高1 / 化学基礎 / cb-08

更新 2026-09-12

中和反応と塩・中和滴定

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

中和滴定は化学基礎の計算・実験の両方で最頻出です。共通テストでは「a c V = b c′ V′ で未知の濃度を求める」「滴定曲線から酸・塩基の強弱と指示薬を選ぶ」「器具の使い方(共洗い)」「塩の液性」が定番。式は 1 つだけなので、価数と単位(mL → L)を確実に。


1. 中和反応と塩

まずここだけ

中和:酸の H⁺ と塩基の OH⁻ が結びついて水になり、残りがになる。 酸 + 塩基 → 塩 + 水

塩基反応式
HClNaOHHCl + NaOH → NaCl + H₂O塩化ナトリウム
H₂SO₄2NaOHH₂SO₄ + 2NaOH → Na₂SO₄ + 2H₂O硫酸ナトリウム
2HClCa(OH)₂2HCl + Ca(OH)₂ → CaCl₂ + 2H₂O塩化カルシウム
CH₃COOHNaOHCH₃COOH + NaOH → CH₃COONa + H₂O酢酸ナトリウム
HClNH₃HCl + NH₃ → NH₄Cl塩化アンモニウム(水はできない)

塩の分類(化学式の形による。液性とは別):


2. 中和の量的関係 ── a c V = b c′ V′

まずここだけ

過不足なく中和するとき:酸が出す H⁺ の mol = 塩基が出す OH⁻ の mol a × c × V = b × c′ × V′(a・b:価数、c・c′:モル濃度、V・V′:体積 L)

0.10 mol/L 塩酸 20 mL を中和する 0.10 mol/L NaOH:1 × 0.10 × 20 = 1 × 0.10 × V′ → 20 mL 0.10 mol/L 硫酸 10 mL を中和する 0.20 mol/L NaOH:2 × 0.10 × 10 = 1 × 0.20 × V′ → 10 mL 濃度不明の酢酸 10 mL に 0.10 mol/L NaOH が 15 mL 必要:1 × c × 10 = 1 × 0.10 × 15 → c = 0.15 mol/L

固体の塩基:mol = g ÷ モル質量 で mol を出してから価数をかける。


3. 塩の水溶液の液性

ここまでできれば十分

「正塩の水溶液が中性とは限らない」。もとの酸・塩基の強いほうの性質が残る。

組み合わせ塩の例液性
強酸 + 強塩基NaCl、Na₂SO₄、KNO₃中性
強酸 + 弱塩基NH₄Cl、(NH₄)₂SO₄酸性
弱酸 + 強塩基CH₃COONa、Na₂CO₃、NaHCO₃塩基性
酸性塩 NaHSO₄酸性(H⁺ を出す)

理由:CH₃COO⁻ が水から H⁺ を奪って CH₃COOH に戻り、OH⁻ が残る(塩の加水分解)。

弱酸の遊離:弱酸の塩 + 強酸 → 強酸の塩 + 弱酸

CH₃COONa + HCl → NaCl + CH₃COOH CaCO₃ + 2HCl → CaCl₂ + H₂O + CO₂(炭酸が分解) 弱塩基の遊離:NH₄Cl + NaOH → NaCl + NH₃ + H₂O


4. 中和滴定 ── 操作と器具

まずここだけ

濃度のわかった溶液(標準溶液)で、濃度不明の溶液を中和して濃度を求める操作。

器具用途水でぬれたまま
ホールピペット一定体積(例 10.00 mL)を正確にはかり取る× 共洗い
ビュレット滴下した体積を読む(0.01 mL まで)× 共洗い
コニカルビーカー溶液を受けて振り混ぜる○(溶質の量は変わらない)
メスフラスコ標準溶液を一定体積に調製

手順:①ホールピペットで試料をコニカルビーカーに取る → ②指示薬を数滴 → ③ビュレットから標準溶液を滴下 → ④色が変わって消えなくなった点(終点)の目盛りを読む → ⑤a c V = b c′ V′


5. 滴定曲線と指示薬

ここまでできれば十分

滴下量を横軸、pH を縦軸にしたグラフ。中和点付近で pH が急に変化する(pH ジャンプ)。指示薬は変色域がジャンプの範囲に入るものを使う。

酸 + 塩基中和点の pHジャンプ使える指示薬
強酸 + 強塩基7大きい(約 3〜11)フェノールフタレイン・メチルオレンジどちらも可
弱酸 + 強塩基(酢酸 + NaOH)7 より大(塩基性)塩基側だけフェノールフタレイン
強酸 + 弱塩基(HCl + NH₃)7 より小(酸性)酸側だけメチルオレンジ
弱酸 + 弱塩基ジャンプなし指示薬では不可

曲線の読み方:滴定開始時の pH で酸の強弱(強酸なら pH 1、弱酸なら 3 程度)、終点の pH で塩基の強弱がわかる。


6. よくある間違い


7. 自己チェック

  1. a c V = b c′ V′ を書け、価数を正しく入れられるか
  2. 強弱は中和の量に関係しない、と言えるか
  3. NaCl 中性、CH₃COONa 塩基性、NH₄Cl 酸性、と言えるか
  4. 共洗いする器具(ホールピペット・ビュレット)を言えるか
  5. 弱酸 + 強塩基はフェノールフタレイン、強酸 + 弱塩基はメチルオレンジ、と言えるか
  6. 弱酸の遊離の式を書けるか

8. 小テストへ

→ 小テスト(cb-08

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参考資料

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