数学A 数学 / 場合の数と確率 / ha-03
確率 ── 基本・余事象・独立試行・反復試行
この単元でできるようになること
- 確率 P(A) = (A の場合の数)/(全体の場合の数)を、同様に確からしい根元事象で計算できる
- 和事象 P(A ∪ B) = P(A) + P(B) − P(A ∩ B)、排反なら足すだけ、が使える
- 余事象 P(Ā) = 1 − P(A) で「少なくとも 1 つ」を速く求められる
- 独立な試行の確率は積で求められる
- 反復試行の確率 ₙCᵣ pʳ (1 − p)ⁿ⁻ʳ が使える
入試での位置づけ
確率は共通テスト数学A の大問の後半で、「少なくとも」→ 余事象、「〜回中〜回」→ 反復試行が毎年のように出ます。組合せ(ha-02)で分母・分子を数える力と、独立・排反の区別が土台。条件付き確率(ha-04)へ続きます。
1. 確率の定義
まずここだけ
起こりうるすべての結果(根元事象)が同様に確からしいとき、
P(A) = (A が起こる場合の数)/(全体の場合の数)= n(A) / n(U)
さいころ 1 個で偶数:3/6 = 1/2 2 個のさいころで和が 7:全体 36 通り、(1,6)(2,5)(3,4)(4,3)(5,2)(6,1) の 6 通り → 1/6
さいころ 2 個・コイン 2 枚は「区別して」数える(大小・表裏の組を 36 通り・4 通りとする)。区別しないと同様に確からしくならない。
組合せで数える
赤玉 3 個・白玉 2 個から 2 個取り出して両方赤:₅C₂ = 10 通り中、₃C₂ = 3 通り → 3/10 赤 1 個・白 1 個:₃C₁ × ₂C₁ = 6 → 6/10 = 3/5
玉は全部区別して数える(同じ色でも別の玉)。
2. 和事象・排反・余事象
まずここだけ
和事象:A または B が起こる確率 P(A ∪ B) = P(A) + P(B) − P(A ∩ B)
A と B が排反(同時に起こらない)なら P(A ∩ B) = 0 で、P(A ∪ B) = P(A) + P(B)。
1〜10 のカード 1 枚で、2 の倍数または 3 の倍数:5/10 + 3/10 − 1/10(6 の倍数)= 7/10
余事象:A が起こらない事象 Ā。P(Ā) = 1 − P(A)
「少なくとも 1 つ」「〜でない」は余事象が速い。
2 個のさいころで少なくとも 1 個が 6:1 − (5/6)² = 1 − 25/36 = 11/36 5 人から 3 人選んで少なくとも 1 人女子(男 3 女 2):1 − ₃C₃/₅C₃ = 1 − 1/10 = 9/10
3. 独立な試行の確率
まずここだけ
2 つの試行が互いに影響しない(独立)とき、両方が起こる確率は積。
P(A かつ B) = P(A) × P(B)
さいころを 2 回投げて、1 回目が偶数で 2 回目が 6:(1/2) × (1/6) = 1/12 コインを 3 回投げて全部表:(1/2)³ = 1/8 袋から玉を取り出して戻してからもう 1 回(復元抽出)は独立。戻さない(非復元)は独立でない(ha-04)
「または」と「かつ」
- 「A または B」→ 足す(重なりを引く)
- 「A かつ B」(独立)→ かける
4. 反復試行の確率
ここまでできれば十分
同じ試行を n 回くり返し、1 回あたり A が起こる確率が p のとき、A がちょうど r 回起こる確率は
ₙCᵣ pʳ (1 − p)ⁿ⁻ʳ
(r 回起こる「場所」の選び方 ₙCᵣ 通り × それぞれの確率 pʳ(1 − p)ⁿ⁻ʳ)
さいころを 4 回投げて 1 の目がちょうど 2 回:₄C₂ (1/6)² (5/6)² = 6 × (1/36) × (25/36) = 25/216 コインを 5 回投げて表が 3 回:₅C₃ (1/2)³ (1/2)² = 10/32 = 5/16 「少なくとも 1 回」:1 − (0 回の確率)= 1 − (5/6)⁴
「〜回以上」
足す:3 回以上 = 3 回 + 4 回 + 5 回。または余事象。
最後の回が決まっている型(発展)
「5 回目に 3 度目の表が出る」:4 回目までに表が 2 回(₄C₂ (1/2)² (1/2)²)× 5 回目が表(1/2)= 6/16 × 1/2 = 3/16
最後の 1 回を固定して、その前を反復試行で数える。
5. 点の移動・ゲームの確率(発展)
もう一歩
数直線上の点:コインで表なら +1、裏なら −1。5 回で原点から +1 の位置 → 表 3 回・裏 2 回 → ₅C₃ (1/2)⁵ = 10/32 = 5/16
じゃんけん:3 人でじゃんけんして 1 人だけ勝つ:全体 3³ = 27、勝つ人 3 通り × 手 3 通り = 9 → 1/3。あいこ:1 − (1 人勝ち 9 + 2 人勝ち 9)/27 = 1/3
6. よくある間違い
- さいころ 2 個で「和が 7」を「(1,6)、(2,5)、(3,4) の 3 通り」と数える → 大小を区別して 6 通り
- 同じ色の玉を区別せずに数える → 全部区別する
- 「または」なのにかける、「かつ」なのに足す
- 反復試行で ₙCᵣ を忘れる(順序の分だけ倍になる)
- 余事象の 1 − を忘れる
7. 自己チェック
- 全体と A の場合の数を、同じ数え方(区別して)で数えたか
- 「少なくとも」は余事象
- 排反なら足す、独立なら かける
- 反復試行は ₙCᵣ × pʳ × (1 − p)ⁿ⁻ʳ
- 確率は 0 以上 1 以下になっているか
8. 小テストへ
→ 小テスト(ha-03)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編 理数編』── 数学A「(2) 場合の数と確率 ア(イ) 確率(独立な試行と確率)」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/daigaku/math/ha-03/ / 更新 2026-09-12