中1〜3 国語 / 古典 / k-10

更新 2026-09-12

歴史的仮名遣いと古文の基礎(係り結び・古語・作品)

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

仮名遣いの書き換え(「いふ → いう」「けふ → きょう」)は古文の大問でほぼ必ず 1 問。古語の意味(「あやし」=不思議だ・身分が低い、「うつくし」=かわいい、「ありがたし」=めったにない)と作品と作者(徒然草=兼好法師、枕草子=清少納言、おくのほそ道=芭蕉)も定番。主語の補いと係り結びは記述の土台。


1. 歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに

まずここだけ

規則
語頭以外の「は・ひ・ふ・へ・ほ」→「わ・い・う・え・お」れ → あれ、い → い、か → か、な → な、にほひ → におい(語頭の「は」はそのまま:はな)
「ゐ・ゑ・を」→「い・え・お」る → る、こ → こかし → かし、とこ → とこ
「ぢ・づ」→「じ・ず」 → は、み → み、いれ → い
「くわ・ぐわ」→「か・が」くわし(菓子)→
「む」→「ん」(助動詞・一部) → な、いは → いわ、こ → こ
長音 あ段+う → お段+う → よ、か → こ、あぎ → あう → おうぎ、たま → たまう → たも
  い段+う → い段+ゅううつくし → うつくしゅう、き → きゅう
  え段+う → い段+ょう → けう → きょう、て → ちょう、せそこ → しょうそこ

手順:①〜④を先に直してから、⑥の長音を見る(「けふ」→ まず「けう」→ 次に「きょう」)。 注意:助詞の「は」「へ」「を」は現代でもそのまま(「花は」「川へ」「本を」)。

「をとこもすなる日記といふものを」→「おとこもすなる日記というものを」 「やうやう白くなりゆく山ぎは」→「ようよう白くなりゆく山ぎわ」


2. よく出る古語

まずここだけ

古語意味注意
いととても・たいそう
をかし趣がある・美しい・おもしろい現代の「おかしい(変だ)」ではない
あやし不思議だ身分が低い・みすぼらしい2 つの意味
うつくしかわいらしい・いとおしい現代の「美しい」とずれる
ありがたしめったにない・珍しい「感謝」ではない
つきづきし似つかわしい・ふさわしい
やがてそのまま・すぐに現代の「しばらくして」ではない
ゆかし見たい・知りたい・心が引かれる
さらなり言うまでもない「春はあけぼの」に
げに本当に・なるほど
あさまし驚きあきれる現代の「卑しい」ではない
おどろく目を覚ます・気づく「びっくり」だけではない
いみじひどく・たいへん(良くも悪くも)
なつかし心が引かれる・親しみやすい
はづかし立派だ(こちらが恥ずかしくなるほど)・恥ずかしい
ののしる大声で騒ぐ・評判になる「悪口」ではない
わろしよくない(「あし」ほどではない)よし>よろし>わろし>あし
心にくし奥ゆかしい・上品だ
らうたしかわいい
すさまじ興ざめだ
あした「明日」ではない
つとめて早朝・翌朝
ゐる(居る)座る・いる
のたまふおっしゃる(尊敬)
まゐる参上する(謙譲)
候ふ(さうらふ)あります・おります(丁寧)

3. 古文の決まり

ここまでできれば十分

係り結び:文中に係助詞があると、文末が終止形でなく決まった形になる。

係助詞文末意味
ぞ・なむ・や・か連体形強調(ぞ・なむ)、疑問・反語(や・か)
こそ已然形強調

「月こそあれ」「いづれの山天に近」「花昔の香ににほひける

主語の省略:古文は主語を省くことが多い → 敬語の有無接続助詞「て」(主語は同じことが多い)・「を・に・ば」(主語が変わることが多い)で判断。 敬語:尊敬語(のたまふ・おはす・給ふ)は身分の高い人の動作、謙譲語(申す・まゐる・奉る)は身分の高い人への動作。 会話文:「と」「とて」「と言ふ」の前までが会話。 ものの名前有明の月十五夜月の異名(1 月むつき・3 月やよい・5 月さつき・7 月ふみづき・12 月しわす)、方角・時刻(子=北・午=南・真夜中「子の刻」・正午「午の刻」)。

和歌五・七・五・七・七(31 音)。句切れ(意味の切れ目。初句切れ〜四句切れ)。枕詞(決まった語を導く 5 音:あしひきの → 山ちはやぶる → 神たらちねの → 母ひさかたの → 光・天)。掛詞(1 語に 2 つの意味:「まつ」=松・待つ、「あき」=秋・飽き)。序詞体言止め倒置俳句:五・七・五、季語切れ字(や・かな・けり)。


4. 主な作品

ここまでできれば十分

時代作品作者ジャンル・冒頭など
奈良万葉集大伴家持ら最古の和歌集・万葉がな・防人の歌
平安竹取物語不明最古の物語(「物語の出で来はじめの祖」)「今は昔、竹取の翁といふ者ありけり」
平安伊勢物語不明歌物語(在原業平)
平安古今和歌集紀貫之ら最初の勅撰和歌集・仮名序
平安土佐日記紀貫之仮名の日記
平安枕草子清少納言随筆「春はあけぼの」
平安源氏物語紫式部長編物語・光源氏
平安末今昔物語集不明説話集「今は昔」
鎌倉新古今和歌集藤原定家ら後鳥羽上皇の命
鎌倉方丈記鴨長明随筆「ゆく河の流れは絶えずして」無常観
鎌倉平家物語不明軍記物語「祇園精舎の鐘の声」琵琶法師
鎌倉徒然草兼好法師(吉田兼好)随筆「つれづれなるままに」
鎌倉宇治拾遺物語不明説話集(こぶとり・わらしべ)
室町御伽草子一寸法師など
江戸おくのほそ道松尾芭蕉俳諧紀行文「月日は百代の過客にして」
江戸『南総里見八犬伝』『東海道中膝栗毛』馬琴・一九

三大随筆枕草子・方丈記・徒然草三大和歌集=万葉・古今・新古今。


5. よくある間違い


6. 自己チェック

  1. は行転呼(語頭以外)・ゐゑを・ぢづ・くわ・む→ん・長音(あう→おう、いう→ゆう、えう→よう)
  2. をかし=趣、あやし=不思議/身分低い、うつくし=かわいい、ありがたし=珍しい、やがて=すぐに
  3. ぞなむやか → 連体形、こそ → 已然形。主語は敬語と「て」「を・に・ば」で
  4. 三大随筆:枕草子(清少納言・平安)、方丈記(鴨長明・鎌倉)、徒然草(兼好・鎌倉)
  5. 和歌 5 7 5 7 7・枕詞(あしひきの→山・ちはやぶる→神・たらちねの→母)

7. 小テストへ

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参考資料

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