高1 / 物理基礎 / pb-03

更新 2026-09-12

力のつり合い・作用反作用・力の分解

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

力学の問題は「力を正しく描けるか」で 8 割決まります。共通テストでは「物体にはたらく力をすべて示した図はどれか」「作用反作用の組はどれか」が定番。斜面の分解(mg sinθ、mg cosθ)はpb-04)・摩擦(pb-05)・エネルギー(pb-06)で毎回使うので、ここで確実に身につけます。


1. 力の種類と図示

まずここだけ

力の 3 要素:大きさ・向き・作用点。単位は N(ニュートン)。質量 m kg の物体にはたらく重力は mg(g = 9.8 m/s²)。

記号向き作用点
重力mg鉛直下向き重心
垂直抗力N面に垂直、面から離れる向き接触面
張力T糸に沿って、物体から離れる向き糸との接点
弾性力(ばね)kx自然長に戻る向きばねとの接点
摩擦力f面に平行、動き(または動こうとする向き)と逆接触面

描く手順:①注目する物体を決める → ②重力を描く → ③触れているもの(面・糸・ばね・他の物体)ごとに力を描く → ④触れていないものからの力は重力だけ(磁力・電気力を除く)


2. 力のつり合い ── 合力が 0

まずここだけ

物体が静止(または等速直線運動)しているとき、はたらく力の合力は 0

机の上の質量 2.0 kg の本:N = mg = 2.0 × 9.8 = 19.6 N 糸でつるした 3.0 kg のおもり:T = mg = 29.4 N 2 本の糸(それぞれ鉛直と 60° の角)でつるした重さ W のおもり:2T cos60° = W → T = W

3 力のつり合い:3 つの力のベクトルをつなぐと三角形が閉じる


3. 作用・反作用 ── つり合いと混同しない

ここまでできれば十分

作用・反作用つり合い
はたらく物体別々の 2 物体(A が B を押す/B が A を押す)同じ 1 物体
大きさ・向き同じ大きさ・逆向き同じ大きさ・逆向き
常に成り立つか常に(運動中でも)静止・等速のときだけ

机の上の本:「本にはたらく重力」と「机からの垂直抗力」→ つり合い(どちらも本にはたらく) 「本が机を押す力」と「机が本を押す力(垂直抗力)」→ 作用・反作用(別の物体) 重力の反作用 = 本が地球を引く力


4. 力の分解 ── 斜面は sin と cos

まずここだけ

角度 θ の斜面上の質量 m の物体にはたらく重力 mg を分解:

分力大きさ意味
斜面に平行mg sinθ物体を斜面に沿って滑らせようとする
斜面に垂直mg cosθ斜面を押す(垂直抗力 N = mg cosθ とつり合う)

覚え方:θ が小さい(ゆるい斜面)→ 平行成分は小さい → sin。θ = 0 で sin0 = 0(水平なら滑らない)。

主な三角比:sin30° = ½、cos30° = √3/2 ≒ 0.87、sin45° = cos45° = √2/2 ≒ 0.71、sin60° = √3/2、cos60° = ½

30° の斜面上の 4.0 kg の物体(g = 9.8):平行成分 4.0 × 9.8 × ½ = 19.6 N、垂直成分 4.0 × 9.8 × 0.87 ≒ 34 N 斜面上で静止させるのに必要な、斜面に平行な力:19.6 N

一般の分解:力 F を x 軸と角 θ をなす向きに → F_x = F cosθ、F_y = F sinθ。合成は逆に成分を足して大きさ √(F_x² + F_y²)。


5. フックの法則 ── F = kx

ここまでできれば十分

ばねの弾性力は自然長からの伸び(縮み)x に比例F = kx(k:ばね定数 N/m)

ばね定数 50 N/m のばねに 2.0 kg をつるす:kx = mg → x = 19.6 ÷ 50 = 0.39 m ばねを 0.10 m 伸ばすのに 4.0 N 必要なら k = 4.0 ÷ 0.10 = 40 N/m

直列・並列(発展):同じばねを直列にすると伸びは 2 倍(k は半分)、並列にすると伸びは半分(k は 2 倍)。


6. よくある間違い


7. 自己チェック

  1. 触れているものごとに力を描き、触れていないものからは重力だけ、と手順を言えるか
  2. つり合いは「同じ物体」、作用反作用は「別の物体」と言えるか
  3. 斜面に平行 mg sinθ、垂直 mg cosθ を書けるか
  4. N = mg cosθ と N = mg の使い分けができるか
  5. F = kx の x が伸びだと言えるか

8. 小テストへ

→ 小テスト(pb-03

関連する単元

参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から

高校理科の単元一覧まぜこぜテスト理科の勉強法