数学Ⅱ 数学 / 微分・積分 / h2-12
関数の増減・極値・最大最小
この単元でできるようになること
- f′(x) の符号から関数の増減がわかり、増減表がかける
- 極大値・極小値を求め、3 次関数のグラフがかける
- 定義域つきの最大値・最小値(端点と極値を比べる)が求められる
- 極値をもつ条件・もたない条件(f′(x) = 0 の判別式)が扱える
- 3 次方程式の実数解の個数を、グラフと直線の共有点で数えられる
- 文章題(体積・面積の最大)を微分で解ける
入試での位置づけ
共通テストの微分の大問は「導関数 → 増減表 → 極値 → 最大最小または解の個数」の流れがほぼ固定です。この単元の増減表を正確に速く書くことが得点の中心。「f(x) = k の実数解の個数」を「y = f(x) と y = k の共有点」で数える考え方は、国公立二次でも頻出です。
1. 関数の増減と f′(x) の符号
まずここだけ
ある区間で、
- f′(x) > 0 ⇒ f(x) は増加(接線の傾きが正 → 右上がり)
- f′(x) < 0 ⇒ f(x) は減少
- f′(x) = 0 の点で増減が入れかわることがある
増減表
f(x) = x³ − 3x² f′(x) = 3x² − 6x = 3x(x − 2) → f′(x) = 0 となる x = 0、2
| x | … | 0 | … | 2 | … |
|---|---|---|---|---|---|
| f′(x) | + | 0 | − | 0 | + |
| f(x) | ↗ | 0 | ↘ | −4 | ↗ |
f′(x) の符号は、f′(x) のグラフ(この例は下に凸の放物線)で判断:0 と 2 の外側で正、間で負。
2. 極値
まずここだけ
- 増加から減少に変わる点:極大(値を極大値)
- 減少から増加に変わる点:極小
上の例:x = 0 で極大値 0、x = 2 で極小値 −4。
極値は「その近くで一番大きい/小さい」であって、全体の最大・最小とは限らない。
3 次関数のグラフの形
f(x) = ax³ + … で、
- a > 0:↗ ↘ ↗(N 字)または単調増加
- a < 0:↘ ↗ ↘(逆 N 字)または単調減少
f′(x) = 0 が異なる 2 つの実数解をもつときだけ極値がある。
グラフをかく手順
- f′(x) を求め、f′(x) = 0 を解く
- 増減表
- 極値・y 切片(f(0))をとる
- なめらかにつなぐ
3. 極値をもつ条件(発展)
ここまでできれば十分
3 次関数 f(x) が極値をもつ ⇔ f′(x) = 0 が異なる 2 つの実数解をもつ ⇔ f′(x) の判別式 D > 0
f(x) = x³ + ax² + 3x が極値をもつ a の範囲 f′(x) = 3x² + 2ax + 3、D/4 = a² − 9 > 0 → a < −3 または a > 3
極値をもたない ⇔ D ≦ 0(D = 0 のときも極値なし:f′ が符号を変えない)
極値の条件から係数を決める
「f(x) = x³ + ax² + bx + c が x = 1 で極小値 −1、x = −1 で極大値をとる」→ f′(1) = 0、f′(−1) = 0、f(1) = −1 の 3 式。求めたあと、本当に極大・極小になっているか増減表で確認する(f′(1) = 0 は必要条件にすぎない)。
4. 最大値・最小値
ここまでできれば十分
定義域 a ≦ x ≦ b での最大・最小は、極値と両端 f(a)、f(b) を比べる。
f(x) = x³ − 3x²(−1 ≦ x ≦ 3) 極大 f(0) = 0、極小 f(2) = −4、端 f(−1) = −4、f(3) = 0 最大値 0(x = 0、3)、最小値 −4(x = −1、2)
増減表に端点の値も書き込む。
5. 方程式の実数解の個数
ここまでできれば十分
f(x) = k の実数解の個数 = y = f(x) のグラフと直線 y = k の共有点の個数
x³ − 3x² = k の実数解の個数 y = x³ − 3x² のグラフ(極大 0、極小 −4)と y = k:
- k > 0 または k < −4:1 個
- k = 0 または k = −4:2 個(接する)
- −4 < k < 0:3 個
定数 k を分離する(k だけを右辺に)のがコツ。「x³ − 3x² − k = 0」なら k を移項する。
不等式の証明(発展)
「x ≧ 0 で x³ − 3x + 2 ≧ 0 を示す」→ f(x) = x³ − 3x + 2 の x ≧ 0 での最小値が 0 以上であることを示す(f′ = 3x² − 3、x = 1 で極小 0)。
6. 文章題
もう一歩
1 辺 12 の正方形の 4 隅から 1 辺 x の正方形を切り取り、ふたのない箱を作る。容積が最大になる x V = x(12 − 2x)² = 4x³ − 48x² + 144x(0 < x < 6) V′ = 12x² − 96x + 144 = 12(x − 2)(x − 6) → 0 < x < 6 で x = 2 のとき極大 増減表で x = 2 で最大。x = 2、最大容積 128
定義域を先に決め、その中で増減表をかく。
7. よくある間違い
- f′(x) = 0 の解を「極値」と思う → 増減表で符号が変わるか確認(x³ は x = 0 で f′ = 0 だが極値でない)
- 増減表の f′ の符号を、f′ のグラフを見ずに決める
- 最大最小で端点を忘れる
- 解の個数の問題で、k を分離せずに判別式を使おうとする(3 次には使えない)
- 極値の条件から係数を求めたあと、確認をしない
8. 自己チェック
- f′(x) = 0 を解き、増減表を書いたか
- f′ の符号は f′ のグラフで決めたか
- 極大・極小の値を f(x) に代入して求めたか
- 最大最小は端点も比べたか
- 解の個数は定数分離 → 共有点
9. 小テストへ
→ 小テスト(h2-12)
関連する単元
- 前提:h2-11 導関数、h2-03 因数定理、h1-07 二次関数の最大最小
- 次に進む:h2-13 積分・面積
- ここで使う考え方が出てくる:数学Ⅲの微分(範囲外)、hb-03 数列(帰納法との組み合わせ)
参考資料
- 文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編 理数編』── 数学Ⅱ「(5) 微分・積分の考え ア(ア) 微分の考え(関数の値の変化)」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/daigaku/math/h2-12/ / 更新 2026-09-12