数学Ⅰ 数学 / 二次関数 / h1-09

更新 2026-09-12

二次不等式 ── グラフで解く

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

二次不等式は共通テストの二次関数の大問・数学Ⅱの領域や対数不等式・数学Ⅲの定義域など、「範囲を求める」場面で毎回使う道具です。とくに「すべての実数 x で成り立つ」条件(D < 0)は、私立・国公立を問わず頻出。必ずグラフをかいて考える習慣をつけると、符号のミスが消えます。


1. 二次不等式の解き方 ── グラフで見る

まずここだけ

ax² + bx + c > 0 は「y = ax² + bx + c のグラフが x 軸より上にある x の範囲」。< 0 なら下

手順(a > 0 にそろえてから):

  1. ax² + bx + c = 0 を解いて、x 軸との交点 α、β(α < β)を求める
  2. 下に凸のグラフをかく
  3. > 0 なら外側(x < α または x > β)、< 0 なら内側(α < x < β)

x² − 5x + 6 > 0:(x − 2)(x − 3) = 0 → x = 2、3。上側 → x < 2 または x > 3 x² − 5x + 6 ≦ 0:下側(= を含む)→ 2 ≦ x ≦ 3 x² − 2x − 1 < 0:x = 1 ± √2。内側 → 1 − √2 < x < 1 + √2

a < 0 のとき

両辺に −1 をかけて a > 0 にする(不等号の向きが変わる)。

−x² + 3x + 4 ≧ 0 → x² − 3x − 4 ≦ 0 → (x − 4)(x + 1) ≦ 0 → −1 ≦ x ≦ 4

覚え方

大なりは外、小なりは内」(a > 0 で)。理由はグラフ:下に凸なら、交点の外側で上、内側で下。

よくある間違い


2. D = 0、D < 0 のとき

まずここだけ

グラフが x 軸と接する・離れているとき、解は「範囲」にならない。

不等式D = 0(接する:y = (x − α)²)D < 0(x 軸より常に上)
> 0x = α 以外のすべての実数すべての実数
≧ 0すべての実数すべての実数
< 0解なし解なし
≦ 0x = α のみ解なし

x² − 4x + 4 > 0 → (x − 2)² > 0 → x ≠ 2 のすべての実数(2 で 0 になるので除く) x² − 4x + 4 ≦ 0 → (x − 2)² ≦ 0 → x = 2 x² + x + 1 > 0 → D = −3 < 0、常に正 → すべての実数 x² + x + 1 < 0 → 解なし

平方完成してグラフの位置を見ると間違えない:x² + x + 1 = (x + 1/2)² + 3/4 > 0。


3. 連立・絶対値との組み合わせ

ここまでできれば十分

連立:それぞれ解いて共通範囲。数直線を書く

x² − 4x + 3 < 0 かつ x² − x − 6 ≧ 0 ① 1 < x < 3 ② x ≦ −2 または x ≧ 3 共通範囲:なし(① と ② が重ならない)→ 解なし

x² − 4 ≦ 0 かつ x² − 3x > 0 ① −2 ≦ x ≦ 2 ② x < 0 または x > 3 共通範囲:−2 ≦ x < 0

絶対値:|x − 1| < 3 → −2 < x < 4 のように一次不等式に直してから連立。


4. すべての実数で成り立つ条件

ここまでできれば十分

「すべての実数 x について ax² + bx + c > 0」⇔ a > 0 かつ D < 0

(グラフが下に凸で、x 軸と共有点を持たない)

x² + 2kx + k + 2 > 0 がすべての実数で成り立つ k: a = 1 > 0。D/4 = k² − (k + 2) < 0 → k² − k − 2 < 0 → (k − 2)(k + 1) < 0 → −1 < k < 2

条件aD
常に > 0a > 0D < 0
常に ≧ 0a > 0D ≦ 0
常に < 0a < 0D < 0
常に ≦ 0a < 0D ≦ 0

a に文字があるときは「a > 0」の条件も忘れない。a = 0 なら一次式になるので別に確認する。


5. 解の配置(発展)

もう一歩

「x² − 2ax + a + 2 = 0 の 2 つの解がともに正」のような条件は、グラフで 3 つを確かめる。

  1. D ≧ 0(実数解を持つ)
  2. 軸 x = a > 0(頂点が右側)
  3. f(0) > 0(x = 0 での値が正:グラフが y 軸を正で横切る)

D/4 = a² − a − 2 ≧ 0 → a ≦ −1 または a ≧ 2 軸 a > 0 f(0) = a + 2 > 0 → a > −2 共通:a ≧ 2

「2 解がともに負」なら軸 < 0、f(0) > 0。「正と負の解を 1 つずつ」なら f(0) < 0 だけ(D は自動的に正)。数学Ⅱの解と係数の関係でも同じ問題が解けます。


6. 自己チェック

  1. a > 0 にそろえたか(両辺 × (−1) で向きを変えたか)
  2. 「大なりは外、小なりは内」(グラフで確認)
  3. D = 0・D < 0 のときの答え方(x ≠ α、すべての実数、解なし、x = α)
  4. 「すべての実数で > 0」は a > 0 かつ D < 0
  5. 連立は数直線で共通範囲

7. 小テストへ

→ 小テスト(h1-09

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参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
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