高1 / 地学基礎 / eb-03
岩石と鉱物(火成岩・堆積岩・変成岩)
この単元でできるようになること
- 岩石を火成岩・堆積岩・変成岩に分け、それぞれのでき方を説明できる
- 火成岩を火山岩(斑状組織・急冷)と深成岩(等粒状組織・ゆっくり冷却)、および SiO₂ 量で 6 種に分類できる(玄武岩・安山岩・流紋岩/斑れい岩・閃緑岩・花こう岩)
- 造岩鉱物(かんらん石・輝石・角閃石・黒雲母・斜長石・カリ長石・石英)と有色鉱物・無色鉱物の関係を言える
- 堆積岩を砕屑岩(粒の大きさ:れき岩・砂岩・泥岩)・火山砕屑岩(凝灰岩)・生物岩(石灰岩・チャート)・化学岩に分類できる
- 変成岩(接触変成岩:ホルンフェルス・大理石、広域変成岩:片麻岩・結晶片岩)を説明できる
入試での位置づけ
岩石は「火成岩の分類表」(組織 × SiO₂ 量)が定番中の定番で、共通テストでは「花こう岩と玄武岩の組織・色・鉱物の違い」「等粒状組織と斑状組織のでき方の違い」が問われます。堆積岩は粒径による分類と石灰岩(塩酸で発泡)とチャート(発泡しない・硬い)の見分けが頻出。
1. 岩石の 3 分類
まずここだけ
| 種類 | でき方 | 例 |
|---|---|---|
| 火成岩 | マグマが冷えて固まる | 花こう岩・玄武岩 |
| 堆積岩 | 岩石の破片や生物の遺骸が堆積し、押し固められる(続成作用) | 砂岩・石灰岩 |
| 変成岩 | 既存の岩石が高温・高圧で性質を変える(溶けない) | 大理石・片麻岩 |
岩石サイクル:火成岩が風化・侵食されて堆積岩に、地下深くで変成岩に、溶けてマグマに戻る。
2. 火成岩 ── 組織と SiO₂ 量で分類
まずここだけ
組織(冷え方):
| 火山岩 | 深成岩 | |
|---|---|---|
| 冷え方 | 地表近くで急に冷える | 地下深くでゆっくり冷える |
| 組織 | 斑状組織(斑晶:先にできた大きな結晶 + 石基:細かい結晶やガラス) | 等粒状組織(大きさのそろった結晶が組み合う) |
SiO₂ 量(色):
| 苦鉄質(塩基性) | 中間質 | ケイ長質(酸性) | |
|---|---|---|---|
| SiO₂ | 少ない(45〜52%) | 52〜66% | 多い(66% 以上) |
| 色 | 黒っぽい | 白っぽい | |
| 密度 | 大きい(3.0 g/cm³) | 小さい(2.7 g/cm³) | |
| 火山岩 | 玄武岩 | 安山岩 | 流紋岩 |
| 深成岩 | 斑れい岩 | 閃緑岩 | 花こう岩 |
| 主な有色鉱物 | かんらん石・輝石 | 角閃石・輝石 | 黒雲母 |
| 主な無色鉱物 | 斜長石 | 斜長石 | 石英・カリ長石 |
覚え方:火山岩「げん・あん・りゅう」、深成岩「はん・せん・か」(黒 → 白の順)。
造岩鉱物:
| 有色鉱物(Fe・Mg を含む・黒っぽい) | 無色鉱物(白っぽい) |
|---|---|
| かんらん石(緑)、輝石、角閃石、黒雲母(薄くはがれる) | 斜長石、カリ長石、石英(最も硬い・SiO₂ そのもの) |
色指数:岩石中の有色鉱物の体積 %。玄武岩・斑れい岩は大きく(約 35%以上)、花こう岩は小さい(約 10% 以下)。
3. 堆積岩
まずここだけ
風化(岩石が砕ける・分解する)→ 侵食・運搬(水・風・氷)→ 堆積 → 続成作用(圧縮・粒の間の結晶化で固まる)
| 種類 | 材料 | 岩石 |
|---|---|---|
| 砕屑岩 | 岩石の破片(粒の大きさで分類) | れき岩(2 mm 以上)、砂岩(1/16〜2 mm)、泥岩(1/16 mm 未満) |
| 火山砕屑岩 | 火山灰・軽石 | 凝灰岩(かぎ層に使う) |
| 生物岩 | 生物の遺骸 | 石灰岩(サンゴ・有孔虫、CaCO₃、塩酸で発泡)、チャート(放散虫、SiO₂、非常に硬く発泡しない)、石炭 |
| 化学岩 | 水に溶けた成分が沈殿 | 岩塩、石こう、(石灰岩・チャートの一部) |
粒の運ばれ方:粒が大きいほど河口近くに、小さいほど沖に堆積。運ばれるうちに丸くなる(円磨)。
石灰岩とチャートの区別:石灰岩は塩酸で CO₂ が発泡、鉄より軟らかい。チャートは発泡せず、鉄より硬い(火打石)。
4. 変成岩
ここまでできれば十分
| 種類 | 原因 | 岩石 |
|---|---|---|
| 接触変成岩 | マグマの熱で、貫入の周囲の岩石が変化(狭い範囲) | 泥岩 → ホルンフェルス(硬く緻密)、石灰岩 → 大理石(結晶質石灰岩) |
| 広域変成岩 | プレートの沈みこみなどによる高温・高圧(広い範囲) | 片麻岩(白黒の縞)、結晶片岩(薄くはがれる片理) |
変成岩は溶けずに固体のまま鉱物が再結晶する。
5. 岩石の観察と利用
- 火成岩:ルーペで結晶の大きさ(斑状か等粒状か)と色(有色鉱物の割合)を見る
- 花こう岩(御影石):墓石・建材。大理石:建材・彫刻。石灰岩:セメントの原料。凝灰岩(大谷石):石垣
- 日本列島は島弧なので安山岩が多い。ハワイ・海洋底は玄武岩
6. よくある間違い
- 斑状組織を深成岩、等粒状組織を火山岩とする(逆)
- 花こう岩を火山岩とする(深成岩。火山岩は流紋岩)
- 玄武岩を白っぽいとする(黒っぽい)
- 石英を有色鉱物とする(無色)
- 泥岩・砂岩・れき岩の区別を「硬さ」でする(粒の大きさ)
- チャートが塩酸で発泡するとする(発泡するのは石灰岩)
- 変成岩が「溶けてできる」とする(固体のまま再結晶)
7. 自己チェック
- 火成岩・堆積岩・変成岩のでき方を言えるか
- 火山岩 3 つ・深成岩 3 つを SiO₂ 少 → 多の順に言えるか
- 斑状組織(斑晶・石基)と等粒状組織のでき方の違いを言えるか
- 有色鉱物 4 つ・無色鉱物 3 つを言えるか
- れき・砂・泥の粒径の境界(2 mm・1/16 mm)を言えるか
- 石灰岩とチャートの見分け方を言えるか
- 接触変成岩と広域変成岩の例を言えるか
8. 小テストへ
→ 小テスト(eb-03)
関連する単元
- 前提:s1-09 火山と火成岩(中学)、s1-10 地層と化石(中学)、eb-02 マグマ
- 次に進む:eb-04 地層と地質時代
- ここで使う考え方が出てくる:cb-03 結晶(SiO₂ は共有結合の結晶)
参考資料
- 文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 理科編 理数編』── 「地学基礎」(1) イ 活動する地球(火成岩)、(2) ア 地層の形成
受験のしらべ / https://juken-shirabe.pages.dev/daigaku/science/eb-03/ / 更新 2026-09-12