数学A 数学 / 場合の数と確率 / ha-01
場合の数 ── 和の法則・積の法則・順列・円順列・重複順列
この単元でできるようになること
- 和の法則(同時に起こらない → 足す)と積の法則(続けて起こる → かける)を使い分けられる
- 順列 ₙPᵣ = n(n − 1)…(n − r + 1) で「並べる」場合の数が求められる
- 「隣り合う」「隣り合わない」「両端」「特定の位置」の条件つき順列が解ける
- 円順列 (n − 1)!、じゅず順列 (n − 1)!/2 が使える
- 重複順列 nʳ(同じものを何度使ってもよい並べ方)が使える
- 約数の個数・辞書式順序など、積の法則の応用が解ける
入試での位置づけ
場合の数は共通テスト数学A の大問「場合の数と確率」の前半で、確率(ha-03・04)の分母・分子を数える道具です。「並べる(順列)」か「選ぶ(組合せ・ha-02)」かの区別、条件つき順列の処理が中心。数学B の数列や統計でも数え上げの考え方が使われます。
1. 和の法則と積の法則
まずここだけ
| 法則 | 場面 | 計算 |
|---|---|---|
| 和の法則 | 2 つの場合が同時には起こらない(「または」) | 足す |
| 積の法則 | 2 つの場合が続けて(両方)起こる(「そして」) | かける |
大小 2 個のさいころで、目の和が 5 または 6 になる:4 通り + 5 通り = 9 通り(和の法則) 服 3 着とズボン 2 本の組み合わせ:3 × 2 = 6 通り(積の法則)
樹形図と表
数が少ないときは樹形図か表でもれなく数える。法則はそれを速くする道具。
約数の個数(積の法則の応用)
72 = 2³ × 3² の正の約数は、2 の指数を 0〜3(4 通り)、3 の指数を 0〜2(3 通り)から選ぶので 4 × 3 = 12 個。
約数の個数 = (指数 + 1) の積。約数の総和は (1 + 2 + 4 + 8)(1 + 3 + 9) = 15 × 13 = 195。
2. 順列 ── 並べる
まずここだけ
異なる n 個から r 個を取り出して一列に並べる場合の数:
ₙPᵣ = n(n − 1)(n − 2)…(n − r + 1)(n から始めて r 個かける)
₅P₃ = 5 × 4 × 3 = 60 ₆P₂ = 6 × 5 = 30 n 個全部を並べる:ₙPₙ = n!(n の階乗)= n(n − 1)…2・1。5! = 120
考え方:1 番目の位置に n 通り、2 番目に n − 1 通り、…と積の法則。
0 を含む数字の並べ方
0、1、2、3、4 の 5 枚から 3 枚で 3 けたの整数:百の位に 0 は置けない。 百の位 4 通り(0 以外)× 十の位 4 通り(残り)× 一の位 3 通り = 48 個
制約の強い位置から決める。
偶数・5 の倍数
一の位から決める。0、1、2、3、4 から 3 けたの偶数:
- 一の位が 0:4 × 3 = 12
- 一の位が 2 or 4:百の位は 0 と一の位以外の 3 通り × 十の位 3 通り × 2(一の位)= 18
- 合計 30 個(和の法則で場合分けを足す)
3. 条件つき順列
ここまでできれば十分
隣り合う:隣り合うものを1 つにまとめて並べ、中の並べ方をかける。
A、B、C、D、E で A と B が隣り合う:(AB) C D E の 4 個を並べて 4! = 24、AB の中の順 2! = 2 → 48 通り
隣り合わない:先に他を並べて、そのすき間に入れる。
A と B が隣り合わない:C、D、E を並べて 3! = 6。すき間 4 か所(両端含む)から 2 か所を選んで A、B を置く ₄P₂ = 12 → 72 通り (検算:全体 120 − 隣り合う 48 = 72 ✓)
両端の条件:両端を先に決める。
両端が A と B:両端の並べ方 2 × 中 3! = 6 → 12 通り
「少なくとも」:全体 − 反対(余事象の考え方)。
4. 円順列・じゅず順列
ここまでできれば十分
円順列:n 個を円形に並べる → 回転して同じになるものを 1 つと数える。
(n − 1)!(1 つを固定して、残りを並べる)
5 人が円卓に座る:(5 − 1)! = 24 通り
じゅず順列:裏返しても同じになるもの(ネックレス・ブレスレット)。
(n − 1)! / 2
5 色の玉でネックレス:24 / 2 = 12 通り
円順列の条件つき
5 人のうち A と B が隣り合う円順列:(AB) をまとめて 4 個の円順列 3! = 6、AB の中 2 → 12 通り
5. 重複順列
ここまでできれば十分
同じものを何度でも使ってよい並べ方:nʳ
1、2、3 の 3 つの数字を使って(重複可)3 けたの整数:3³ = 27 個 5 人を 2 つの部屋 A、B に入れる(空室可):各人 2 通り → 2⁵ = 32 通り 空室なし:32 − 2(全員 A・全員 B)= 30 通り
「使う側」の数を「入れる側」の数だけかける(人が部屋を選ぶ:2 を 5 回)。
6. 辞書式順序(発展)
もう一歩
a、b、c、d、e の 5 文字を並べてアルファベット順に並べたとき、「cbade」は何番目か。
- a で始まる:4! = 24 個
- b で始まる:24 個(ここまで 48)
- c a で始まる:3! = 6 個(54)
- c b a で始まる:2! = 2 個(56) ※ cbade は c b a d e なので、この 2 個の中
- c b a d e は c b a 〜 の 1 番目 → 55 番目
先頭から順に「それより前の文字で始まるものの個数」を足す。
7. 自己チェック
- 「または」なら足す、「そして」ならかける
- 並べる(順列)か、選ぶだけ(組合せ)か
- 0 が先頭に来ないか、制約の強い位置から決めたか
- 隣り合う → まとめる、隣り合わない → すき間
- 円順列は (n − 1)!、じゅずは ÷ 2
- 重複を許す並べ方は nʳ
8. 小テストへ
→ 小テスト(ha-01)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編 理数編』── 数学A「(2) 場合の数と確率 ア(ア) 場合の数(順列)」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/daigaku/math/ha-01/ / 更新 2026-09-12