数学B 数学 / 統計的な推測 / hb-05

更新 2026-09-12

正規分布・標本平均・推定・検定

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

「統計的な推測」の共通テストの大問は、標準化 → 正規分布表 → 確率信頼区間の計算検定の判断が毎回の骨組みです。正規分布表は問題に与えられるので、表の読み方(P(0 ≦ Z ≦ z) の形)標準化の式を確実に。「信頼区間の幅を半分にするには n を 4 倍」など、式の意味を問う選択肢も出ます。


1. 連続型確率変数と正規分布

まずここだけ

身長・重さのように連続した値をとる変数は、確率密度関数 f(x) のグラフと x 軸の間の面積が確率。全体の面積は 1。

正規分布 N(m, σ²):平均 m、標準偏差 σ の左右対称な釣り鐘型。

標準正規分布 N(0, 1):平均 0、標準偏差 1。正規分布表は P(0 ≦ Z ≦ z) の値を与える(表の値 0.3413 = P(0 ≦ Z ≦ 1) など)。


2. 標準化と確率の計算

まずここだけ

X が N(m, σ²) に従うとき、Z = (X − m)/σ は N(0, 1) に従う。

手順

  1. 求めたい範囲を Z に直す
  2. 正規分布表で P(0 ≦ Z ≦ z) を読む
  3. 対称性・全体 = 1 で組み合わせる

X ~ N(50, 10²) のとき P(X ≧ 65) Z = (65 − 50)/10 = 1.5。P(Z ≧ 1.5) = 0.5 − P(0 ≦ Z ≦ 1.5) = 0.5 − 0.4332 = 0.0668

P(40 ≦ X ≦ 65):Z は −1 〜 1.5。P(−1 ≦ Z ≦ 0) + P(0 ≦ Z ≦ 1.5) = 0.3413 + 0.4332 = 0.7745

よく使う値

zP(0 ≦ Z ≦ z)
1.000.3413
1.64(1.645)0.4495(0.45)
1.960.4750
2.000.4772
2.580.4951

P(−1.96 ≦ Z ≦ 1.96) = 0.95(95%)、P(−2.58 ≦ Z ≦ 2.58) = 0.99


3. 二項分布の正規分布による近似

ここまでできれば十分

B(n, p) は n が大きいとき、N(np, np(1 − p)) で近似できる。

コインを 400 回投げて表が 220 回以上出る確率 B(400, 1/2) ≈ N(200, 100)、σ = 10。Z = (220 − 200)/10 = 2 → P(Z ≧ 2) = 0.5 − 0.4772 = 0.0228


4. 標本平均の分布

ここまでできれば十分

母平均 m、母標準偏差 σ の母集団から大きさ n の標本を無作為に取り出すとき、標本平均 X̄ は

E(X̄) = m、V(X̄) = σ²/n、σ(X̄) = σ/√n

n が大きければ X̄ は近似的に N(m, σ²/n) に従う(母集団が正規分布でなくても)。

母平均 50、母標準偏差 10 の母集団から 100 個の標本:X̄ ~ N(50, 1)、σ(X̄) = 1。P(X̄ ≧ 52) = P(Z ≧ 2) = 0.0228

n を大きくすると標本平均のばらつきは 1/√n で小さくなる


5. 母平均の推定(信頼区間)

ここまでできれば十分

標本平均 X̄、母標準偏差 σ(不明なら標本標準偏差 s で代用)、標本の大きさ n のとき、母平均 m の

95% 信頼区間:X̄ − 1.96 · σ/√n ≦ m ≦ X̄ + 1.96 · σ/√n 99% 信頼区間:X̄ ± 2.58 · σ/√n

n = 100、X̄ = 50、σ = 10:50 ± 1.96 × 1 → 48.04 ≦ m ≦ 51.96

信頼区間の意味

「同じ方法で標本をとり区間を作ることをくり返すと、95% の区間が母平均を含む」。「母平均がこの区間に入る確率が 95%」ではない(母平均は動かない定数)。

幅を狭くするには

幅 = 2 × 1.96 × σ/√n。幅を半分にするには n を 4 倍

母比率の推定

標本比率 p̂(n 個中 X 個で p̂ = X/n)のとき、母比率 p の 95% 信頼区間: p̂ ± 1.96 · √{p̂(1 − p̂)/n}

400 人中 100 人が賛成:p̂ = 0.25、√(0.25 × 0.75/400) = √(0.000469) ≒ 0.0217 → 0.25 ± 0.0424 → 0.208 ≦ p ≦ 0.292


6. 仮説検定

ここまでできれば十分

h1-14 の考え方を、正規分布で数値化したもの。

手順

  1. 帰無仮説 H₀(例:p = 0.5、m = 50)と対立仮説 H₁
  2. 有意水準(5% または 1%)を決める
  3. H₀ のもとで検定統計量 Z を計算(標準化)
  4. |Z| > 1.96(5%、両側)なら棄却、そうでなければ棄却しない

コインを 400 回投げて 220 回表。公正といえるか(有意水準 5%) H₀:p = 0.5。B(400, 0.5) ≈ N(200, 100)。Z = (220 − 200)/10 = 2。 |2| > 1.96 → 棄却。公正とはいえない(表が出やすいと判断)。

平均 50 の製品。標本 100 個の平均 52、標準偏差 10。平均は変わったか(5%) Z = (52 − 50)/(10/√100) = 2 > 1.96 → 棄却。平均は変わったと判断。

片側検定(「大きくなったか」)なら Z > 1.64 で棄却(5%)。問題文の「〜と異なるか(両側)」「〜より大きいか(片側)」で判断。


7. よくある間違い


8. 自己チェック

  1. Z = (X − m)/σ で標準化したか
  2. 表の値は P(0 ≦ Z ≦ z)。対称性で組み合わせる
  3. 標本平均は N(m, σ²/n)
  4. 95% は 1.96、99% は 2.58
  5. 検定は |Z| と 1.96 の比較。棄却できなくても「正しい」とは言わない

9. 小テストへ

→ 小テスト(hb-05

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参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から

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