中2〜3 国語 / 文法 / k-09
敬語(尊敬・謙譲・丁寧)
この単元でできるようになること
- 敬語の 3 種類()を、「だれを高めるか」で見分けられる
- 特別な動詞(いらっしゃる・召し上がる・おっしゃる/申す・いただく・拝見する・うかがう・参る)と、形による敬語(お〜になる・〜れる・〜られる/お〜する・〜いたす)を使い分けられる
- 二重敬語(「おっしゃられる」)や尊敬と謙譲の混同(「先生が申されました」「〜さんが参りました」)などの誤りを直せる
- 手紙・面接・電話など場面に応じた敬語が使える
入試での位置づけ
「次の文の敬語の種類は何か」と「誤った敬語を正しく直す」が定番。見分け方は「動作をする人を高める → 尊敬」「動作を受ける人を高める(自分側をへりくだる)→ 謙譲」「聞き手に丁寧 → 丁寧(です・ます・ございます)」。特別な動詞の表は暗記。
1. 敬語の 3 種類
まずここだけ
| 種類 | 何をするか | だれを高めるか | 形 |
|---|---|---|---|
| 尊敬語 | 相手(目上の人)の動作・状態を高めて言う | 動作をする人 | 特別な動詞/お(ご)〜になる/〜れる・〜られる/お(ご)+名詞(お名前・ご住所) |
| 謙譲語 | 自分(自分側)の動作をへりくだって言い、相手を高める | 動作を受ける人(相手) | 特別な動詞/お(ご)〜する/お(ご)〜いたす/〜させていただく |
| 丁寧語 | 聞き手(読み手)に対して丁寧に言う | 聞き手 | です・ます・ございます/お(ご)+名詞の一部(お茶・お金) |
見分けのコツ:「その動作をするのはだれか」を確かめる。
- 先生がおっしゃる(動作主=先生 → 尊敬)
- 私が先生に申し上げる(動作主=私、相手=先生 → 謙譲)
- 今日は雨です(だれも高めていない・聞き手に丁寧 → 丁寧)
2. 特別な動詞
まずここだけ
| ふつうの言い方 | 尊敬語(相手がする) | 謙譲語(自分がする) |
|---|---|---|
| 言う | おっしゃる | 申す・申し上げる |
| 行く・来る | いらっしゃる・おいでになる・お越しになる | 参る・うかがう |
| いる | いらっしゃる・おいでになる | おる |
| 食べる・飲む | 召し上がる | いただく |
| 見る | ご覧になる | 拝見する |
| する | なさる | いたす |
| 知る | ご存じだ | 存じる・存じ上げる |
| 聞く | (お聞きになる) | うかがう・拝聴する |
| 会う | (お会いになる) | お目にかかる |
| 与える・くれる | くださる | 差し上げる(与える) |
| もらう | いただく・賜る | |
| 思う | (お思いになる) | 存じる |
| 着る | お召しになる | |
| 死ぬ | お亡くなりになる |
注意:「いただく」「参る」「おる」は自分側にしか使えない。「先生が参ります」は誤り(→ いらっしゃいます)。
3. 形でつくる敬語
ここまでできれば十分
尊敬語:
- お(ご)〜になる:お読みになる・ご出席になる
- 〜れる・〜られる:読まれる・来られる・話される(受け身・可能と同じ形なので文脈で判断)
- お(ご)〜くださる:お教えくださる
- 名詞:お名前・ご住所・貴社・先生のご著書
謙譲語:
- お(ご)〜する:お持ちする・ご案内する・お待ちする
- お(ご)〜いたす:お送りいたす・ご連絡いたします
- 〜(さ)せていただく:拝見させていただく(使いすぎに注意)
- 名詞:弊社・拙宅・愚息・小社
丁寧語:です・ます・ございます。「お茶」「お菓子」「ご飯」のような美化語も丁寧語に含める(中学では丁寧語扱い)。
尊敬と謙譲の組み合わせ:「先生がお話しになったことを、私はうかがいました」。
4. よくある誤り(直せるように)
ここまでできれば十分
| 誤り | 理由 | 正しい形 |
|---|---|---|
| 先生が申されました | 「申す」は謙譲。先生の動作に使えない | 先生がおっしゃいました |
| お客様が参りました | 「参る」は謙譲 | お客様がいらっしゃいました(お越しになりました) |
| 先生はおっしゃられた | 「おっしゃる」+「れる」で二重敬語 | 先生はおっしゃった |
| 社長がお見えになられる | 二重敬語 | 社長がお見えになる(いらっしゃる) |
| 先生がいただいてください | 「いただく」は謙譲 | 先生が召し上がってください |
| 私が先生にご覧になってもらう | 「ご覧になる」は尊敬。自分の動作に× | 私が先生に拝見していただく → 正しくは「先生に見ていただく」/自分が見るなら「拝見する」 |
| (店員が客に)ご注文はよろしかったでしょうか | 過去形にする必要がない | ご注文はよろしいでしょうか |
| お求めやすい価格 | 「お〜する」の形がくずれている | お求めになりやすい |
| 先生のお宅にうかがわれる | 自分の動作に尊敬の「れる」 | 先生のお宅にうかがう |
| わたくしの父がおっしゃった | 身内の動作に尊敬語(外の人に対して) | 父が申した/申しました |
身内の扱い:外の人と話すとき、自分の家族・自分の会社の人は自分側として謙譲で(「父はおります」「社長の田中はただ今参ります」)。
5. 自己チェック
- 尊敬=動作をする人を高める、謙譲=自分側をへりくだり相手を高める、丁寧=聞き手に丁寧
- 言う:おっしゃる/申す。行く来る:いらっしゃる/参る・うかがう。食べる:召し上がる/いただく。見る:ご覧になる/拝見する。する:なさる/いたす。知る:ご存じ/存じる
- 形:お〜になる・〜れる(尊敬)/お〜する・〜いたす(謙譲)/です・ます(丁寧)
- 二重敬語×(おっしゃられる)、謙譲を相手に×(参られる・申される)、身内は謙譲
- 見分けは「動作主はだれか」
6. 小テストへ
→ 小テスト(k-09)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編』── 「言葉の特徴や使い方に関する事項(敬語)」第 2・3 学年
- 文化審議会答申『敬語の指針』(平成 19 年・文化庁)(https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/sokai/sokai_6/pdf/keigo_tousin.pdf)── 敬語 5 分類と用例。中学では尊敬・謙譲・丁寧の 3 分類で扱う
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/koko/japanese/k-09/ / 更新 2026-09-12