高1 / 化学基礎 / cb-06
化学反応式と量的関係
この単元でできるようになること
- 化学反応式を書き、係数を合わせられる(未定係数法を含む)
- イオン反応式を書ける
- 反応式の係数の比 = 物質量の比 =(気体なら)体積の比を使って、反応する量・生成する量を計算できる
- 質量 → mol → 係数比 → mol → 質量(体積)の4 ステップで解ける
- 一方が余る(過不足のある)反応で、どちらが全部反応するかを判断できる
入試での位置づけ
化学基礎の計算問題の本丸です。共通テストでは「金属と酸の反応で発生する水素の体積」「燃焼で生じる CO₂ の質量」「過不足のある反応でのグラフ」が定番。手順は毎回同じ:①反応式を書く ②与えられた量を mol に ③係数比で相手の mol ④求める単位に。ここが身につけば cb-08(中和)・cb-10(電池)の計算も同じ型で解けます。
1. 化学反応式の書き方
まずここだけ
- 反応物を左辺、生成物を右辺に化学式で書く(→ でつなぐ)
- 両辺の各原子の数が等しくなるように係数をつける(化学式の中の数字は変えない)
- 係数 1 は書かない。最も簡単な整数比にする
係数の合わせ方:複雑な化学式(原子の種類が多い物質)の係数を 1 とし、順に決める。
メタンの燃焼:CH₄ + O₂ → CO₂ + H₂O C:CH₄ 1 → CO₂ 1。H:4 → H₂O 2。O:右辺 2 + 2 = 4 → O₂ 2 CH₄ + 2O₂ → CO₂ + 2H₂O
| 反応 | 反応式 |
|---|---|
| 水素の燃焼 | 2H₂ + O₂ → 2H₂O |
| プロパンの燃焼 | C₃H₈ + 5O₂ → 3CO₂ + 4H₂O |
| マグネシウムと塩酸 | Mg + 2HCl → MgCl₂ + H₂ |
| 亜鉛と硫酸 | Zn + H₂SO₄ → ZnSO₄ + H₂ |
| 炭酸カルシウムと塩酸 | CaCO₃ + 2HCl → CaCl₂ + H₂O + CO₂ |
| アルミニウムと塩酸 | 2Al + 6HCl → 2AlCl₃ + 3H₂ |
| 過酸化水素の分解 | 2H₂O₂ → 2H₂O + O₂ |
| アンモニアの合成 | N₂ + 3H₂ → 2NH₃ |
| 炭酸水素ナトリウムの熱分解 | 2NaHCO₃ → Na₂CO₃ + H₂O + CO₂ |
未定係数法:係数を a, b, c … とおき、原子ごとに方程式を立てる(複雑なときの保険)。
イオン反応式:反応に関係しないイオンを省く。
AgNO₃ + NaCl → AgCl + NaNO₃ → Ag⁺ + Cl⁻ → AgCl 両辺で電荷の合計も等しくする:Zn + 2H⁺ → Zn²⁺ + H₂
2. 反応式が表す量的関係
まずここだけ
係数の比 = 分子(粒子)の数の比 = 物質量の比 = 気体の体積の比(同温・同圧) 質量の比はではない(モル質量をかけて求める)。
2H₂ + O₂ → 2H₂O 分子:2 個 + 1 個 → 2 個/物質量:2 mol + 1 mol → 2 mol/体積:2 L + 1 L → 2 L(水蒸気のとき) 質量:4 g + 32 g → 36 g(質量保存)
3. 計算の 4 ステップ
まずここだけ
- 反応式を書く
- 与えられた量を mol に(g ÷ モル質量、L ÷ 22.4、濃度 × 体積)
- 係数の比で相手の mol を出す
- 求める単位に直す(× モル質量、× 22.4)
例:マグネシウム 4.8 g(Mg = 24)を十分な塩酸に入れたとき発生する水素は標準状態で何 L か ① Mg + 2HCl → MgCl₂ + H₂ ② Mg:4.8 ÷ 24 = 0.20 mol ③ Mg : H₂ = 1 : 1 → H₂ 0.20 mol ④ 0.20 × 22.4 = 4.48 L
例:プロパン 4.4 g(44)の完全燃焼で生じる CO₂ の質量(44)と、必要な酸素の体積 ① C₃H₈ + 5O₂ → 3CO₂ + 4H₂O ② 0.10 mol ③ CO₂ 0.30 mol、O₂ 0.50 mol ④ CO₂ 13.2 g、O₂ 11.2 L
4. 過不足のある反応 ── どちらが余るか
ここまでできれば十分
両方の量が与えられたら、係数比と比べて少ないほう(全部反応するほう)を基準に計算する。
水素 0.30 mol と酸素 0.10 mol:2H₂ + O₂ → 2H₂O O₂ 0.10 mol に必要な H₂ は 0.20 mol → H₂ は足りている → O₂ が基準。水 0.20 mol ができ、H₂ が 0.10 mol 余る
グラフ問題:金属の質量を横軸、発生する気体の体積を縦軸にすると、酸が十分な間は比例、酸が不足すると水平になる。折れ曲がる点がちょうど反応する量。
5. よくある間違い
- 係数を合わせるために化学式の中の数字(H₂O の 2)を変える
- 係数の比を質量の比だと思う
- mol に直さずに g のまま比例計算する
- 22.4 L/mol を液体(水)や標準状態以外の気体に使う
- 過不足の判断をせず、多いほうの量で計算する
- 反応式を書かずに計算を始める
6. 自己チェック
- CH₄・C₃H₈ の燃焼、Mg・Zn・Al と酸の反応式を書けるか
- 係数比 = mol 比 = 気体の体積比、質量比ではない、と言えるか
- 4 ステップ(式・mol・係数比・単位)で解けるか
- 過不足では少ないほうを基準にする、と言えるか
- イオン反応式で電荷も合わせられるか
7. 小テストへ
→ 小テスト(cb-06)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 理科編 理数編』── 「化学基礎」(2) ア 物質量と化学反応式(化学反応式と量的関係)
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/daigaku/science/cb-06/ / 更新 2026-09-12