高1 / 漢文 / jk-02

更新 2026-09-13

句形①(否定・疑問・反語・使役・受身)

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

漢文の設問の中心は句形。「部分否定と全部否定(不常 vs 常不)」「反語の訳(〜だろうか、いや〜ない)」「使役の『使〜しむ』」「受身の『為〜所〜』」は毎年どこかで問われます。句形 → 読み → 訳を 1 セットで暗記し、本文中で形を見つけられるようにします。


1. 否定

まずここだけ

読み意味
不・弗〜ず〜ない(動作・状態の否定)知(知らず)
無・莫・勿なし〜がない(存在の否定)人(人無し)
非・匪〜にあらず〜ではない(断定の否定)君子(君子にあらず)
勿・莫・無・毋(文頭)〜(する)なかれ禁止:〜するな言(言ふ勿かれ)、己所不欲、勿施於人
いまだ〜ずまだ〜ない(再読)

部分否定と全部否定(最重要):

読み意味
不+副詞(不常・不必・不復・不倶・不甚・不尽)常には〜ず・必ずしも〜ず・復た〜ず部分否定:いつも〜とは限らない・必ず〜とは限らない・二度とは〜ない
副詞+不(常不・必不・復不)常に〜ず・必ず〜ず・復た〜ず全部否定:いつも〜ない・必ず〜ない

不常有」→ 常には有らず(いつもあるわけではない)/「常不有」→ 常に有らず(いつもない) 「不復帰」→ 復た帰らず(二度とは帰らない)/「復不帰」→ 復た帰らず(また帰らなかった)※読みは同じ、送り仮名で区別されることもある

二重否定 = 強い肯定:

読み意味
無不〜(せ)ざる(は)なし〜しないものはない = すべて〜する
無非〜にあらざる(は)なし〜でないものはない
非不〜(せ)ざるにあらず〜しないのではない
不可不〜(せ)ざるべからず〜しなければならない
不敢不敢へて〜ずんばあらず〜せざるをえない
不得不〜(せ)ざるを得ず〜しないわけにはいかない
未嘗不未だ嘗て〜ずんばあらず〜しなかったことはない
不敢(敢へて〜ず)= 決して〜しない/敢不(敢へて〜ざらんや)= どうして〜しないことがあろうか(反語)。

2. 疑問

まずここだけ

疑問詞(文頭・動詞の前)+文末「〜(や/か)」文末が連体形+「か」または終止形+「や」

読み意味
なに・なんぞ・なんの・いづれ何(何を・どうして・何の・どれ)
何為なんすれぞどうして
何以なにをもつてどうして・何によって
誰・孰たれ・いづれ誰・どちら
安・焉・寧・悪いづくにか(場所)・いづくんぞ(理由:反語が多い)どこに・どうして
何如・何若・奈何いかん(文末)どうであるか(状態・評価)
如何・若何・奈何いかん(せん)どうすればよいか・どうして(手段・方法。目的語をはさむ「如〜何」:如之何 = 之を如何せん)
幾何・幾許いくばくどれほど
乎・哉・也・邪・耶・与(文末)〜か・〜や〜か

「子ヲカ」→ 子は何をか好む(あなたは何を好むか)


3. 反語

まずここだけ

反語 = 疑問の形で強い否定(または肯定)を表す。訳は「〜だろうか、いや〜ない」。 見分け方文末が「〜ん(や)」(推量「む」の連体形・終止形)なら反語、「〜(や/か)」に「ん」がなければ疑問。

読み意味
豈〜(ん)やあに〜(ん)やどうして〜か、いや〜ない(最頻出)。「豈〜ざらんや」= どうして〜しないことがあろうか(= 必ず〜する)
安〜(ん)やいづくんぞ〜(ん)やどうして〜か、いや〜ない
何〜(ん)やなんぞ〜(ん)やどうして〜か、いや〜ない
誰〜(ん)やたれか〜(ん)や誰が〜か、いや誰も〜ない
寧〜(ん)やいづくんぞ〜(ん)や
敢不〜(ん)やあへて〜ざらんやどうして〜しないことがあろうか
独〜(ん)やひとり〜(ん)やただ〜だけだろうか、いやそうではない
不亦〜乎また〜ずやなんとも〜ではないか(詠嘆的な反語)
〜乎/〜(ん)や文末だけで反語になることも

燕雀安知鴻鵠之志哉」→ 燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや(小鳥にどうして大鳥の志がわかろうか、いやわからない)


4. 使役

まずここだけ

読み意味
使・令・教・遣 A VA をして V(未然形)しむA に V させる
命 A V・説 A VA に命じて V(せ)しむ命じて〜させる
文脈による使役使役の字がなくても「〜しむ」と読む(医を召して〔診せ〕しむ)

天帝使我長百獣」→ 天帝我をして百獣に長たらしむ(天帝は私に百獣の長をさせた)


5. 受身

まずここだけ

読み意味
見 V・被 VV(せ)らる・V(せ)るV される
為 A 所 VA の V する所と為るA に V される(最重要)
V 於(于・乎)AA に V(せ)らるA に V される
文脈による受身目的語がなく「〜らる」と読むサル(殺される)

労力者治於人」→ 労力者は人に治めらる


6. 句形の識別の手順

まずここだけ

  1. 文頭・文中の句形の字(不・無・非・何・安・豈・使・見・為〜所)に印
  2. 文末を見る:「ん(や)」→ 反語、「や/か」→ 疑問、「なかれ」→ 禁止、「〜ずんばあらず」→ 二重否定
  3. 副詞と否定の順:不+副詞 → 部分否定、副詞+不 → 全部否定
  4. 使役・受身は「誰が誰に」を補う(A をして V しむ:A が動作主。A の V する所と為る:A が動作主で主語は受け手)
  5. 訳すときは句形の型どおりに(反語は「〜か、いや〜ない」まで)

7. よくある間違い


8. 自己チェック

  1. 不・無・非・勿 の読みと意味の違いを言えるか
  2. 部分否定と全部否定を「不常」「常不」で説明できるか
  3. 二重否定 5 つ(無不・非不・不可不・不敢不・不得不)を読めるか
  4. 疑問詞 8 つの読みと、何如/如何の違いを言えるか
  5. 反語の型(豈・安・誰・敢不・不亦〜乎)と見分け方(文末の「ん」)を言えるか
  6. 使役「使 A V」と受身「見 V・為 A 所 V・V 於 A」を読めるか

9. 小テストへ

→ 小テスト(jk-02

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参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から

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