高1 / 化学基礎 / cb-09

更新 2026-09-12

酸化と還元(酸化数・酸化剤と還元剤)

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

酸化還元は「酸化数の計算」と「酸化剤・還元剤の判定」が共通テストの定番で、毎年のように出ます。過マンガン酸カリウムの滴定(KMnO₄ の色が消えなくなる点)は計算問題として頻出。半反応式は覚えるより作り方の手順を身につけるほうが確実です。


1. 酸化・還元の 4 つの定義

まずここだけ

見方酸化還元
酸素酸素を受け取る酸素を失う
水素水素を失う水素を受け取る
電子電子を失う電子を受け取る
酸化数酸化数が増える酸化数が減る

酸化と還元は同時に起こる(一方が電子を失えば、他方が受け取る)。

2Cu + O₂ → 2CuO:Cu は酸素を受け取って酸化(0 → +2)、O は還元(0 → −2) Zn + Cu²⁺ → Zn²⁺ + Cu:Zn は電子を失って酸化、Cu²⁺ は電子を受け取って還元


2. 酸化数のルール

まずここだけ

ルール
① 単体の原子は 0H₂、O₂、Fe、Cu の各原子 0
② 化合物中の H は +1、O は −2H₂O(H +1、O −2)。例外:過酸化水素 H₂O₂ の O は −1、金属の水素化物 NaH の H は −1
③ 化合物中の酸化数の合計は 0H₂SO₄:(+1)×2 + S + (−2)×4 = 0 → S = +6
④ 単原子イオンの酸化数 = イオンの電荷Na⁺ +1、Cl⁻ −1、Fe³⁺ +3
⑤ 多原子イオンは合計 = 電荷MnO₄⁻:Mn + (−2)×4 = −1 → Mn = +7。SO₄²⁻ の S = +6、NO₃⁻ の N = +5
⑥ アルカリ金属は +1、アルカリ土類金属は +2KMnO₄ の K +1

よく出る酸化数:KMnO₄ の Mn +7、K₂Cr₂O₇ の Cr +6、H₂SO₄・SO₂ の S(+6・+4)、HNO₃・NO₂・NO の N(+5・+4・+2)、NH₃ の N(−3)、H₂O₂ の O(−1)、Cl₂ の Cl(0)、HCl の Cl(−1)

反応での判定:酸化数が増えた原子を含む物質が酸化された(還元剤)、減った原子を含む物質が還元された(酸化剤)


3. 酸化剤と還元剤

まずここだけ

酸化剤(電子を受け取る)半反応式
過マンガン酸カリウム KMnO₄(酸性)MnO₄⁻ + 8H⁺ + 5e⁻ → Mn²⁺ + 4H₂O(赤紫 → ほぼ無色)
二クロム酸カリウム K₂Cr₂O₇Cr₂O₇²⁻ + 14H⁺ + 6e⁻ → 2Cr³⁺ + 7H₂O(橙 → 緑)
過酸化水素 H₂O₂(酸化剤として)H₂O₂ + 2H⁺ + 2e⁻ → 2H₂O
塩素 Cl₂Cl₂ + 2e⁻ → 2Cl⁻
濃硝酸 HNO₃HNO₃ + H⁺ + e⁻ → NO₂ + H₂O
希硝酸HNO₃ + 3H⁺ + 3e⁻ → NO + 2H₂O
熱濃硫酸H₂SO₄ + 2H⁺ + 2e⁻ → SO₂ + 2H₂O
酸素 O₂O₂ + 4H⁺ + 4e⁻ → 2H₂O
還元剤(電子を失う)半反応式
シュウ酸 (COOH)₂(COOH)₂ → 2CO₂ + 2H⁺ + 2e⁻
硫化水素 H₂SH₂S → S + 2H⁺ + 2e⁻
二酸化硫黄 SO₂(還元剤として)SO₂ + 2H₂O → SO₄²⁻ + 4H⁺ + 2e⁻
過酸化水素 H₂O₂(還元剤として)H₂O₂ → O₂ + 2H⁺ + 2e⁻
ヨウ化カリウム KI2I⁻ → I₂ + 2e⁻
鉄(Ⅱ)イオンFe²⁺ → Fe³⁺ + e⁻
金属 Na・Zn などZn → Zn²⁺ + 2e⁻

H₂O₂ と SO₂ は相手によって酸化剤にも還元剤にもなる(強い酸化剤 KMnO₄ の前では還元剤)。

半反応式の作り方:①反応前後の物質を書く → ②O の数を H₂O で合わせる → ③H の数を H⁺ で合わせる → ④電荷を e⁻ で合わせる。


4. 酸化還元反応式と量的関係

ここまでできれば十分

酸化剤が受け取る電子の mol = 還元剤が失う電子の mol。 反応式の作り方:2 つの半反応式の e⁻ の数をそろえて足す。

KMnO₄(酸性)とシュウ酸:MnO₄⁻ の式 × 2 + (COOH)₂ の式 × 5(e⁻ 10 個) 2MnO₄⁻ + 5(COOH)₂ + 6H⁺ → 2Mn²⁺ + 10CO₂ + 8H₂O

酸化還元滴定:(酸化剤の mol × 受け取る e⁻ の数)=(還元剤の mol × 失う e⁻ の数)

0.020 mol/L KMnO₄ で濃度不明のシュウ酸 10 mL を滴定し、8.0 mL で終点(赤紫が消えなくなった) 0.020 × 8.0 × 5 = c × 10 × 2 → c = 0.040 mol/L KMnO₄ 自身が指示薬になる(終点で溶液が薄い赤紫に色づく)。硫酸酸性にする(塩酸は Cl⁻ が酸化されるので不可)


5. 身近な酸化還元


6. よくある間違い


7. 自己チェック

  1. 「電子を失う = 酸化 = 酸化数が増える」と言えるか
  2. H₂SO₄ の S、KMnO₄ の Mn、HNO₃ の N の酸化数を出せるか
  3. 酸化剤は電子を受け取り自分は還元される、と言えるか
  4. KMnO₄・K₂Cr₂O₇(酸化剤)、シュウ酸・H₂S・KI(還元剤)を言えるか
  5. 半反応式を H₂O・H⁺・e⁻ の順で作れるか
  6. 滴定の式に電子の数をかけられるか

8. 小テストへ

→ 小テスト(cb-09

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参考資料

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