高1 / 生物基礎 / bb-08

更新 2026-09-12

植生の多様性と遷移・バイオーム

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

遷移とバイオームは共通テストで必ずどちらかが出ると言ってよい分野です。「遷移の順序と各段階の植物」「陽樹と陰樹の光合成曲線」「気温と降水量のグラフからバイオームを判定」「日本の垂直分布(丘陵帯・山地帯・亜高山帯・高山帯)」が定番。気候 → バイオームの対応表は暗記が必要です。


1. 植生と森林の構造

まずここだけ

森林の階層構造(上から):高木層 → 亜高木層 → 低木層 → 草本層 →(地表層:コケ)

光合成曲線(光の強さ − CO₂ 吸収速度):

陽生植物陰生植物
光補償点(光合成 = 呼吸、見かけの光合成 0)高い低い(弱い光でも生きられる)
光飽和点(それ以上明るくても光合成が増えない)高い低い
最大光合成速度大きい小さい
ススキ・アカマツ・コナラシイ・カシ・ブナ・シダ

陽樹(明るい所でよく育つ)と陰樹(幼木が日陰でも育つ)の違いが遷移を動かす。


2. 一次遷移 ── 裸地から極相へ

まずここだけ

火山の噴火や大規模な地滑りでできた土壌のない裸地から始まる遷移。

段階植物特徴
① 裸地・荒原地衣類・コケ植物(先駆種・パイオニア)乾燥・貧栄養に強い。岩を風化させ土壌をつくり始める
② 草原ススキ・イタドリなどの草本土壌ができ、保水力が増す
③ 低木林ヤシャブシ・ウツギなど
陽樹林アカマツ・コナラ・クヌギ明るい所で育つ。林床が暗くなり陽樹の幼木は育たない
⑤ 混交林陽樹 + 陰樹林床で陰樹の幼木が育つ
陰樹林(極相)シイ・カシ・タブノキ(暖温帯)、ブナ(冷温帯)安定して構成が変わらない(極相林・クライマックス

遷移が進む理由:先に入った植物が土壌(有機物・保水力)と光環境(林床が暗くなる)を変え、次の植物に適した環境をつくる。 数百年〜1000 年かかる。乾いた土地から始まる乾性遷移、湖沼から始まる湿性遷移(湖沼 → 湿原 → 草原 → 森林)がある。


3. 二次遷移とギャップ

ここまでできれば十分


4. バイオーム ── 気候が決める

まずここだけ

バイオーム(生物群系):その地域の植生とそこに生きる動物を含めた生物のまとまり。年平均気温と年降水量で決まる。

バイオーム気候植物の例地域
熱帯多雨林高温・多雨フタバガキ、つる植物、着生植物。階層が多い東南アジア・アマゾン
亜熱帯多雨林ガジュマル・ヘゴ・マングローブ沖縄
雨緑樹林熱帯・雨季と乾季チーク(乾季に落葉)東南アジアの内陸
照葉樹林温帯・多雨(暖温帯)シイ・カシ・クスノキ・タブノキ(葉が厚く光沢)西日本〜関東
硬葉樹林温帯・夏に乾燥オリーブ・コルクガシ地中海沿岸
夏緑樹林温帯(冷温帯)ブナ・ミズナラ・カエデ(冬に落葉)東北・北海道南部
針葉樹林亜寒帯エゾマツ・トドマツ・シラビソ、モミ北海道東部・シベリア
サバンナ熱帯・少雨イネ科の草原 + まばらな木アフリカ
ステップ温帯・少雨イネ科の草原モンゴル・北米内陸
砂漠極端に少雨サボテン
ツンドラ寒帯地衣類・コケ類北極周辺

グラフの読み方:横軸に気温、縦軸に降水量。降水量が多ければ森林で、気温が高い順に熱帯多雨林 → 照葉樹林 → 夏緑樹林 → 針葉樹林。降水量が減ると草原(サバンナ・ステップ)→ 砂漠。


5. 日本のバイオーム ── 水平分布と垂直分布

ここまでできれば十分

日本は降水量が十分なので、気温だけで決まる。

水平分布(緯度):

地域バイオーム
沖縄・九州南端亜熱帯多雨林
九州〜関東(西日本)照葉樹林
東北〜北海道南西部夏緑樹林
北海道東部針葉樹林

垂直分布(標高:100 m 上がるごとに約 0.5〜0.6 ℃ 下がる。本州中部の例):

標高バイオーム
丘陵帯〜700 m照葉樹林
山地帯700〜1,700 m夏緑樹林(ブナ)
亜高山帯1,700〜2,500 m針葉樹林(シラビソ・コメツガ)
高山帯2,500 m〜高山草原(お花畑)・ハイマツ。森林限界より上

暖かさの指数:月平均気温 5 ℃ 以上の月について (気温 − 5) を合計。85 以上照葉樹林、45〜85 夏緑樹林、15〜45 針葉樹林。


6. よくある間違い


7. 自己チェック

  1. 森林の階層構造と林床の光の量を言えるか
  2. 光補償点・光飽和点が陽生・陰生でどう違うか言えるか
  3. 一次遷移の 6 段階と代表植物を言えるか
  4. 遷移が進む理由(土壌・光)と二次遷移の特徴を言えるか
  5. バイオーム 11 種と気候・代表植物を言えるか
  6. 日本の水平分布と垂直分布(4 帯)を言えるか

8. 小テストへ

→ 小テスト(bb-08

関連する単元

参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から

高校理科の単元一覧まぜこぜテスト理科の勉強法