中1〜3 国語 / 表現 / k-13
作文と表現の決まり(原稿用紙・条件作文・表現技法)
この単元でできるようになること
- 原稿用紙の使い方(書き出しと段落は 1 マスあける・句読点や閉じかっこは行頭に置かない・促音拗音は 1 マス・会話文はかぎかっこ・数字の扱い)が守れる
- 入試の(資料・グラフを読んで意見、テーマ作文、手紙)を、字数・段落数・文体(常体/敬体の統一)の条件を守って書ける
- 文の組み立ての誤り(主語と述語のねじれ・修飾語の位置・重複表現・呼応の副詞・二重否定・ら抜き・さ入れ・話し言葉)を直せる
- 手紙・メールの形式(前文・主文・末文・後付け、頭語と結語:拝啓−敬具、時候のあいさつ)と、面接・スピーチの基本がわかる
- 資料(グラフ・表)の読み取りと、意見 → 理由 → 具体例 → まとめの構成で書ける
入試での位置づけ
公立高校入試では200〜250 字程度の条件作文がほぼ全県で出題。配点は 10〜15 点で型を守れば部分点が確実に取れる。減点されやすいのは原稿用紙の使い方・常体敬体の混在・主述のねじれ・字数不足。小テストで問うのは「決まり」の部分。
1. 原稿用紙の使い方
まずここだけ
| 決まり | 内容 |
|---|---|
| 書き出し・段落の始め | 1 マスあける |
| 句点(。)・読点(、) | 1 マス使う。行頭には置かない → 前の行の最後のマスに文字と一緒に入れる(または欄外) |
| 閉じかぎ(」) | 行頭に置かない(句点と同じ扱い)。「。」と「」」は同じマスに入れてよい |
| 開きかぎ(「) | 行末に 1 マス残ったときは次の行の頭か、そのマスに書いてよい |
| 促音(っ)・拗音(ゃゅょ) | 1 マスに 1 字。行頭に来てもよい |
| 会話文 | 「 」でくくり、改行して書くのが基本(字数制限がきついときは改行しない指示もある) |
| 数字 | 縦書きは漢数字(三年・二〇二六年)。横書きは算用数字で 1 マス 2 桁可 |
| 記号 | 「……」は 2 マス、「──」は 2 マス。「!」「?」は 1 マスで次を 1 マスあける |
| 題名・名前 | 指示があるときだけ。題名は 2〜3 マスあけて、名前は下を 1 マスあける |
| 訂正 | 消して書き直す。入試では消しゴムで丁寧に |
字数の数え方:句読点・かぎかっこも 1 字。「〜字以内」は8 割以上、「〜字程度」は±1 割。段落の空白マスも数える(指示がなければ)。
2. 条件作文の書き方
まずここだけ
よく出る条件:①字数(150〜250 字)②段落数(2 段落で:1 段落目に資料の読み取り、2 段落目に意見)③文体(常体「だ・である」か敬体「です・ます」に統一)④資料の数値や語を使う ⑤自分の体験を入れる。
構成の型(意見文):
- 意見(結論を先に):「私は〜だと考える。」
- 理由:「なぜなら〜からだ。」
- 具体例・体験:「たとえば〜。」「私は〜したことがある。」
- まとめ(言いかえ・今後):「だから〜したい。」
資料の読み取りの型:「資料を見ると、A は〜%で最も多く、B は〜年から〜年にかけて増えていることがわかる。」→ 数値を 1 つ以上入れる。「最も多い」「約半数」「〜倍」「増加・減少」。
手順:①条件を丸で囲む ②メモ(意見・理由・例を一言ずつ)③字数配分(250 字なら 意見 40・理由 60・例 100・まとめ 50)④書く ⑤読み直し(常体敬体・主述・字数・原稿用紙)。
書き出しの例:「私は、〜という意見に賛成だ。」「資料から、〜ということが読み取れる。」 避けること:「〜と思います」の連発、話し言葉(「とか」「〜みたいな」「なので(文頭)」「やっぱり」「すごく」)、「私的には」、一文が長すぎる(60 字以内を目安)。
3. 文の組み立ての誤りと直し方
ここまでできれば十分
| 誤り | 例 → 直し |
|---|---|
| 主語と述語のねじれ | 私の夢は医者になりたい。→ 私の夢は医者になることだ。/私は医者になりたい。 |
| 修飾語の位置・読点 | 白い大きな犬の首輪 → 大きな白い犬の首輪/(どれが白いか読点で示す) |
| 重複表現 | 頭痛が痛い・馬から落馬・一番最初・まず初めに → 頭が痛い・落馬・最初 |
| 呼応の副詞 | 決して忘れる → 決して忘れない。たぶん行く → たぶん行くだろう。 |
| 二重否定のあいまいさ | 行かないわけではない → 行く/行くつもりだ |
| ら抜き言葉 | 食べれる・見れる・来れる → 食べられる・見られる・来られる(可能動詞「読める」は○) |
| さ入れ言葉 | 読まさせる・行かさせていただく → 読ませる・行かせていただく |
| 常体と敬体の混在 | 私は賛成だ。理由は〜です。→ どちらかに統一 |
| 接続語の誤用 | 文頭の「なので」(話し言葉)→ だから・そのため |
| 「〜たり」の片方省略 | 読んだり書く → 読んだり書いたりする |
| 「〜について」の乱用・受け身の多用 | 能動で簡潔に |
| 敬語の誤り | → k-09 |
推敲のチェック 5 つ:①主語と述語は対応しているか ②一文 60 字以内か ③常体敬体は統一か ④字数は 8 割以上か ⑤原稿用紙の決まり(行頭の句読点・段落の 1 マス)。
4. 手紙・メール・スピーチ
ここまでできれば十分
手紙の構成:
| 部分 | 内容 |
|---|---|
| 前文 | 頭語(拝啓・前略)+時候のあいさつ(「寒さも厳しい折」「新緑の美しい季節となりました」)+相手の安否・お礼 |
| 主文 | 「さて」で本題へ |
| 末文 | 結びのあいさつ(「ご自愛ください」)+結語(拝啓 → 敬具、前略 → 草々、女性は「かしこ」も) |
| 後付け | 日付・署名(自分)・宛名(相手、「様」)の順。宛名は行頭に、自分の名は行末に |
頭語と結語の対応:拝啓−敬具、謹啓−謹白(敬白)、前略−草々(前文を省く)。返信:拝復−敬具。 時候のあいさつ(月):1 月 初春・寒さ厳しい/3 月 早春・日ごとに暖かく/5 月 新緑/7 月 盛夏・暑中お見舞い/9 月 初秋/11 月 晩秋・紅葉/12 月 師走・年の瀬。 はがき・封筒:宛名は中央大きく、「様」「御中(団体)」「先生」、差出人は左下小さく。 メール:件名を具体的に、宛名 → あいさつ → 本文 → 署名。 敬称:様・殿(目下)・先生・御中・各位。
スピーチ・面接:結論 → 理由 → 具体例の順、聞き手を見る、1 分=約 300 字、「〜と思います」は断定的に言いかえる。話し言葉と書き言葉の区別(「ちょっと→少し」「けど→けれど」「やっぱり→やはり」「全然→まったく」)。
資料・グラフの読み取り語:「〜を占める」「〜を上回る・下回る」「〜の約 2 倍」「〜年をピークに減少」「横ばい」。
5. よくある間違い
- 行頭に「。」「、」「」」を置く(前の行の最後のマスに入れる)
- 書き出し・段落で 1 マスあけない
- 「私の夢は医者になりたい」のねじれ(〜なることだ)
- 「決して忘れる」「たぶん行く」(呼応:ない・だろう)
- 文頭の「なので」「でも」「だけど」(書き言葉では だから・しかし)
- 常体と敬体の混在
- 拝啓 − 草々、前略 − 敬具の組み合わせ(拝啓 − 敬具、前略 − 草々)
- 「〜字以内」で半分しか書かない(8 割以上)
6. 自己チェック
- 原稿用紙:1 マスあけ・行頭に句読点×・促音拗音 1 マス・会話は改行
- 条件作文:意見 → 理由 → 例 → まとめ。数値を入れる。常体敬体統一。8 割以上
- 直す:主述のねじれ・重複・呼応・ら抜き・さ入れ・文頭なので
- 手紙:前文(拝啓+時候)→ 主文(さて)→ 末文(敬具)→ 後付け(日付・署名・宛名)
- 書き言葉と話し言葉の区別
7. 小テストへ
→ 小テスト(k-13)
関連する単元
- 前提:k-05 文の成分(主述)、k-06 品詞(呼応の副詞・接続詞)、k-07 活用(ら抜き)、k-09 敬語
- 次に進む:(国語の最後)
- ここで使う考え方が出てくる:制度ページ(高校の作文・面接)、勉強法
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編』── 「B 書くこと(題材の設定・構成の検討・推敲・共有)」第 1〜3 学年
- 文化庁「公用文作成の考え方」(令和 4 年建議)(https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/)── 句読点・数字・書き言葉の基準
- 各都道府県教育委員会「入学者選抜 学力検査問題(国語)」── 条件作文の出題形式の確認
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/koko/japanese/k-13/ / 更新 2026-09-12