 180° | 内接四角形の逆 |
| 外角 = 内対角 | 内接四角形の逆 |
| PA × PB = PC × PD(方べきの逆) | 4 節 |
3. 接線と接弦定理
まずここだけ
接線の性質:接点を通る半径は接線に垂直。円外の点から引いた 2 本の接線の長さは等しい。
接弦定理:円の接線と、接点を通る弦の作る角は、その弦に対する円周角に等しい。
接線 AT(T が接点)と弦 TB の作る角 ∠ATB = 弦 TB に対する円周角 ∠TCB(C は円周上の点)
三角形の内接円と接線の長さ
△ABC の内接円が BC、CA、AB と接する点を P、Q、R とすると、AR = AQ、BR = BP、CP = CQ。
AB = 7、BC = 8、CA = 5 なら AR = x とおいて x + (7 − x) … → AR = (7 + 5 − 8)/2 = 2 頂点からの接線の長さ = (隣の 2 辺の和 − 向かいの辺)/2
4. 方べきの定理
ここまでできれば十分
点 P を通る 2 本の直線が円と A、B および C、D で交わるとき、
PA × PB = PC × PD
3 つの形:
| 形 | 図 |
|---|---|
| P が円の内部(2 本の弦が交わる) | PA × PB = PC × PD |
| P が円の外部(2 本の割線) | PA × PB = PC × PD(P から遠いほうと近いほうの積) |
| P が外部で、一方が接線(接点 T) | PA × PB = PT² |
弦 AB と CD が P で交わり、PA = 3、PB = 4、PC = 2 なら PD = 12/2 = 6 円外の P から接線 PT と割線 PAB を引き、PA = 4、AB = 5 なら PT² = 4 × 9 = 36 → PT = 6
逆も成り立つ:PA × PB = PC × PD なら 4 点 A、B、C、D は同一円周上。
共通テストの流れ
「4 点が同一円周上にある」を示し → 方べきで長さ → 三角比で角や面積、が定番。
5. 2 つの円の位置関係
ここまでできれば十分
半径 r、r′(r > r′)、中心間距離 d のとき、
| 位置関係 | 条件 | 共通接線の本数 |
|---|---|---|
| 離れている | d > r + r′ | 4 |
| 外接 | d = r + r′ | 3 |
| 2 点で交わる | r − r′ < d < r + r′ | 2 |
| 内接 | d = r − r′ | 1 |
| 一方が他方の内部 | d < r − r′ | 0 |
共通接線の長さ
共通外接線の長さ:√{d² − (r − r′)²} 共通内接線の長さ:√{d² − (r + r′)²}
(中心を結ぶ線と半径で直角三角形を作って三平方の定理)
r = 5、r′ = 2、d = 9:外接線 √(81 − 9) = √72 = 6√2、内接線 √(81 − 49) = √32 = 4√2
6. よくある間違い
- 内接四角形で「向かい合う角が等しい」としてしまう → 和が 180°
- 方べきで、外部の点のとき PA × AB としてしまう → PA × PB(P から両方の交点まで)
- 接弦定理の角を取りちがえる → 「接線と弦の角」=「弦の反対側の円周角」
- 2 円の判定で d と r + r′、r − r′ の両方を比べていない
7. 自己チェック
- 内接四角形:対角の和 180°、外角 = 内対角
- 4 点が同一円周上の条件を 3 つ言えるか
- 方べき:P から各交点までの積が等しい。接線なら PT²
- 接線の長さは等しい。内接円の接点までの長さ = (隣の 2 辺の和 − 対辺)/2
- 2 円は d を r + r′、r − r′ と比べる
8. 小テストへ
→ 小テスト(ha-06)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編 理数編』── 数学A「(1) 図形の性質 ア(ア) 平面図形(円の性質)」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/daigaku/math/ha-06/ / 更新 2026-09-12