数学C 数学 / 平面上の曲線と複素数平面 / hc-05

更新 2026-09-12

複素数平面 ── 極形式・ド・モアブルの定理

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

複素数平面は共通テスト『数学Ⅱ,数学B,数学C』の選択問題で、極形式と ド・モアブル、回転が定番です。h2-02 の複素数の計算、h2-07・08 の三角関数(加法定理が積の偏角の根拠)、ベクトル(hc-01・02)の考え方が合流する単元。「かけ算 = 回転と拡大」のイメージが身につけば計算問題は速く解けます。


1. 複素数平面

まずここだけ

複素数 z = a + bi を、座標平面上の点 (a, b) で表す(x 軸:実軸、y 軸:虚軸)。

z = 3 + 4i:|z| = 5、z̄ = 3 − 4i、z z̄ = 25 |z − 2i| = 3 → 点 2i を中心とする半径 3 の円

実数・純虚数の条件

z が実数 ⇔ z̄ = z、z が純虚数 ⇔ z̄ = −z(z ≠ 0)


2. 極形式

まずここだけ

|z| = r、偏角 arg z = θ(実軸の正の向きから測った角)とすると、

z = r(cos θ + i sin θ)

z = 1 + √3 i:r = 2、θ = π/3 → 2(cos π/3 + i sin π/3) z = −1 + i:r = √2、θ = 3π/4 z = −2:r = 2、θ = π z = −3i:r = 3、θ = −π/2(または 3π/2)

手順:① r = √(a² + b²) ② 点 (a, b) を図示して θ を読む(象限に注意)。


3. 積と商 ── 回転と拡大

まずここだけ

z₁ = r₁(cos θ₁ + i sin θ₁)、z₂ = r₂(cos θ₂ + i sin θ₂) のとき、

z₁z₂ = r₁r₂{cos(θ₁ + θ₂) + i sin(θ₁ + θ₂)}(絶対値は積、偏角は和) z₁/z₂ = (r₁/r₂){cos(θ₁ − θ₂) + i sin(θ₁ − θ₂)}(絶対値は商、偏角は差)

(加法定理 h2-08 から出る)

「z に r(cos θ + i sin θ) をかける」= 原点のまわりに θ 回転して r 倍

z = 2 + i を原点のまわりに 90° 回転:z × i = 2i + i² = −1 + 2i z = 1 + i を 60° 回転:z × (cos 60° + i sin 60°) = (1 + i)(1/2 + (√3/2)i) = (1 − √3)/2 + ((1 + √3)/2)i

点 α のまわりの回転(発展)

β を α のまわりに θ 回転した点 γ:γ − α = (β − α)(cos θ + i sin θ)(α を原点に平行移動して回してから戻す)


4. ド・モアブルの定理

ここまでできれば十分

(cos θ + i sin θ)ⁿ = cos nθ + i sin nθ(n は整数)

(1 + i)⁸:1 + i = √2(cos π/4 + i sin π/4) → (√2)⁸(cos 2π + i sin 2π) = 16 (1 + √3 i)⁶:2⁶(cos 2π + i sin 2π) = 64 (−1 + i)¹⁰ / … も同様に極形式にしてから n 乗

手順:① 極形式に直す ② rⁿ と nθ ③ 角を 0〜2π に直して cos、sin を計算。

1 の n 乗根

zⁿ = 1 の解は z = cos(2kπ/n) + i sin(2kπ/n)(k = 0, 1, …, n − 1)。複素数平面上で単位円を n 等分する点

z³ = 1:k = 0, 1, 2 → 1、cos(2π/3) + i sin(2π/3) = (−1 + √3 i)/2、(−1 − √3 i)/2(h2-03 の ω) z⁴ = 1:1、i、−1、−i

zⁿ = α(一般):α を極形式 r(cos φ + i sin φ) にして、z = ⁿ√r {cos((φ + 2kπ)/n) + i sin((φ + 2kπ)/n)}。


5. 図形への応用

ここまでできれば十分

なす角:3 点 α、β、γ について、∠βαγ = arg{(γ − α)/(β − α)}

:|z − α| = r(中心 α、半径 r) 垂直二等分線:|z − α| = |z − β| アポロニウスの円:|z − α| = k|z − β|(k ≠ 1)→ 2 乗して z z̄ の式に

|z − 2| = 2|z + 1|:|z − 2|² = 4|z + 1|² → (z − 2)(z̄ − 2) = 4(z + 1)(z̄ + 1) → 3z z̄ + 6z + 6z̄ = 0 → z z̄ + 2z + 2z̄ = 0 → |z + 2|² = 4 → 中心 −2、半径 2 の円

三角形の形状(発展)

(γ − α)/(β − α) = cos 60° + i sin 60° なら正三角形。= i なら直角二等辺三角形(α が直角)。


6. よくある間違い


7. 自己チェック

  1. |z| = √(a² + b²)、z z̄ = |z|²
  2. 極形式は r と θ(図で象限を確認)
  3. 積:絶対値は積、偏角は和。回転は cos θ + i sin θ をかける
  4. ド・モアブル:rⁿ(cos nθ + i sin nθ)
  5. 一直線上 ⇔ 比が実数、垂直 ⇔ 比が純虚数

8. 小テストへ

→ 小テスト(hc-05

関連する単元

参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から

高校数学の単元一覧まぜこぜテスト数学の勉強法